思考の踏み込み

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前田智徳8

2014-08-05 07:32:57 | 
前田のエピソードについてもう少し触れてみよう。

彼は高校時代から既に天才として鳴り響いており、三年の夏が終わった段階で西武を除く11球団が獲得に乗り出していたといわれる。

(肝心の前田は練習を観にくるスカウト達を完全に無視し、スカウトが現れると練習の手を抜いたー という逸話もある。)

ところがいざドラフトが始まってみると、指名したのはカープのみ。それもドラフト四位指名であった。

その理由はある "事件" の影響による。

前田の後輩が他校の野球部員に殴られた事があった。彼は怒り、一人で乗り込んで全員をのしてしまった、というモノである。

(まるで前田太尊…。)


この話の真相を私はよくしらないが、この事が前田がドラフト四位という、低い指名の理由の一つだと言われている。

いずれにせよ、このエピソードからも前田という人物の優しさや烈しさが伝わってきて、よりその魅力は増す。

ともかくも地元九州の福岡ダイエーホークスに行きたかった前田は、それが悲しかったらしく、泣きながら押入れにこもって出てこなかった。
そして一旦はプロ入りすら拒否。

なんとも厄介な "少年" である。


まえとも坊や。前田本人談「目つきが悪い。不機嫌そう。少年時代も今も変わらない。(本人苦笑)」



ー だが、当時の広島カープのスカウトマンは優秀で男気があった。

そのスカウトマン宮川は言った。

「ホークスは約束を守らんかった。ワシらは指名の約束を守ったぞ。お前も男やったら約束を守れ。」

宮川は前田の暴力事件を聞いても "ワシが責任を取る" といって球団に指名する事を懇願したといわれる。

前田はこの宮川の人間性に心を動かされて、広島への入団を決めた。

こういう有能な人材がカープのスタッフにいた事にカープファンとしては感謝したい。
そして前田自身にとっても良かったと言えるのではないか?

広島カープほど、前田の様な男が所属するに相応しい球団は無いと思われるからだ。

(ちなみに前田は釣りが趣味で、子供の頃は大きな鯉を釣った事もあったと語っているが、"カープ" が "鯉" の意味であるとは入団して数年間知らなかったらしい。
なんとも前田らしい話である。)

前田18歳。



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