この記事は神奈川県の地域猫調査への回答として当会が提出した文書をベースにした連載です。
鎌倉市・逗子市・葉山町の猫事情① 地域猫活動の状況
鎌倉市・逗子市・葉山町の猫事情② TNRは徹底するのが難しい
鎌倉市・逗子市・葉山町の猫事情③ TNRの徹底を阻んでいるのは無責任な餌やり
鎌倉市・逗子市・葉山町の猫事情④ 今のままでは地域猫活動は普及しない
⑤ 現行法での対応の限界
「対話と説得」では不妊去勢手術をしない無責任な餌やリを抑止する手段として、民事訴訟が考えられます。
私たちの知る限り鎌倉市・逗子市・葉山町ではまだ事例がありませんが、
全国レベルでは時々報道されています。
<ある事業所の塀にあった掲示:無責任な餌やリは人も猫も追い詰めてしまう>
証拠を基に「近隣住民への配慮を怠り、生活環境を害した」と認定された事例では賠償を命じる判決が出ています。
しかしながら地域に暮らす普通の生活者にとって訴訟はとてもハードルが高いのです。
裁判に勝っても負けても双方共にそこに住み続ける場合には人間関係がさらに悪化し、
良好な住環境を得ることは難しいかもしれません。
餌やリが抑止できて多少の賠償金が得られたとしても、
裁判に要した時間・費用・労力と心労に値する成果が得られるとは限りません。
何らかの嫌がらせをされるのでは、と心配する声もあります。
被害者として行動を起こすのは大きな決断が必要なのです。
現実には苦情を伝えることさえも躊躇される方が多いように思います。
一部の人の無責任な行動によって行き場のない猫が繁殖し、
罪のない動物や人が苦しまなければならない状況は間違っています。
野良猫問題は人の生活環境の観点からも動物愛護の観点からも解決すべき問題です。
<出生の経緯は何であれ、猫だって生まれてしまったら何とか生きていかなければなりません>
そこで「神奈川県動物の愛護及び管理に関する条例」を改正したり、
動物愛護法9条(注)に基づく条例等を別途制定する等によって
野良猫の繁殖抑止を図ってはどうかという考え方が出てきます。
(注)動物愛護法:(地方公共団体の措置)第九条「地方公共団体は、動物の健康及び安全を保持するとともに、動物が人に迷惑を及ぼすことのないようにするため、条例で定めるところにより、動物の飼養及び保管について動物の所有者又は占有者に対する指導をすること、多数の動物の飼養及び保管に係る届出をさせることその他の必要な措置を講ずることができる。」
・・・つづく
鎌倉市・逗子市・葉山町の猫事情① 地域猫活動の状況
鎌倉市・逗子市・葉山町の猫事情② TNRは徹底するのが難しい
鎌倉市・逗子市・葉山町の猫事情③ TNRの徹底を阻んでいるのは無責任な餌やり
鎌倉市・逗子市・葉山町の猫事情④ 今のままでは地域猫活動は普及しない
⑤ 現行法での対応の限界
「対話と説得」では不妊去勢手術をしない無責任な餌やリを抑止する手段として、民事訴訟が考えられます。
私たちの知る限り鎌倉市・逗子市・葉山町ではまだ事例がありませんが、
全国レベルでは時々報道されています。
<ある事業所の塀にあった掲示:無責任な餌やリは人も猫も追い詰めてしまう>
証拠を基に「近隣住民への配慮を怠り、生活環境を害した」と認定された事例では賠償を命じる判決が出ています。
しかしながら地域に暮らす普通の生活者にとって訴訟はとてもハードルが高いのです。
裁判に勝っても負けても双方共にそこに住み続ける場合には人間関係がさらに悪化し、
良好な住環境を得ることは難しいかもしれません。
餌やリが抑止できて多少の賠償金が得られたとしても、
裁判に要した時間・費用・労力と心労に値する成果が得られるとは限りません。
何らかの嫌がらせをされるのでは、と心配する声もあります。
被害者として行動を起こすのは大きな決断が必要なのです。
現実には苦情を伝えることさえも躊躇される方が多いように思います。
一部の人の無責任な行動によって行き場のない猫が繁殖し、
罪のない動物や人が苦しまなければならない状況は間違っています。
野良猫問題は人の生活環境の観点からも動物愛護の観点からも解決すべき問題です。
<出生の経緯は何であれ、猫だって生まれてしまったら何とか生きていかなければなりません>
そこで「神奈川県動物の愛護及び管理に関する条例」を改正したり、
動物愛護法9条(注)に基づく条例等を別途制定する等によって
野良猫の繁殖抑止を図ってはどうかという考え方が出てきます。
(注)動物愛護法:(地方公共団体の措置)第九条「地方公共団体は、動物の健康及び安全を保持するとともに、動物が人に迷惑を及ぼすことのないようにするため、条例で定めるところにより、動物の飼養及び保管について動物の所有者又は占有者に対する指導をすること、多数の動物の飼養及び保管に係る届出をさせることその他の必要な措置を講ずることができる。」
・・・つづく
