
◆男子サッカー・ロンドン五輪アジア2次予選 第2戦
(2011年6月23日 @クウェート/モハマド・アルハマド・スタジアム)
クウェート 2(0-1)1 日本
得点者:クウェート)50分 ハマド・R・A・A・アリ、64分 ナセル・M・S・S・M・アルシャカス(PK)
日本)21分 酒井宏樹
※2戦合計スコアが4-3で日本が最終予選に進出
▼2次予選のその他の試合結果 ※左側のチームが第2戦がホーム
・インド 1(0-0)1 カタール
(2戦合計スコアが4-2でカタールが最終予選に進出)
・イラン 0(0-1)2 イラク
(2戦合計スコアが5-0でイラクが最終予選に進出)
・パレスチナ 1(1-0)2 バーレーン
(2戦合計スコアが2-2と並びますが、アウェーゴール数の差でバーレーンが最終予選に進出)
・イエメン 0(0-2)4 豪州
(2戦合計スコアが7-0で豪州が最終予選に進出)
・トルクメニスタン 0(0-2)4 シリア
(2戦合計スコアが6-2でシリアが最終予選に進出)
・UAE 1(1-1)1 北朝鮮
(2戦合計スコアが2-1でUAEが最終予選に進出)
・ヨルダン 1(1-0)1 韓国
(2戦合計スコアが4-2で韓国が最終予選に進出)
・香港 0(0-2)2 ウズベキスタン
(2戦合計スコアが3-0でウズベキスタンが最終予選に進出)
・ベトナム 1(1-2)4 サウジアラビア
(2戦合計スコアが6-1でサウジアラビアが最終予選に進出)
・オマーン 3(0-0)1 中国
(延長1-0、2-0)
(延長戦も含めた2戦合計スコアが4-1でオマーンが最終予選に進出)
・マレーシア 2(2-0)1 レバノン
(2戦合計スコアが2-1でマレーシアが最終予選に進出)
▼ロンドン五輪アジア最終予選のシード分け
ランキングは前回大会の北京五輪の成績に基づいて作成されてます。
4チーム×3組で構成される最終予選は、各ポットから1チームずつ抽選されます。
なお、同じポットに属するチームは、同じ組には入りません。
最終予選の抽選会は2011年7月7日にマレーシアのクアラルンプールで実施。
第1シード(ポット1):1位・韓国、2位・豪州、3位・日本
第2シード(ポット2):4位・イラク、5位・バーレーン、6位・カタール
第3シード(ポット3):7位・サウジアラビア、8位・シリア、9位・ウズベキスタン
第4シード(ポット4):10位・オマーン、11位・UAE、12位・マレーシア
(赤字が北京五輪出場国、青字が北京五輪アジア最終予選の出場国)
アジアサッカー連盟の今大会の関連ページ
日本サッカー協会の今大会の関連ページ
今大会のU-22日本代表22名
今大会のU-22クウェート代表26名
〔写真はロイターより〕
* * * * *
中東勢との戦いに課題を残す
4日前に豊田スタジアムで行われた初戦で3-1で勝利したU-22日本代表は、現地時間の6月23日(日本時間6月24日未明)に敵地クウェートで行われた第2戦に臨みました。初戦の結果、日本は第2戦では、勝利もしくは引き分けで最終予選に進出が決定。また、負けた場合でも、「1点差での敗戦」もしくは「2得点以上を奪っての2点差での敗戦」でも、規定により勝ち上がれる優位な状況でした。しかし、3点差以上での敗戦、もしくは0-2での敗戦の場合は、逆にクウェートの最終予選進出が決定。日本が1-3で敗れた場合は、アウェーゴールルールが適用される15分ハーフの延長戦を戦います。それでも決着がつかない場合はPK戦となりました。
前半の日本はアウェーならではの戦いに徹して、まずまずの内容だったと思います。最低でも90分間以内に2得点を奪う必要があったクウェートは、初戦とは打って変わって試合序盤から積極的な姿勢で日本ゴールに猛然と襲い掛かります。守備を意識した日本は、パスはあまり繋がりませんでしたが、クウェートのロングボールを悉く跳ね返し、シュートは打たせませんでした。時間の経過とともに次第に落ち着きを取り戻した日本は、前半21分に東慶悟のロングパスにタイミングよく飛び出した酒井宏樹が、飛び出したGKと縺れながらも動きを冷静に読んでシュートを決めて、幸先よく先制点をゲット。この時点での2戦合計スコアで日本が4-1とリードを広げ、安全圏に突入。初戦は酒井のミスから痛恨のアウェーゴールを献上しただけに、これでチャラとなりました。前半は、このまま日本が1-0で折り返します。
