IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

ソコが変だよ、ハリケーン復興事業

2005-09-27 14:46:28 | ハリケーン「カトリーナ」関連
明日の朝一番でワシントン市内にある「全米牛肉協会」というロビー団体のオフィスでインタビューがあるため、肉関連のリサーチをしていたら、もう夜中の1時過ぎ。やばいやばい、そろそろ寝なければ…。正しいバーベキューの楽しみ方…ではなく、ずっと問題になってきた米国産牛肉の日本への輸出禁止に関して質問をする予定で、時間を見つけては牛肉問題の資料に目を通してたんです(悲しい事に、トイレの中ででも…。意外と資料が多かったので)。言い訳からスタートした今日のブログですが、ハリケーン関連のニュースを1つ紹介して、おそらくベッドに飛び込む事になると思います。少々短めのバージョンになりますが、どうか今日もお付き合いくださいな。

バトン・ルージュの環境保護局(EPA)職員が購入した89ドル95セントの靴から、ミシシッピー州知事と関係の深いフロリダの業者が5億6800万ドルで受注した瓦礫撤去作業まで、ハリケーン「カトリーナ」後の復興事業には様々な業者が参加し、巨額の復興予算が関連業者に分配されていく。26日付のニューヨーク・タイムズ紙が報じたところによると、約4週間前に発生した「カトリーナ」の復興事業で1億ドル以上の契約を結んだ業者が少なくとも15社存在する模様で、そのうちの5つは5億ドル以上の契約を受注している。大型受注に成功した業者の多くは、瓦礫撤去作業や、移動式住宅などの販売、トラックやバスといった大型車両の供給を手がけている。また、政府内文書によると、連邦緊急事態管理局(FEMA)が民間企業に発注した総額15億ドルの復興事業の80パーセントで入札が行われておらず、政府関係者や監査担当者は契約のプロセスで縁故主義が存在しなかったかと懸念している。

復興事業を巡るブッシュ政権内の縁故主義はすでに以前から議論の的となっており、災害発生直後に大型契約を勝ち取った2社(ショウ・グループとハリーバートンの子会社として知られるケロッグ・ブラウン&ルート)には大物ロビイストのジョン・アルバ氏が代理人として参加している。2000年の大統領選挙でブッシュ陣営の幹部スタッフだったアルバ氏は、2001年にFEMA長官に就任している。「このような非常事態が起きた場合、不正行為や職権乱用に対する脆弱性が強まる可能性があります。細心の注意を払って、チェックを続けていきます」、国土安全保障省を担当するリチャード・スキナー監査官はニューヨーク・タイムズ紙の取材にそう答え、現在も60人の部下が「カトリーナ」の復興事業における不正行為の有無を監視しているのだと語った。「たとえ全てではなくとも、ほとんどの業者は正当な仕事をしています。復興のスピードに注目が集まり、関係者が極度のプレッシャーの中で働いているのも事実なんです」、スキナー監査官はそう付け加えた。

しかし、複数の業界関係者や政府高官によると、瓦礫撤去だけで1社に支払われた5億6800万ドルは「通常ではありえない高いレート」だという事で、この大型契約を間接的に認めた陸軍工兵部隊を批判する声も少なくない。問題の契約を受注したフロリダ州のアッシュブリット社だが、ミシシッピー州のハーレイ・バーバー知事が関係するロビイスト事務所の顧客だった。多くの契約は入札無しで各業者に発注されているが、同じレベルの商品やサービスでも、業者間で非常に大きな価格差が存在するようだ。移動式住宅の場合、一軒の価格が1万5000~2万3000ドルとなっており、被災住宅の点検作業では1軒につき15~81ドル、被災者を6ヶ月間収容するフェリーでは1300万~7000万ドルという大きな差が出ている。「コネという範疇を超えて、共和党協力者が利益を得るシステムが出来上がっています」、民主党のベニー・トンプソン下院議員(ミシシッピー州)はそう語った。

ニューヨーク・ヤンキースのデレク・ジター選手に脅迫状が届いたようで、「白人女性とのデートを止めなければ、狙撃か放火をする」とのメッセージが書かれてあったことから、FBIが捜査を開始したらしい。ニューヨークのデイリー・ニュース紙によると、同様の脅迫状がクラレンス・トーマス最高裁判事やNFLマイアミ・ドルフィンズのジェイソン・テーラー選手にも送られていたようで、脅迫状は全てオハイオ州クリーブランド周辺で投函されていた。ヤンキースの花形選手であり、グラウンドの内外で常に華麗な話題を振りまくジターにブーイングを飛ばすレッドソックス・ファンは多いけれど(正直に告白すると、僕もボストン時代は「ジターのクソッタレ」とプリントされたTシャツを着て野球観戦に行ってた)、堂々としたオーラを振りまくジターを敵ながら尊敬するファンがボストンには多かった。僕もジターには愛憎が交錯する感情を抱く1人だが、ディマジオやマントルがそうだったように、彼にもセレブでいてほしい。野球選手って、まだまだ子供が憧れる夢の仕事なんだから。

黒人の父親と白人の母親の間に生まれたジター本人が26日にCBSの「60ミニッツ」という報道番組の中で語っているんだけど、ミシガン州で過ごした幼少時代には周囲から人種差別的な言葉を投げ掛けられた経験もあったようだ。「この11年間、本拠地のヤンキー・スタジアムで差別的な言葉を聞いた事は無いよ」、ジターはそうコメントしている。付き合うのが白人でも黒人でも、アジア系でもヒスパニックでも、イイ女はやはりイイ女。僕はいつもそう思ってる。ゴツゴツ顔揃いのヤンキースの中で奇跡的な色気を醸し出すジターには、これからも眠らない町の主役でいてほしいし、正統派のスターであり続けてほしい。社会に適応できないレッドネックの戯言は無視して(FBIが本気を出せば、こんな手紙の作成者はすぐに分かります、はい)、自由奔放なジターでいてくれい。

(写真) ハリケーン「リータ」による被害で大部分の電力供給がストップしたテキサス州ジャスパーでは、26日から数ヶ所のコンビニが開店し、日用品を求める市民で長蛇の列ができた。 (ロイター通信より)