うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

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男子ハンドボールのロンドン五輪世界最終予選の組み合わせが決まる

2012年01月31日 | 団体球技(室内)
◆男子ハンドボール・ロンドン五輪世界最終予選の組み合わせ(2012年4月6~8日、12ヶ国が参加)

予選第1組 (@スペイン・アラカント)
スペイン(世界選手権3位)、ポーランド(世界選手権8位)、セルビア(欧州予選2位)、アルジェリア(アフリカ予選2位)

予選第2組 (@スウェーデン・ヨーテボリ)
スウェーデン(世界選手権4位)、ハンガリー(世界選手権7位)、ブラジル(米大陸予選2位)、マケドニア(欧州予選5位)

予選第3組 (@クロアチア・ヴァラジュディン)
クロアチア(世界選手権5位)、アイスランド(世界選手権6位)、日本(アジア予選2位)、チリ(米大陸予選3位)


<日本の日程>  ※試合会場はヴァラジュディン・アリーナ
4月6日(金) vsクロアチア
4月7日(土) vsアイスランド
4月8日(日) vsチリ

予選方式は、4チーム×3組で1回戦総当たり戦を実施し、各組2位までが五輪出場権獲得。
各組の会場は、昨年1月にスウェーデンで開催された世界選手権で、既に五輪出場権を獲得した国を除いた上位3ヶ国で開催。

※2月8日に日本ハンドボール協会から予選の日程が発表されたので、本文も訂正いたしました。


日本ハンドボール協会の今大会の関連ページ
昨年1月にスウェーデンで開催された世界選手権の詳細(日本協会HPより)


                             *  *  *  *  * 


1月15~29日までセルビアで開催されていた男子ハンドボールの欧州選手権で、デンマークが決勝で地元セルビアを21-19で下して2大会ぶり2度目の優勝を飾りました。この結果を受けて、4月6~8日に行われるロンドン五輪世界最終予選に参加する12ヶ国と組み合わせが決定しました。

男子の世界最終予選のレギュレーションは女子と全く同じです。参加12ヶ国を4チーム×3組に分け、1回戦総当たり戦を実施して各組2位までが五輪出場権獲得となります。各3組の試合会場は、昨年1月にスウェーデンで開催された世界選手権で既に五輪出場権を獲得した国を除いた上位3ヶ国(3位スペイン・4位スウェーデン・5位クロアチア)で開催されます。現在世界ランキング20位の日本は、昨年10~11月にソウルで開催されたロンドン五輪アジア予選で韓国に敗れて2位に終わり、この大会の1位のみに与えられる五輪出場権を逃したので、世界最終予選に回りました。アジア第2代表として扱われている日本は、世界最終予選ではクロアチアのヴァラジュディンで開催される3組に入ります。

この3組には、日本の他に、クロアチア(世界選手権5位)、アイスランド(同大会6位)、チリ(同大会22位)が同じ組に入りました。当初この組にはスウェーデン(同大会4位)が入る予定でしたが、世界選手権2位のデンマークが欧州選手権で優勝して五輪出場権を獲得したので、アイスランドが2組から3組へと移りました。世界選手権で16位に終わった日本は、チリとは近年の対戦経験はありませんが、クロアチアとアイスランドの両国とは近年の公式戦で対戦してます。クロアチアとは、2005年1月の世界選手権で25-34、2008年5月の北京五輪世界最終予選で22-37とそれぞれ敗北。アイスランドとは世界選手権で22-36と完敗を喫してます。ちなみに、クロアチアとアイスランドは、世界選手権の5位決定戦で34-33、先の欧州選手権の予選リーグでは31-29といずれもクロアチアがアイスランドを僅差で下してます。

この組を展望すると、ハンドボールの本場である欧州の2ヶ国が圧倒的に優位に立ち、「2強2弱」の力関係となるのは間違いないです。クロアチアは、五輪では1996年アトランタ大会と2004年アテネ大会で優勝し、世界選手権でも優勝が1回(2003年大会)、2位が3回(1995年大会、2005年大会、2009年大会)の好成績を残している世界的な強豪国です。なにせ、同国は、旧ユーゴスラビアを構成していた国なので、ハンドボールだけでなく、球技全般が強い国です。アイスランドも前回北京五輪では2位に入るなど、実は世界的なハンドボールの強豪国です。しかも、今回の試合会場がクロアチアで開催されるのだから、時差・移動距離などの面でも欧州勢の方が断然有利です(ちなみに、前回の最終予選では、日本はクロアチアと敵地で対戦して完敗)。

それに、欧州勢とは体格と身体能力に差があります。しかも、プロ選手ばかりなので、競技を取り巻く体制にも大きな差があります。正直、今の日本がこの両国から勝ち星を奪うのは、非常に困難だと言わざるを得ないです。少なくとも現在サウジアラビアのジェッダで開催されているアジア選手権で優勝する力が無ければ全く話になりません(ただし、この大会には宮崎大輔が負傷で欠場しているので、たぶん厳しいでしょうけど・・・)。更に、日本にとって不幸なのは、予選の最初の2戦で欧州勢と対戦することです。欧州勢とは実力に開きがあるから、最初の2戦で対戦すると、確実に最終戦が消化試合となるのは目に見えているので、国際ハンドボール連盟は空気が本当に読めない連中ですよね(苦笑)。日本としては、欧州勢との連戦で最低でも1試合は引き分けに持ち込んで、チリとの最終戦で1988年ソウル五輪以来となる24年ぶりの五輪出場が繋がる展開にしたいのですが・・・。たぶん、現実的にはかなり困難でしょう。

昨年12月の世界選手権で欧州勢に善戦した女子のロンドン五輪出場の可能性は、「ひょっとしたら、ひょっとするかも」という程度です。だけど、男子は女子以上に厳しく、ハッキリ言って絶望的です。それどころか、やっとの思いでアジア予選で2位に滑り込んだ日本にとって、世界最終予選は五輪出場を賭けた真剣勝負の舞台というより、世界の強豪に胸を借りて国際経験を積める貴重な場と化してます。つまり、「世界最終予選が、日本にとってのオリンピック」だと言うことです。たしかに、情けない話ですけど、アジア予選で惨敗して世界最終予選にかすりもしなかった男子バスケや、権利がありながら勝算が全く無いので辞退した水球よりかはまだマシな方です。プロ化を果たしたサッカーを除いて、男子の団体球技の殆どが五輪の舞台から長期間遠ざかっているので、あらゆる面で改革をしない限りは、今後もこうした傾向が続くのは必至です。



▼男子ハンドボールのロンドン五輪の出場国
(本大会は12ヶ国が参加。男子の開催期間は2012年7月28日~8月12日)

開催国:英国(不明)
世界選手権の優勝国:フランス(6)
欧州:デンマーク(4)
アジア:韓国(19)
米大陸:アルゼンチン(25)
アフリカ:チュニジア(18)
世界最終予選から6ヶ国

※カッコ内は直近の国際ハンドボール連盟のランキング


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☆1月にセルビアで開催された欧州選手権準決勝のクロアチアvsセルビア
(セルビアが26-22でクロアチアに勝利)



☆欧州選手権1次リーグD組のクロアチアvsアイスランドの前半
(なお、試合はクロアチアが31-29でアイスランドに勝利)



☆欧州選手権1次リーグD組のクロアチアvsアイスランドの後半

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