ところが、後半に入ってから状況が一変。以前から、このチームは試合の入り方に問題がありましたが、最も大事な場面でいつもの悪癖を露呈。しかも、気温40℃近くで行われた試合だっただけに、運動量の低下が懸念されましたが、これも追い討ちを掛けます。後半5分に、相手のFKのこぼれ球を豪快なボレーシュートを決められて失点を許します。この失点シーンは日本選手全員が集中力を欠き、相手選手へのマークがあまりにも緩慢でした。これで一気に反転攻勢に転じたクウェートは試合の主導権を掌握。後半14分には、DF鈴木大輔がペナルティエリア内でドリブルを仕掛けた相手選手を倒したと主審に判断され、PKを献上。このPKを決められてクウェートに1-2と逆転を許し、2戦合計スコアでも4-3と1点差までに追い上げられます。あと1点を失うと、2戦合計スコアとアウェーゴール数が完全に並ぶので、延長戦に突入する状況にまで追い詰められました。
だが、クウェートも後半開始からのハイペースが祟ったのか、次第に足が止まり始めます。徐々にペースを取り戻した日本は逆にカウンターから幾度か決定機を作り出し、止めを刺しにいきます。だが、決定力不足と相手GKの好守に阻まれて、日本はリードを広げられません。その後の日本は、この試合で同点に追い着くというより、2戦合計スコアのリードを守る賢い戦いに徹し、無理な攻撃は仕掛けませんでした。それもそのはず、今回の試合を箱根駅伝で例えれば、「時差スタートの復路のレース」と全く同じだからです。つまり、往路でたくさん貯金を作って苦手の復路をカバーし、先行逃げ切りのレース展開に持ち込んで総合優勝を狙う戦略です。日本は試合終盤にGK権田修一の好守で助けられたシーンはありましたが、1-2とクウェートに逆転負けを喰らいながらも、2戦合計スコアで4-3と辛くも逃げ切り、9月21日から行われる最終予選に進出となりました。結果的に、酒井のアウェーゴールが大きくものを言いました。
中東の曲者相手の今回のアウェー戦は、まるで「はじめてのおつかい」のようなハラハラ感がありましたが(笑)、最終予選では中東勢との対戦が確実視されているだけに、しっかりと反省して課題を修正しなくてはなりません。なにせ、最終予選では中東勢が7チームも勝ち上がり、少なくともクウェートより強い相手ばかりですから。間違いなく、彼らは日本相手だと堅守速攻で応戦するので、セットプレーからの失点は命取りです。前回の北京五輪最終予選でも、日本はサウジアラビアとカタールとのアウェー戦で苦戦を強いられて未勝利に終わりました。ただ、今回は6月の試合だったので、異常な気象条件の中での戦いでしたが、最終予選は今秋から来年春にかけての戦いとなります。過去のアジアサッカー連盟(AFC)主催大会の例から判断すると、第1シードの日本のアウェー戦の日程は、ポット2のチームと第2節(2011年11月23日・水曜日)、ポット3のチームと第4節(2012年2月5日・日曜日)、ポット4のチームと第5節(2012年2月22日・水曜日)に対戦する事が予想されます。なので、今回のような極端に高温の中での試合になるとは考えにくいです。とはいえ、2月は日本はオフシーズンなので、十分に調整する必要があります。
