うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

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代表チームの強化とは別の思惑があった今回のグアテマラ戦

2010年09月08日 | サッカー(全般)
◆サッカー・キリンチャレンジカップ2010(2010年9月7日 @大阪・長居陸上競技場)

日本 2(2-1)1 グアテマラ
得点者:日本)12分&20分 森本貴幸
  グアテマラ)23分 マリオ・ロドリゲス


今大会の日本代表23名
今大会のグアテマラ代表20名

〔写真はサンケイスポーツより〕


                           *  *  *  *  *


今回の原博実強化担当技術委員長は、実にいい働きをしたと思いますね。「監督代行」と難しい立場でしたが、大胆な世代交代ではなく、W杯のチームをベースにフレッシュな選手を組み合わせるなど、ソフトランディングさせて新監督のアルベルト・ザッケローニに引き継ぎましたから。しかも、パラグアイ戦に続いて連勝した原委員長は、日本代表史上初の勝率100%の監督となりました(笑)。ただ、今回対戦したグアテマラなのですが、最新のFIFAランキングは119位とかなり格下の国です。一方、我が日本のFIFAランキングは32位です。正直言って、代表チームの強化の観点から考えると、W杯出場未経験の中米の国では物足りないと言わざるを得ないです。

実は、本来ならこの日の対戦相手はイランが予定されてました。イランはFIFAランキングこそ65位に留まってますが、韓国やサウジや豪州と並ぶ日本の長年のライバルです。過去のイランとの対戦成績も日本の5勝6敗4分とほぼ互角です。日本が初のW杯出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」でも分かるように、両国はいつも激しい好勝負を繰り広げます。それに、日本は来年1月に迫ったアジア杯では、サウジ、ヨルダン、シリアの中東勢と1次リーグで同組になるから、イランは仮想敵国の意味でも戦っておきたい相手でした。

では、なぜ好敵手のイランを差し置いてまで、お世辞にも強いとは言えないグアテマラと貴重な国際試合日を使ってまで今回対戦したのかというと、それには日本協会の思惑があるからです。それは、年末に迫った2022年W杯招致選挙があるからです。実は、グアテマラは国際サッカー連盟(FIFA)の理事を有している24ヶ国のうちの一つなのです。なお、日本もFIFAの理事を有しており、日本協会の小倉純二会長が理事を務めております。ちなみに、前戦の相手だったパラグアイと、10月に対戦が予定されているアルゼンチンもFIFAの理事を有している国です。つまり、日本が秋に中南米諸国と対戦するのは、W杯招致に向けたロビー活動の一環なのです(→詳細はこちら)。

おそらく、2018年大会は欧州での開催が有力視されているので、2022年大会は、日本、韓国、豪州、カタール、米国の5ヶ国で争うと予想されます。ちなみに、W杯を一度大会を開催した大陸は、2回連続での開催は禁止されてます。なので、2022年大会は、自動的に2014年ブラジル大会を開催する南米は立候補できません(2018年大会が欧州で開催したら、欧州の立候補も不可)。つまり、日本にとって中南米諸国の票を得ることが、招致成功の鍵となります。実際に、2002年日韓大会の時も、ジョアン・アベランジェFIFA前会長と結びつきが強かった日本は、南米諸国と友好関係を築きました。1999年にパラグアイで開催された南米選手権(コパアメリカ)に日本が参加できたのも、招致活動で得た成果だと思います。

とはいえ、今回のグアテマラはかなり問題があった相手だったと思います。というのも、日本戦と同じ日に、グアテマラは米国でエルサルバドルと対戦していたからです。つまり、ダブルブッキングをしていたのです(→詳細はこちら)。一応、グアテマラの説明だと、日本に来ていたチームがフル代表で、米国でエルサルバドルと戦ったチームは実質的なU-20代表だそうです。それにしても、このチームはまるで和泉元彌みたいな連中だよな(笑)。冗談はさておき、一歩間違えると、この試合はFIFAが国際Aマッチとして認定されない可能性があるとのこと・・・。

票目当てにこんな相手とやるぐらいなら、アジア杯を見据えてライバルのイランと試合を組んだ方がはるかにマシでしたね。しかも、日本が袖にしたイランと、この日対戦したのが韓国でしたから、なおさら時間を無駄遣いにした気分ですね(ちなみに、試合はイランが1-0で勝利)。

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