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本当の幸福とは?/アクタージュ 第35話「秘密」 感想(週刊少年ジャンプ2018年44号)

2018-10-01 | アクタージュ
                              
                              景の決意。









巌さんは延命治療に切り替えれば今よりも少しは生きられると思う
しかし、寿命を少しばかり伸ばすのと演出家としての役割を全うして逝くのとどっちが(彼にとって)幸福なのか?っていう
そういう話だと思うんですけど・・・これはある意味どっちの言い分も理解出来る深いテーマのように感じました
夜凪ちゃんの云うように、多少手遅れでも延命すれば残される人々に想い出は作ってやれると思う
しかし、どの道逝くのならば短い寿命を延ばすより後進に道を示したい。。という、
巌さんの気持ちも個人的には理解出来てしまう

常識的に考えれば前者なんでしょうけど、
それは別の角度で捉えれば「他者のエゴ」とも言える
自分が死んでほしく無いから、良心の呵責に耐え切れないから行う選択であって、
そこに“本人の意志”は介入していない・・・とも感じてしまうのが個人的な解釈でもある
要は、結局は手前の人生は手前の人生、「最後まで好きなことさせてあげる」というのも、
ある意味本人の想いを汲み取った優しい配慮ではないだろうか。。とも思うのです。





生きることは、
生きている事はそりゃ尊いし嬉しいし有難い事だとは(絶対的に)思う
ただ、「ただ生きているだけ」が必ずしも幸福だとは個人的には思わない
本当にやりたいこと、
本当に全うしたいこと、
本当に誰かの為になること・・・を、
しっかりしていないと本来の意味で“幸福”とは呼べないんじゃないだろうか
巌さんにとって、今幸福なのは「ただ生きていること」なのか?と言えば疑問が残る
それこそ、命を賭して全うしたいことがあるなら、それを遂行させてあげるのも、
立派な選択肢の一つなんじゃないか、、、とは(あくまで自分の判断ですが)そう思いますね

しかし、それを十代の、未成年の子に背負わすのも随分酷だよなあ、とも思う(笑
きっと、どっちを選択したとしても何かしらの後悔は残ってしまう状況だとは感じる
でも、どの道、景ちゃんに出来るのは“それ”をしっかりと受け継ぐこと、技術を自分のものにすること、残していくこと・・・
それでしかないよなあ。とも、個人的には思っていたりもするんです
ならば、
ここは腹を括って吹っ切るしかない
一番最悪なのは「迷い」を抱えたまま走ってしまうこと
そうではなく、自分の意志で「これで良かったんだ。」という状況まで持って行く
それ即ち、夜凪ちゃん自身が自分の選択で“成長”を目指して行く・・・という、
ある意味切なくも清々しい着地点に収まっていて素直に感動出来た35話目でした

墨字さんの言う通り、川に飛び込むのも最期まで演出家として死ぬのもエゴイスティックな思想なのかもしれない
ただ、たった一度しかない手前の人生、最終的には“本当の幸福”の為に生き抜けばいい。とも思う
それを「らしいね。」って受け止める事が出来たら、
ある意味当人にとっても嬉しいんじゃないかなあ・・・って読んでてふと感じたりもしました

まあ、正直難しいし、正解とかもないし、少年誌らしからぬグレーな問題でもありますけど(笑
ただ、こういう答えを簡単に出しにくい作劇の深さ―――――を、
敢えてジャンプで遂行し、
きちんとポピュラリティのあるものにまで押し上げてくれているセンスは正直素晴らしい
と思う
多感な時期だからこそ、こういう漫画を読んで感じるものもあるだろうな~って考えると、
ある意味何よりも意義深い掲載にもなり得てるんじゃないか・・・って感じました。












あと、チャイナ服の夜凪ちゃんが最高でした!
・・・散々生真面目に語って来て結局それかいって感じですけど(笑)。
初見で見惚れてしまったくらい可愛かったんでまあしょうがないよねーって事で。

にしても、来週もCカラーな上に、掲載順4番手ですよ!
かつてと比べると随分待遇変わったなあ(しみじみ)と思いつつ、
ここまで来たら是非2度目の表紙巻頭取って欲しいな。って強く願ってます
以前、コメント欄でこの漫画の掲載順の低さに愚痴ってしまったんですけど笑
そこからのこの状況なので、余計に嬉しみが深いなあ。。と感じますね。これからも応援してます。