なお、2次予選の他の試合の結果ですが、洪明甫監督率いる韓国はヨルダンに2戦続けて先制点を許すものの、後半に同点に追い着いて辛うじて勝ち上がりました。最近は、韓国のロンドン世代の代表選手が、海外クラブへの移籍が相次いでおります。最終予選の日程は国際試合日での実施ではないので、代表選手を招集するには所属クラブの同意が必要です。なので、韓国はもしかしたら最終予選で苦戦を強いられる可能性があります。一方、イランvsイラクの因縁の隣国対決は予想外の結末となりました。初戦でイラクがホームで0-1で敗れるも、後にイランが出場停止の選手を出場していたことが判明。この結果、第1戦は没収試合になって3-0でイラクの勝利として扱われ、2戦合計スコアで5-0と思わぬ大差でイラクが最終予選進出となりました。過去2回のAFC U-19選手権の優勝国同士の対決だったUAEvs北朝鮮は、敵地での初戦で白星を飾ったUAEが2戦目では先制点を許すものの、PKを決めて1-1の同点に追い着き、北朝鮮に競り勝ちました。最終予選では、イラクとサウジとUAEと同居するのが、最も悪い組み合わせでしょう。なお、今回の予選のランキングは前回北京五輪の成績を参考にしているので、現在の実力が正確に反映されているとは言い難いです。結果的に、東アジア勢が割を食って、中東勢が漁夫の利を得たような気がします。
ただ、北朝鮮は相手が強敵だったので同情出来ますが、中国に関しては同情の余地が全く無いです。なにせ、今回は自力で五輪に出場できる最高のチャンスでしたから。というのも、前回の五輪開催国だった中国は、実力とは不釣合いにシード国として扱われたので、1次リーグの初戦で最弱と評されたニュージーランドと対戦する幸運に恵まれたからです。ただ、中国は前半に退場者を出したNZに先制を許し、最も組し易かった相手にも苦戦を強いられます。何とか終了2分前に同点に持ち込んで勝ち点1を拾ったことが、後に大きく物を言った格好です。とはいえ、北京五輪での中国はどの試合も内容が非常に悪く、ベルギーに0-2、ブラジルに0-3といずれも大敗。ベルギー戦ではお家芸の“カンフーサッカー”で2人も退場者を出す醜態まで晒してます。たしかに、北京五輪での日本は1次リーグで全て1点差で敗れましたが、誰が見ても日本の方が実力が上です。なにせ、北京五輪代表チーム同士の親善試合の成績は、日本が中国に2勝1分と勝ち越してますから。要するに、中国がランキングで日本よりも上位にいられたのは、カネで五輪を買収したからに他ならないです。
中国は今回の2次予選を勝ち上がれば、最終予選では自動的に第1シード国となっていたので、韓国と豪州の対戦を回避出来ました。更には、抽選で苦手の日本も避けることが出来れば、五輪出場の可能性は高くなっていたはずです。それだけに、格下のオマーンに負けて、五輪出場どころか、最終予選に進出すら逃したのは全くの論外です。なにせ、中国はフランスW杯でクロアチアを3位入賞に導いたミロスラフ・ブラゼビッチを監督に雇いながら、初戦のホームゲームで敗れ、更には第2戦で途中出場した選手がいつもの“カンフーサッカー”を炸裂して退場処分を喰らって自分の首を絞めたのだから、まさに馬鹿丸出しもいい所です。進歩が全く無い中国人は、もしかしたらサッカーには向いてない国民性なのかもしれませんね。まあ、“眠れる獅子”がいつまでも眠りから覚めないおかげで日本は命拾いしたのだから、今回ばかりは奴等に足を向けて寝れませんけどね(苦笑)。
▼ロンドン五輪アジア予選の今後の日程
・最終予選
第1節:2011年9月21日(水)、第2節:2011年11月23日(水)、第3節:2011年11月27日(日)
第4節:2012年2月5日(日)、第5節:2012年2月22日(水)、第6節:2012年3月14日(水)
※12チームを4チーム×3組に分けてH&A方式で対戦。各組首位のみが本大会の出場権を獲得。
各組2位がアジアプレーオフへ。
・アジアプレーオフ
2012年3月25日(日)・27日(火)・29日(木)に実施(なお、会場は未定)。
※最終予選で各組2位になった3チームがセントラル方式(集中開催方式)で1回戦総当りのリーグ戦を実施し、
首位チームが大陸間プレーオフへ。
・大陸間プレーオフ
詳細な日程はまだ未定。
※アフリカ第4代表とH&A方式で対戦。勝者が本大会の出場権を獲得。
・関連記事
男子サッカーのロンドン五輪アジア予選の日程の概要が決まる
☆クウェートvs日本のダイジェスト
☆UAEvs北朝鮮のダイジェスト
☆イランvsイラクのダイジェスト
☆オマーンvs中国のダイジェスト
