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THE NOVEMBERS「Hallelujah」全曲レビューその6「風」

2017-11-01 | THE NOVEMBERS「Hallelujah」全曲レビュー









11月になったのでノベンバ聴きまくります(いつも聴いてる気もするが)。









この「風」という曲は、まず音の質感がいいですね
オールディーズのようであり、また90年代のV系っぽいアレンジでもある
とてもエレガンスなサウンドが兎角気持ち良いので純粋に演奏を聴いているだけでも心地の良い楽曲に仕上がっています。

実は、ハレルヤで一番好きな楽曲ってこの曲だったりします。
初めてハレルヤを通して聴いたときに、6曲目・・・というのは大体繋ぎの曲が入ってたりするもんなんですけど、
この曲を初めて聴いた時「これ、シングルじゃん。」って素直に思ったんですよね
極上のメロディ、美しさのシンボルのような歌声と歌詞、
そして雰囲気の心地良さ・・・
唯一3分にも満たない曲の短さがシングル向きではないかな、ってだけで
それを抜きにしてもここまでポップで気持ちが良い曲がこんなポジションに入ってる事にビックリしたんですよね
ウットリしちゃうような格段のポップネスが詰まっている最新作の中でも随一に聴きやすい一曲
先述のようにV系にも通じる耽美な要素も詰まってるのでその意味でもおススメの楽曲
この一年間で通勤や帰宅時、自宅でもすっげえ聴きまくってる曲でもあります笑



風はただ通り過ぎる
僕たちをかまいもせず
いまをただ
ここをただ
通り過ぎる
行き先さえ
告げないまま
通り過ぎていく





歌詞の内容は前フルアルバムの「dumb」を更に突き詰めたような内容になっています
人間、曲げない折れないブレない・・・と口で言うだけなら簡単ですが、
少しの風が吹いただけでそんな意志もいとも簡単に無くなってしまう(ものだと思う)。

だけど、
そんな風自身は何にも影響されず何の躊躇いもなく純粋に駆け抜けていく
ちょっとの揺れも障害も気にせず何食わぬ顔で役割を果たして行く
人間から見たそんな“風の美しさ”・・・が
端的に歌われてますが、
同時にそれはある種のメッセージである(と、感じます)。

気が付けば、
内的要因ではなく、
外的要因で「何か」を諦めてしまっている自分はいませんか?ってこと
そんな下らない言い訳も暗黙の了解もさっさと破棄でもして
ちゃんと自分らしく、
本当に自分がしたい事を真っ当に貫いて生きていこう・・・という
そんな美しさと正しさを聴き手に委ねているようなスタンスが兎角素敵な楽曲でもあります
それをメッセージ風に歌うのではなく、あくまで“風”というメタファーのみで描き切っている、
そういう「粋さ」もまた素晴らしい一曲で聴くだけでその意図はちゃんと伝わってくれるナンバーだと思う。

何より、全体的に優雅なテンションの楽曲なのに、
歌詞を聴いてると不思議と胸が熱くなる・・・
そういう塩梅自体にも魅せられる、
ポップで聴きやすい音像でありながら胸に来る要素にも満ちている極上の一曲です
ライブでも頻繁に演奏しているようで、また生で聴くのも楽しみですね。










何も気にせず、
誰も意に介さず、
楽しみ味わい切るのは存外に難しい。
だけど、
そこを乗り越えた時にこそ、
“本当の気持ち良さ”があるのもまた事実。
「そこ」への想いを掻き立ててくれる、自分にとっては物凄く大事な一曲です。




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