>現実には苦情を伝えることさえも躊躇される方が多いように思います。
私の経験から多いどころかほとんど人がそのように我慢していると思います。
戦うことは書かれている通りの心配や憶測など心理的抵抗は大きいです。
本当は、法整備によって被害者が戦う事に直面しなくて済むなら、それが望ましいです。
私の役目なんかお払い箱になりたい。
しかし、法整備がなされていない以上「自力救済」が許されていないわが国では、猫被害者は民事訴訟を活用せざるを得ません。
また、民事訴訟を活用する、もしくは活用の前段階の動きを明確に見せる事で餌やりを止めさせた事例はいくつかあります。
http://blog.goo.ne.jp/nekofun-higai/e/34937627b25f1f49f793c9525cdec1c0
実は、このリンクをたどって関連記事まで読んでしまいました。
4つの記事をたどると以下の記事になるのですですが
http://blog.goo.ne.jp/nekofun-higai/e/beaf28b430ffe68a88f4cd2750778eba
この記事のコメント欄は、今読み返しても自分にとって参考になります。
もし、参考になれば幸いです。
いつも情報を頂きありがとうございます。
記事では単に民事訴訟と書きましたが、
鎌倉・逗子・葉山では猫の問題で民事調停も
まだ聞いたことがありません。
調停だとニュースになりませんから
関係者から聞くしかありませんが、
私たちの知る限り相当険悪になっている場所でも
そのような紛争解決手段は採られていないようです。
調停や訴訟によってではありませんが、
引っ越しや老人施設への入所等の理由で
無責任な餌やリがいなくなった例はありました。
しかし不妊去勢手術をしていない猫が近くの
別の無責任な餌やリの餌場へ移動して
繁殖を続けたため、問題が移動しただけでした。
「野良猫の不妊去勢手術を餌やリに義務付けて繁殖を禁止する」
この一点ではいろいろな立場や考えの人も
合意できるのではないかと考えています。
「餌をやるのも許せない」
「駆除か移動でなければ嫌だ」等の意見も
あるかもしれませんが、
無責任な餌やリが作った大きな問題を
一夜にして消すことは難しい。
でもしっかり繁殖を止められれば
その日から問題は確実に解決に向かっていきます。
おそらく、大方の人の予想を上回るスピードで
事態は改善していくと思います。
コメントいただいた
「私たちの知る限り相当険悪になっている場所でも
そのような紛争解決手段は採られていないようです。」
について考えていました。
そして以下の動画を参考にしたいと思います。
深谷市長を殺害予告して逮捕された男の動画です。
【大迷惑!?】120匹の“猫屋敷”
https://youtu.be/sLzQXgeMj7w
この報道のやり取りをひろいあげると
「裏の人は臭いに耐え切れずすぐに引っ越した」
「周りの住民は迷惑と感じているが訴えたりしない」
名古屋の迷惑ハト男の時もそうですが
困っていてもそれを表に出す住民は大変少ない。
それは日本人の美徳でもあると思いますが
それゆえ事態を悪化させるのだと思います。
それから質問にお答えいただければ幸いなのですが。。
>大方の人の予想を上回るスピードで
事態は改善していくと思います。
これは、路上猫の寿命が大方の人の感覚より短いからそうなるのでしょうか?
「大方の人の予想を上回るスピードで事態は改善していくと思います」と書いた理由を説明します。
(私たちが経験から感じていることです)
ある地域の猫の集団の手術が済むと:
メスの発情の声がしなくなる(すごい声です)。
オス同士のけんかの声(縄張争い、メスの取り合い)がしなくなる。
オスのマーキング臭がなくなる(臭いの苦情のほとんどは実はこれです)。
繁殖行動が無くなると、生活が穏やかになる(あまり見かけなくなる)。
年中あちこちであった出産がなくなり、毎年たくさん出てきた子猫をぱったり見なくなる。
これまでTNRを実施してきて、
「猫を戻されたら困る!どこかに持っていけないのか」
というお話は繰り返し伺っています。
ところがきちんと手術が完了した場所で、
数カ月後に少し落ち着いてからご意見を伺うと、
「効果があった!」とおっしゃる方が多いのです。
例えばある町内に♂♀15頭ずつの30頭の未手術の猫の集団がいたとすると、
毎年100頭程度の子猫が生まれていたはずです。
もしこの町内では30頭が飽和状態だったとすると、
住民はいつも30頭~130頭の間の頭数を見ていたことになります。
飽和頭数の30を超えた分は死んだり移動したりしてまた30頭に戻るのですが、
この規模ならば病気の猫や事故死体もあちこちで目に留まったことでしょう。
私たちの活動の中では、家の前で車に轢かれるのが一番嫌だったという声もありました。
子猫が生まれなくなると、住民が見る猫の数は最大でも30頭です。