(2011年6月23日 @クウェート/モハマド・アルハマド・スタジアム)
クウェート 2(0-1)1 日本
得点者:クウェート)50分 ハマド・R・A・A・アリ、64分 ナセル・M・S・S・M・アルシャカス(PK)
日本)21分 酒井宏樹
※2戦合計スコアが4-3で日本が最終予選に進出
▼2次予選のその他の試合結果 ※左側のチームが第2戦がホーム
・インド 1(0-0)1 カタール
(2戦合計スコアが4-2でカタールが最終予選に進出)
・イラン 0(0-1)2 イラク
(2戦合計スコアが5-0でイラクが最終予選に進出)
・パレスチナ 1(1-0)2 バーレーン
(2戦合計スコアが2-2と並びますが、アウェーゴール数の差でバーレーンが最終予選に進出)
・イエメン 0(0-2)4 豪州
(2戦合計スコアが7-0で豪州が最終予選に進出)
・トルクメニスタン 0(0-2)4 シリア
(2戦合計スコアが6-2でシリアが最終予選に進出)
・UAE 1(1-1)1 北朝鮮
(2戦合計スコアが2-1でUAEが最終予選に進出)
・ヨルダン 1(1-0)1 韓国
(2戦合計スコアが4-2で韓国が最終予選に進出)
・香港 0(0-2)2 ウズベキスタン
(2戦合計スコアが3-0でウズベキスタンが最終予選に進出)
・ベトナム 1(1-2)4 サウジアラビア
(2戦合計スコアが6-1でサウジアラビアが最終予選に進出)
・オマーン 3(0-0)1 中国
(延長1-0、2-0)
(延長戦も含めた2戦合計スコアが4-1でオマーンが最終予選に進出)
・マレーシア 2(2-0)1 レバノン
(2戦合計スコアが2-1でマレーシアが最終予選に進出)
▼ロンドン五輪アジア最終予選のシード分け
ランキングは前回大会の北京五輪の成績に基づいて作成されてます。
4チーム×3組で構成される最終予選は、各ポットから1チームずつ抽選されます。
なお、同じポットに属するチームは、同じ組には入りません。
最終予選の抽選会は2011年7月7日にマレーシアのクアラルンプールで実施。
第1シード(ポット1):1位・韓国、2位・豪州、3位・日本
第2シード(ポット2):4位・イラク、5位・バーレーン、6位・カタール
第3シード(ポット3):7位・サウジアラビア、8位・シリア、9位・ウズベキスタン
第4シード(ポット4):10位・オマーン、11位・UAE、12位・マレーシア
(赤字が北京五輪出場国、青字が北京五輪アジア最終予選の出場国)
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今大会のU-22クウェート代表26名
〔写真はロイターより〕
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中東勢との戦いに課題を残す
4日前に豊田スタジアムで行われた初戦で3-1で勝利したU-22日本代表は、現地時間の6月23日(日本時間6月24日未明)に敵地クウェートで行われた第2戦に臨みました。初戦の結果、日本は第2戦では、勝利もしくは引き分けで最終予選に進出が決定。また、負けた場合でも、「1点差での敗戦」もしくは「2得点以上を奪っての2点差での敗戦」でも、規定により勝ち上がれる優位な状況でした。しかし、3点差以上での敗戦、もしくは0-2での敗戦の場合は、逆にクウェートの最終予選進出が決定。日本が1-3で敗れた場合は、アウェーゴールルールが適用される15分ハーフの延長戦を戦います。それでも決着がつかない場合はPK戦となりました。
前半の日本はアウェーならではの戦いに徹して、まずまずの内容だったと思います。最低でも90分間以内に2得点を奪う必要があったクウェートは、初戦とは打って変わって試合序盤から積極的な姿勢で日本ゴールに猛然と襲い掛かります。守備を意識した日本は、パスはあまり繋がりませんでしたが、クウェートのロングボールを悉く跳ね返し、シュートは打たせませんでした。時間の経過とともに次第に落ち着きを取り戻した日本は、前半21分に東慶悟のロングパスにタイミングよく飛び出した酒井宏樹が、飛び出したGKと縺れながらも動きを冷静に読んでシュートを決めて、幸先よく先制点をゲット。この時点での2戦合計スコアで日本が4-1とリードを広げ、安全圏に突入。初戦は酒井のミスから痛恨のアウェーゴールを献上しただけに、これでチャラとなりました。前半は、このまま日本が1-0で折り返します。
