うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

おもに運動に関して、気ままに話したいと思います。
のんびり更新しますので、どうぞ気長にお付き合い下さい。

U-17日本代表、フランスにドローながらも決勝トーナメント進出に一歩前進

2011年06月23日 | サッカー(年代別)
◆サッカー・第14回FIFA U-17ワールドカップ メキシコ大会
(2011年6月21日 @メキシコ・モンテレイ/エスタディオ・ウニベルシタリオ)

・1次リーグB組 (第2節)
日本 1(0-1)1 フランス
得点者:日本)49分 石毛秀樹(PK)
    フランス)24分 アブダラー・ヤイジャン


国際サッカー連盟の今大会の関連ページ
日本サッカー協会の今大会の関連ページ
今大会のU-17日本代表21名
出場24チームの最終登録メンバー(各国21名)

〔写真はアジアサッカー連盟より〕


                           *  *  *  *  *


正直、勝てた試合だった・・・

日仏両国がU-17W杯で対戦するのは今回が通算3度目です。最初の対戦は、今から10年前の2001年トリニダード・トバゴ大会の1次リーグの最終戦です。この時は、日本はフランスのパススピードや巧みな個人技に手も足も全く出せず、1-5と完敗。なお、この試合で日本の得点を挙げた選手が、のちに南アフリカW杯日本代表となる矢野貴章です。この試合は、選手個々の体格&身体能力や技術など、とても同じ年代の選手とは思えないほど力の差が歴然でした。結局、フランスがこの大会を優勝します。2度目の対戦は、前々回の2007年韓国大会の1次リーグ最終戦です。この時は、日本が前半終了間際に大黒柱の柿谷曜一朗がセンターサークル内から鮮やかなロングシュートを決めて先制するも、後半に2失点を喫して1-2で逆転負け。タレントが大勢揃っていた日本は健闘はしますが、シュート数5対20、ボール支配率41%対59%と力の差はやはり明確にありました。

3度目の対戦となった今回は、お互いに初戦で勝ち点3を挙げた状況での戦いでした。試合会場は高温だったこともあり、初戦のアルゼンチン戦を3-0で大勝したフランスは無理をせずにスローペースで戦い、前半は日本がボールを支配する展開でした。ただ、ボールを支配というよりは、“持たされている”と表現した方が正しいです。日本は横や後ろにはパスは繋がるも、自陣で網を張って待ち構えるフランス守備陣のプレッシャーに手こずります。不用意なパスミスを繰り返して中々縦には繋がらず、有効な攻撃には至りませんでした。前半24分、日本はカウンターから右サイドを崩され、フランスに豪快なミドルシュートを決められて先制を許します。日本の守備は良く機能してましたが、この時間帯だけはエアポケットに嵌りました。フランスはこのまま一気呵成に攻勢を仕掛けるのかと思いきや、その後もスローペースでのらりくらりと「省エネサッカー」で戦います。一方、日本は得意のポゼッションサッカーで対抗。結局、前半はフランスが1-0でリードして折り返します。

日本は、後半開始からMF喜田拓也に代えて、昨秋のアジア予選得点王のFW南野拓実に交代。南野の投入により相手DFが次第に下がり、日本が相手ペナルティエリア近辺でチャンスを掴み始めます。そして、後半4分、CB植田直通のロングフィードから、早川史哉、望月嶺臣、石毛秀樹と繋ぎ、石毛のドリブル突破からPKを獲得。やや幸運な判定でしたが、このPKを石毛自らがキッチリと左に決めて、日本が同点に追い着きます。前戦のジャマイカ戦に続いて吉武博文監督の交代策がズバリ的中となりました。同点に追い着いた日本は、後半15分過ぎ頃になるとフランスの運動量が激減したこともあって、前半とは見違える動きで試合の主導権を完全に掌握。鮮やかなパス交換とドリブルを交えた効果的な攻撃を展開。何度も決定的なチャンスを作り出し、フランスを自陣に釘付けにして一方的な展開となります。しかし、肝心のゴール前で決定力を欠き、寸での所で相手DFの寄せの早さや足の長さに阻まれて得点には至らず、結局このまま1-1で引き分けに終わりました。

下馬評とは裏腹に、日本はフランスを相手に、シュート数13対12、ボール支配率では62%対38%と数字の上でも健闘が光りました。今回は対戦順や気象条件が影響したとはいえ、過去2回の対戦と比較しても、長足の進歩を遂げたとも言えます。正直、勝ってもおかしくない試合内容だったので、勝ち点1を拾ったというよりも、勝ち点2を失ったと言っても過言では無かったですね。ただ、2試合を終えて1勝1分で勝ち点4(得失点差+1)を挙げた日本は1次リーグB組の3位以内が確定し、アルゼンチンとの最終戦でよほどの大敗を喫しない限りは決勝トーナメント進出の可能性が高くなりました。現在1勝1敗(勝ち点3・得失点差-2)のアルゼンチンは、最終戦の日本戦で必ず勝利を狙ってくるはずです。それだけに、日本の守備陣が試されます。今回の日本の2人のCBは185㎝と背が高く、足元の技術も決して悪くありません。絶好のシチュエーションで強豪と戦えるだけに、己の実力を信じて相手の攻撃を封じ込んでほしいです。


・関連記事
U-17日本代表、ジャマイカに完封勝利して白星発進
「ドーハの悲劇」を知らない世代が、イラクに勝ってU-17W杯の出場権を獲得


☆日本vsフランスのダイジェスト




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
試合を見て驚きました (こーじ)
2011-06-24 02:53:44
 ネットで‘日本フランスと引き分け’という
一報を聞いた時は‘こりゃ凄い’と思いましたけど、BSフジの超遅い録画中継を見たら追いついた後半はむしろ押し気味で確かに‘勝ちを逃した’という感じでしたね。

 試合前はアルゼンチンに3-0で勝ったフランス相手に引き分けでもOKと思っていただけに、
ここまでやれるとは思いませんでした。
 
 U-17で決勝トーナメント進出というのは自国開催の93年以来の成績だったと思いますし、
シドニーの黄金世代でもできなかった偉業ですから1試合でも多く戦って経験を積んで欲しいですね。
コメントありがとうございます (猫なべ)
2011-06-24 21:50:03
こんばんは、こーじさん

最初、フランスの選手を見た時、体格が優れているし、しかも殆どが黒人だったので、今回も個人技と身体能力で圧倒されて苦戦は必至なのかと予想しました。

さすがに選手個々の能力はフランスが上ですが、日本が押し気味の内容で勝ち点1をもぎ取ったのは全くの予想外でした。
しかも、フランスは後半残り15分過ぎあたりから、あからさまに引き分け狙いだったのには、本当に驚きましたね。

たぶん、日本は事前準備が上手くいって、コンディション作りも良かったのではと思われます。
アルゼンチンとは、昨年夏に日本で親善試合を戦ってPK戦で負けているので、この時の経験を活かして大一番に臨んでほしいです。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。