うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

おもに運動に関して、気ままに話したいと思います。
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女子ハンドボール世界選手権 日本は16位

2009年12月26日 | 団体球技(室内)
◆第19回女子ハンドボール世界選手権(2009年12月5~20日 @中国)

・今大会の日本の成績
予選ラウンドC組                    プレジデントカップ2組(13~24位以内の予備ラウンド)
12月 5日 vsノルウェー ●19(9-15)34      12月12日 vsカザフスタン    ○33(15-11)17
12月 6日 vsルーマニア ●28(17-17)37     12月13日 vsアルゼンチン    ●24(12-15)25
12月 7日 vsチュニジア △31(16-14)31      12月14日 vsコートジボアール ○32(16-11)31
12月 9日 vsチリ     ○38(19-13)19     〔日本は2位で15位決定戦へ〕
12月10日 vsハンガリー ●28(14-15)35
〔日本は4位でプレジテンドカップへ〕

15位決定戦
12月15日 vsブラジル  ●29(17-19)31

・最終順位
優勝・ロシア、2位・フランス、3位・ノルウェー、4位・スペイン、5位・デンマーク、6位・韓国、7位・ドイツ、8位・ルーマニア、9位・ハンガリー、10位・オーストリア、11位・アンゴラ、12位・中国、13位・スウェーデン、14位・チュニジア、15位・ブラジル、16位・日本、17位・ウクライナ、18位・コートジボアール、19位・アルゼンチン、20位・コンゴ、21位・タイ、22位・カザフスタン、23位・チリ、24位・豪州

※ロシアは旧ソ連時代を含めて3大会連続7度目の優勝

大会の詳細の成績
日本ハンドボール協会の今大会の関連ページ


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2年に1度、奇数年に開催される女子ハンドボールの世界選手権。日本女子は、初めて採用された1976年のモントリオール五輪以降、五輪の本大会出場は遠ざかってます(→詳細はこちら)。だが、世界選手権には1995年大会以降、8大会連続14度出場してます。今大会の日本は健闘虚しく16位に終わりました。ちなみに、24チームが参加する現行の形式となった1999年以降の大会の日本の成績は、1999年ノルウェー大会17位、2001年イタリア大会20位、2003年クロアチア大会16位、2005年ロシア大会18位、2007年フランス大会19位といった具合です。やはり、体格がものを言うハンドボールは、欧州が圧倒的に有利な競技です。唯一欧州に対抗できるのは韓国だけです。なので、現時点での日本の実力を考慮すれば、10位台半ばのこの順位は致し方ないと思います。

しかし、今大会の日本の映像は見られませんでしたが、日本協会の戦評やスコアシートを見ると、北京五輪優勝のノルウェーにはさすがに完敗しましたが、今大会8位のルーマニア(北京五輪7位)と9位のハンガリー(北京五輪4位)の世界の中堅国にはかなり善戦してます。ルーマニアには昨年3月の北京五輪最終予選では21-44と惨敗したので、スコアだけ見れば大健闘でしょう。また、日本は5月の韓国戦の勝利や、大会直前のスペインでの親善試合での仕上がり具合も良かったので、今回は上位12チームが戦う本戦ラウンド進出にも、淡い期待をしました。

ただ、親善試合と真剣勝負ではさすがに違いました。ルーマニア戦とハンガリー戦に共通しているのは、前半は互角に喰らいつきますが、体力が尽きる後半に引き離されるパターンで敗北。特に、お互いに本戦ラウンド進出が懸かったハンガリー戦は後半20分近くまで2点のビハインドで大健闘するものの、残り10分になってミスが相次いで失点を重ねて突き放されただけに、本当に惜しいの一言です。日本は過去にハンガリーとは、北京五輪世界最終予選の最終戦で五輪出場権を直接賭けて対戦したことがあります。今回はあの時と状況が酷似していただけに、29-39で敗れた五輪予選の雪辱を果たしたかったです。現状の日本は、体力面の強化と経験を積み重ねて試合運びを上手くする事が悲願の五輪出場に向けた今後の課題だと思います。五輪予選の前哨戦である来年の広州アジア大会で韓国と対戦した時に、是非とも成長した姿を見たいです。

なお、今大会は中国での開催でした。アジアでの開催だったので時差などの面で日本も戦いやすいかと思えました。しかし、開催国に配慮している為なのか、予選ラウンドの組み合わせがあまりにも露骨に中国が有利だと思いました。今大会4つある組のうち、A~C組は欧州勢が3ないし4チーム入ってました。しかし、中国が入ったD組には欧州のチームはたったの1チーム(スペイン)だけ。逆にこの組にはアジア勢が3チームも入ってました。欧州が圧倒的に有利な競技の特性を考慮しても、歪さが嫌でも目立ちます。中国は北京五輪では6位に入る健闘してますが、今大会は本戦ラウンドで5戦全敗を喫して12位に終わってます。中国と実力がほぼ同等の日本を含めた他の組のチーム(特に欧州の強豪が集結したA組)は、開催国への過大な配慮のおかげで割りを食った印象すらあります。国際ハンドボール連盟(IHF)はこういう姿勢を改めないと、また「中東の笛」のような恥ずかしい事態を招きかねませんね。


〔お知らせ〕 
ちなみに、来年1月6日にWOWOWでは、今大会の日本代表の植垣暁恵を取り上げたドキュメンタリー番組と、韓国の女子ハンドボールを扱った映画『私たちの生涯最高の瞬間』を放送します。




▼ハンドボールのロンドン五輪の出場資格
(本大会は男女とも12ヶ国が参加、予選方式は男女とも共通)

 ・開催国(英国)
 ・五輪前年に開催される世界選手権の優勝国
 ・欧州、アジア、アフリカ、米大陸の各大陸予選の1位国
 ・世界最終予選から6ヶ国
 (4チーム×3組で1回戦総当たり戦を実施し、各組2位までが出場権獲得)

※ロンドン五輪の世界最終予選は、前回北京五輪のレギュレーションと同じく、世界選手権2~7位国、各大陸予選の2位国、世界選手権で好成績を収めた国が属する2大陸に各1ヶ国ずつの合計12ヶ国に参加資格を付与(既に五輪出場権を獲得した国は除く)。
  なお、世界選手権2~7位国が五輪出場権を得た場合は、同大会8位国に世界最終予選の参加資格を付与(複数ある場合は順次繰り上がる。オセアニア代表の成績によっても変動)。
  また、前回北京五輪は、既に五輪出場権を獲得した国を除いた世界選手権上位3ヶ国に、世界最終予選を開催する権利が与えられました。


☆ロシアがフランスを25-22で破って7度目の優勝

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