ところが、後半に入ってから状況が一変。以前から、このチームは試合の入り方に問題がありましたが、最も大事な場面でいつもの悪癖を露呈。しかも、気温40℃近くで行われた試合だっただけに、運動量の低下が懸念されましたが、これも追い討ちを掛けます。後半5分に、相手のFKのこぼれ球を豪快なボレーシュートを決められて失点を許します。この失点シーンは日本選手全員が集中力を欠き、相手選手へのマークがあまりにも緩慢でした。これで一気に反転攻勢に転じたクウェートは試合の主導権を掌握。後半14分には、DF鈴木大輔がペナルティエリア内でドリブルを仕掛けた相手選手を倒したと主審に判断され、PKを献上。このPKを決められてクウェートに1-2と逆転を許し、2戦合計スコアでも4-3と1点差までに追い上げられます。あと1点を失うと、2戦合計スコアとアウェーゴール数が完全に並ぶので、延長戦に突入する状況にまで追い詰められました。
だが、クウェートも後半開始からのハイペースが祟ったのか、次第に足が止まり始めます。徐々にペースを取り戻した日本は逆にカウンターから幾度か決定機を作り出し、止めを刺しにいきます。だが、決定力不足と相手GKの好守に阻まれて、日本はリードを広げられません。その後の日本は、この試合で同点に追い着くというより、2戦合計スコアのリードを守る賢い戦いに徹し、無理な攻撃は仕掛けませんでした。それもそのはず、今回の試合を箱根駅伝で例えれば、「時差スタートの復路のレース」と全く同じだからです。つまり、往路でたくさん貯金を作って苦手の復路をカバーし、先行逃げ切りのレース展開に持ち込んで総合優勝を狙う戦略です。日本は試合終盤にGK権田修一の好守で助けられたシーンはありましたが、1-2とクウェートに逆転負けを喰らいながらも、2戦合計スコアで4-3と辛くも逃げ切り、9月21日から行われる最終予選に進出となりました。結果的に、酒井のアウェーゴールが大きくものを言いました。
中東の曲者相手の今回のアウェー戦は、まるで「はじめてのおつかい」のようなハラハラ感がありましたが(笑)、最終予選では中東勢との対戦が確実視されているだけに、しっかりと反省して課題を修正しなくてはなりません。なにせ、最終予選では中東勢が7チームも勝ち上がり、少なくともクウェートより強い相手ばかりですから。間違いなく、彼らは日本相手だと堅守速攻で応戦するので、セットプレーからの失点は命取りです。前回の北京五輪最終予選でも、日本はサウジアラビアとカタールとのアウェー戦で苦戦を強いられて未勝利に終わりました。ただ、今回は6月の試合だったので、異常な気象条件の中での戦いでしたが、最終予選は今秋から来年春にかけての戦いとなります。過去のアジアサッカー連盟(AFC)主催大会の例から判断すると、第1シードの日本のアウェー戦の日程は、ポット2のチームと第2節(2011年11月23日・水曜日)、ポット3のチームと第4節(2012年2月5日・日曜日)、ポット4のチームと第5節(2012年2月22日・水曜日)に対戦する事が予想されます。なので、今回のような極端に高温の中での試合になるとは考えにくいです。とはいえ、2月は日本はオフシーズンなので、十分に調整する必要があります。
