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【アルバムレビュー】ことばとおんがく/SAKANAMON

2021-09-05 | アルバム感想
                    







1.ことばとおんがく
2.かっぽじれーしょん
3.鬼
4.レ点
5.丘シカ地下イカ坂
6.いろはうた
7.OTOTOTOTONOO
8.PACE





聞き取って 聞き取って 
伝わらないないがしろのメッセージ 伝達神経回路がバグってる
ディスコミュニケーション (かっぽじれーしょん)







歌詞カードの写真を見ると、
「肴者」という意味合いらしいです、バンド名。
その名の通りユーモラスな曲が多いし掴みどころのないバンドだと思います
そしてそれが魅力だとも感じましたね。
 本作は、
言葉遊びが中心の歌詞と、
タフなバンドアンサンブルの絡み合いが中心で
結構人を食ったような曲も多いですね
展開がコミカル過ぎて聴いてて思わず笑ってしまった「鬼」や、
歌詞の殆どがダジャレで構成されている「丘シカ地下イカ坂」など実験的な曲が多いです
文字通り音で言葉で遊んでいる感覚、、、が気持ち良くて聴いてて楽しい、
そういうアルバムに仕上がってると思いましたし、
また、
全8曲で1曲1曲が短いので聴きやすくもあるんですよね
ジャケットもシンプルだし歌詞カードもギミックが多くて面白い
全体的にスカッとした印象の作品で個人的な期待以上に良かったアルバムでしたね。

で、
先述のように、
このバンドの良さっていうのはその変幻自在な感じにあると思っていて。
時には前衛的でコミカルな曲を鳴らすけど、
時には普遍的なポップソングを鳴らしてメリハリ、、、というのかな
歌詞に意味を持たせないような曲と、
歌詞にストレートな意味を持たせてる曲の対比が見事なんですよね
なので、
余計にこうやってアルバムで聴くと一曲一曲に対する印象も変わるというか・・・
そういう意味では非常にアルバム然としたアルバムに仕上がっている~と言えるかもしれません
例えば、
一曲「鬼」を切り取って聴くのも勿論楽しいと思うけど、
多分アルバムの流れで最後の「PACE」を聴くとまた違うと思うんですよ
この時代に於けるアルバムというメディアの存在価値を改めて示している傑作と言えます
出来れば、お試しで一曲聴くのも良いですがフィジカルでまとまって聴くのがおススメですね
言葉の意義と楽しさと力強さを一遍に味わえる意欲作だと個人的には感じました。


推しの3曲は、
ネクライトーキーのもっさが参加してる「かっぽじれーしょん」
これはどっちかって言えばコミカルサイドの曲だと感じますけど、
男女の掛け合いみたいな曲に仕上がってて単純に聴いてて楽しい曲だ、し、
その上で自分の想いを分かって欲しい~っていう根源的欲求も伝わって来る~という
一粒で二度美味しい類の楽曲に仕上がってます
更に言うと、
もっさがこういうザ・ガーリーな歌詞を歌うのも珍しいので結構グッと来た曲でもありました(笑
テンポも速いしノリも良いので入り口に相応しい感じの曲だとも感じましたね。
 2曲目は個人的に出会いの曲「OTOTOTOTONOO」
ヘンテコな題名とは裏腹に、
ショック受けたけど、
一旦落ち着いて音楽でも聴いてもう一度やり直そう。っていう(個人的解釈です)
音楽的オルガスムに満ちているクールなアレンジも格好良いキラーチューンに仕上がっています
そういう歌詞の良さを抜きにしても純粋に音として気持ち良い楽曲でもあるので、
キャッチーかつガツンと来る音楽が好きなら気に入る曲かも
自分的には、
ミュージックラヴァーに向けた曲にも聴こえるのでそういう意味合いでも大好きな曲
 そして最後の「PACE」。
序盤のコミカルな言葉遊びの楽曲群に対して、
締めを飾る曲が「僕らのペースで。」っていうストレートかつまともなメッセージだったんで
初めて聴いた時、ちょっと感動してしまいましたね
恐らく、
この曲だけを切り取ったらフレッシュなギターロックという印象なんですけど、
なんか色々な曲の積み重ねにこういうド直球の曲が来たから気持ち泣けるんですよね
それまでがめちゃくちゃ変化球多めだったから余計に(笑
こういう、
王道のギターロックナンバーを最後に据えるというのもニクいじゃないですか
一曲目のキリッとした歌声で言葉の可能性を伝える「ことばとおんがく」と若干迷ったんですが、
この記事はアルバムレビューだという事を考えるとギリギリで「PACE」に軍配が上がりました
 ただ、
前も後ろもポップで面白い曲が多いので、
一癖あるけど人懐っこさもしっかりと内包されている、
そんなSAKANAMONの音楽の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。








実は、
ラジオで一回聴いただけ、
予備知識も無いまま勢いで買った音源だったんですけど、
自分が想像してたよりも格好良くて聴いてて楽しいアルバムでした。
今年の春に出た作品ですけど、涼しくなって来た今の方が似合いそうな気もする。




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