愛を全て渡せる
神の全てを惑わせる
あくまで個人的な感覚だが、
日常を過ごしていて「情熱」を感じる瞬間が年々少なくなって来ている
気が付けば冷徹な視線と批判ばかりがやたら目や耳につき純粋な「好き」が伝わり難い世の中になっている
いや、っていうか、それはご多分にガキの頃のようなイノセンスを失くした群れの中に毎日身を置いてるからであって
ある種狭い世界の感触ではあるのだが、何もかもを全部投げ捨てるくらいの“本気の愛”を感じてみたいのもまた本音ではある。
「ほどほど」を装って周りから見て一番無難な手前を演じている/または無意識にそうするのも
それはそれで一つの生き方だし否定すべきものでは全然ないけれど
個人的にはもっと無鉄砲なバカが増えて欲しい、というか
激しい情熱で心を突き動かされたい気持ちがある
愛を全て渡せる
神の全てを惑わせる。
全力で「お前自身」を貫いて、その先に報われる景色を待ち、来るべき時に歓喜に震える・・・。
そういう誰よりもエネルギッシュで、必死であろうとする事に一切懐疑的な視点を持たない「美しさ」が聴こえる、、、
自分にとってこの曲はそういう曲であり、前回レビューしたハレルヤと同様にこの曲もまた新アンセムだと思っています。
微妙にラルクっぽいイントロから、
轟音と浮遊感の強い歌メロが鳴り響き
一気にスピード感を増すサビメロに酔い痴れる・・・という
純粋にポップソングとしての出来がすこぶる良いように感じられる今作でも随一に求心力の高い楽曲
クールに振り切りつつも、熱量の高い歌詞とのギャップも素晴らしく静かに燃え滾る事が出来る秀逸なロックチューン
初めてこの曲を音源で聴いた時にはこの曲をヘビロテし過ぎて中々他の曲に行けなかったくらい(笑)
ハマってしまった中毒性の高い楽曲でもあります。
ただ、この曲の肝はラストにあります
ちょっとダサい形容かもしれませんが、
まるでロックンロールのレジェンドを目指すかのように
今のノーベンバーズの壮大で美しい決意が破壊的な爆音で鳴らされる最後の歌メロは
聴いてて否応なく盛り上がって興奮してしまう強いエネルギーがあります
世の中には「応援歌」と称される歌がいくつもありますが、
一切そういう言葉を使ってないのにむしろ有り体な応援歌以上にやる気が漲って来るのが実に痛快ですね
意思そのものがそのまま歌やメロディ、アンサンブルになってしまったような、今のノベンバを象徴している名曲。
ライブで聴くと拳を突き上げたくなるくらいショッキングで耽美な演奏が聴けるのでその点でもおススメです。
今は「○○を好き」と表明する事すら(時に)厳しい嫌な時代で
「意識高い系」とかいう“全力”を小馬鹿にする言葉すら生まれてしまった酷い時代ですけど、
だからこそ、こういう曲が果たせる役割っていうのは相当大きいんじゃないか、って思う。
頼もしい一曲で、大好きな楽曲です。