なお、2次予選の他の試合の結果ですが、洪明甫監督率いる韓国はヨルダンに2戦続けて先制点を許すものの、後半に同点に追い着いて辛うじて勝ち上がりました。最近は、韓国のロンドン世代の代表選手が、海外クラブへの移籍が相次いでおります。最終予選の日程は国際試合日での実施ではないので、代表選手を招集するには所属クラブの同意が必要です。なので、韓国はもしかしたら最終予選で苦戦を強いられる可能性があります。一方、イランvsイラクの因縁の隣国対決は予想外の結末となりました。初戦でイラクがホームで0-1で敗れるも、後にイランが出場停止の選手を出場していたことが判明。この結果、第1戦は没収試合になって3-0でイラクの勝利として扱われ、2戦合計スコアで5-0と思わぬ大差でイラクが最終予選進出となりました。過去2回のAFC U-19選手権の優勝国同士の対決だったUAEvs北朝鮮は、敵地での初戦で白星を飾ったUAEが2戦目では先制点を許すものの、PKを決めて1-1の同点に追い着き、北朝鮮に競り勝ちました。最終予選では、イラクとサウジとUAEと同居するのが、最も悪い組み合わせでしょう。なお、今回の予選のランキングは前回北京五輪の成績を参考にしているので、現在の実力が正確に反映されているとは言い難いです。結果的に、東アジア勢が割を食って、中東勢が漁夫の利を得たような気がします。
ただ、北朝鮮は相手が強敵だったので同情出来ますが、中国に関しては同情の余地が全く無いです。なにせ、今回は自力で五輪に出場できる最高のチャンスでしたから。というのも、前回の五輪開催国だった中国は、実力とは不釣合いにシード国として扱われたので、1次リーグの初戦で最弱と評されたニュージーランドと対戦する幸運に恵まれたからです。ただ、中国は前半に退場者を出したNZに先制を許し、最も組し易かった相手にも苦戦を強いられます。何とか終了2分前に同点に持ち込んで勝ち点1を拾ったことが、後に大きく物を言った格好です。とはいえ、北京五輪での中国はどの試合も内容が非常に悪く、ベルギーに0-2、ブラジルに0-3といずれも大敗。ベルギー戦ではお家芸の“カンフーサッカー”で2人も退場者を出す醜態まで晒してます。たしかに、北京五輪での日本は1次リーグで全て1点差で敗れましたが、誰が見ても日本の方が実力が上です。なにせ、北京五輪代表チーム同士の親善試合の成績は、日本が中国に2勝1分と勝ち越してますから。要するに、中国がランキングで日本よりも上位にいられたのは、カネで五輪を買収したからに他ならないです。
中国は今回の2次予選を勝ち上がれば、最終予選では自動的に第1シード国となっていたので、韓国と豪州の対戦を回避出来ました。更には、抽選で苦手の日本も避けることが出来れば、五輪出場の可能性は高くなっていたはずです。それだけに、格下のオマーンに負けて、五輪出場どころか、最終予選に進出すら逃したのは全くの論外です。なにせ、中国はフランスW杯でクロアチアを3位入賞に導いたミロスラフ・ブラゼビッチを監督に雇いながら、初戦のホームゲームで敗れ、更には第2戦で途中出場した選手がいつもの“カンフーサッカー”を炸裂して退場処分を喰らって自分の首を絞めたのだから、まさに馬鹿丸出しもいい所です。進歩が全く無い中国人は、もしかしたらサッカーには向いてない国民性なのかもしれませんね。まあ、“眠れる獅子”がいつまでも眠りから覚めないおかげで日本は命拾いしたのだから、今回ばかりは奴等に足を向けて寝れませんけどね(苦笑)。
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第1節:2011年9月21日(水)、第2節:2011年11月23日(水)、第3節:2011年11月27日(日)
第4節:2012年2月5日(日)、第5節:2012年2月22日(水)、第6節:2012年3月14日(水)
※12チームを4チーム×3組に分けてH&A方式で対戦。各組首位のみが本大会の出場権を獲得。
各組2位がアジアプレーオフへ。
・アジアプレーオフ
2012年3月25日(日)・27日(火)・29日(木)に実施(なお、会場は未定)。
※最終予選で各組2位になった3チームがセントラル方式(集中開催方式)で1回戦総当りのリーグ戦を実施し、
首位チームが大陸間プレーオフへ。
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詳細な日程はまだ未定。
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