そしてその30頭の猫の気配は上記の理由から以前より極端に小さくなっているので、
余計に猫が“減ったような気がする”のだと思います。
TNRがきちんと出来れば、猫問題のレベルを一気にゼロにはできなくても、
意外に早く人の感じるストレスを下げる効果は期待できます。
また、改善への希望が持てることも救いになるかもしれません。
そしてそこから少しずつ実頭数が減るにしたがって、
猫問題を意識する人も減っていきます。
さらに、子猫が生まれなくなると、
馴れている猫が住民に「室内飼いの猫」として引き取られたりして、
TNRをきっかけに全体として適正飼育の方向に進む傾向があります。
こうしたことから、繁殖を止めるということは大変大きなことと考えています。
***
深谷市の人は不起訴で戻っていたのですか。。。
私たちの経験でも、住民がきちんと対応する地域には無責任な餌やリが来にくい。
住民の適切な対応はとても大切ですね。
アニマル・ホーディングは(財産権が絡む)飼い猫問題で、
飼い主のいない猫(野良猫)問題とは法的な論点が異なりますが、
大変な迷惑行為であると共に動物虐待行為でもあるので、
こちらも何らかの法整備が必要な問題ですね。
うちの会社では無責任なトラック運転手が敷地内で野良猫に餌をやり、野良猫が居付いて困ってます。
糞尿云々ではなく、出荷する商品を傷つけるのです。
この場合は避妊虚勢手術では解決出来ない問題ですよね?
こういったケースでも、とりあえずTNRで様子を見るように進言するのでしょうか?
こんにちは。コメント欄の細部まで目を通していただき、ありがとうございます。
手術していない猫を放置すれば際限なく増えてしまうので、被害があればどんどん大きくなります。
そこで不妊去勢手術(TNR)はこれ以上猫を繁殖によってふやさないために不可欠な措置になります。
このブログでも繰り返し伝えていますが、私たちは、手術は餌やりの責任だと考えています。
しかし現状では「道義的責任」でしかないために、別の人間がやらざるを得ないケースもあります。
それでも自衛のためにも(猫のためにも)手術をしたほうが圧倒的に良いです。
TNRして様子を見るのではなく、そのトラック運転手とは話し合いをされましたか?
不法侵入(許可なく敷地に入っての餌やり)や商品の損害賠償の問題、
そして猫の移動(餌場の移動や猫の引き取り)についても協議されたらいかがでしょうか。
猫の殺傷は動物愛護法違反で罰金になりますが、適切な場所に移動してもらうのはもちろん差し支えありません。
繁殖によって膨大な数の猫が生まれている状況で、無制限に引き取れる施設はありません。
法律・条令が整備されていない現状では、無責任な餌やりが猫の繁殖を続けることがないように、
周囲の人が対話と説得(場合によっては圧力)で抑止していくしかありません。
役所の相談窓口はその地域を管轄する保健所ですので必要に応じて電話してみてください。
対応する「罰則のある条令」があるのは京都市と和歌山県だけですので、
ほかの地域の場合は「指導」に限られますが、なかには指導が上手な職員もいます。
運転手への苦言はトラック会社を通じて行ってます。
当然ながら商品への被害が予測される等の懸念も伝えてます。
トラック会社から運転手への注意も行われてますが、「もうやらない」と言いながら隠れて平気で餌やりします。なるべく荒事にならないように気を使ってもこれです。実際に商品への被害が起きた場合、国内最大手の生産ラインが停止する事になり、大きな問題になります。
猫自体も交通事故被害に遭う危険があると思うんですが、彼らはまったく気にしないんでしょうね。
会社の生け垣の間に餌トレーが隠してあるのを見つけた事がありました。休日にわざわざ餌やりに来てるみたいです。
何がそこまで彼らを走らせるのか理解出来ません・・・
① 繁殖制限手術をして繁殖によって不幸な猫を増やさない
② より危険の少ない場所に猫を移動する
③ 少しずつでも引き取ったり里親探しをしたりして飼い猫化をはかる
などを考えて実行しているかどうかで分かります。
私たちの経験でも「猫がかわいそうだから」と言いながら無責任な餌やリを続けていた人が、
自分の都合で転居が必要になると、猫をそのまま見捨てて行ってしまうケースが多いです。
都合のいいおもちゃということなのか?
いつでも自由に捨てられるペットなのか?
ご指摘の通り、理屈が通らないことだけは間違いないですね。
状況を正しく理解できているかは分かりませんが、
例えば会社で猫を全頭捕獲・里親募集をしてしまう、
今後問題が起こらないように当該輸送会社の責任者と十分に協議する・・・
などの措置で問題を終わらせることができればと思います。
それは会社の仕事ではないと思われるかもしれませんが、
盗難や自然災害に対する対応と同様に操業環境整備の一環として検討に値すると思います。