NPO法人 湘南鎌倉猫ほっとさぽーと 活動ブログ

鎌倉・逗子・葉山で飼主のいない猫の不妊去勢手術をサポートしています。

和歌山県動物の愛護及び管理に関する条例の一部改正案 可決

2016年03月25日 | 日記

和歌山県で「和歌山県動物の愛護及び管理に関する条例の一部改正案」が可決されました。
ノラ猫への給餌はルールに則って行うこと、そしてルール違反には過料を科すという内容です。

このブログの基本テーマは「餌をやるなら不妊・去勢をすべき」ということです。
そうしなければ、行き場がなく殺処分されたり交通事故で死んだりする猫を減らすことはできません。
そして猫に起因する人の生活環境の悪化を防ぐこともできません。

私たちはボランティアとして毎年多くの「繁殖制限手術をしない無責任な餌やリ人」に出会います。
こうした人は、保健所が指導を行っても強制力(罰則)がないので無視することがほとんどです。

メス猫は平均して年に2回、1回に4頭ずつ子猫を産むので、すぐにとんでもない数に増殖します。
そして生まれた猫は事故や病気でどんどん死んでいきます。殺処分される猫もいます。


自分の餌やリの結果こうした状況が起こっても心を痛めることがない人が無責任な餌やリを続けられるのです。
無責任な餌やリは周囲の人の迷惑にとどまらず猫にとってとても残酷な行為です。

こうした無責任な餌やリに歯止めをかける法規制は人のためにも猫のためにも必要と思います。

和歌山県では、給餌に際し順守すべきルールを公表しています。
1.不妊去勢手術を施した野良猫に対して行う。
2.適切に給餌及び給水(以下「給餌等」)を行う。
3.ふん尿を適正に処理する。
4.給餌等を行うことを周辺住民に説明し、その理解を得るように努める。
5.生活環境を損なわない。
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/031600/80_doubutsu/neko2.html

以下、朝日新聞の記事の一部です。

野良猫へのエサやり規制条例案可決 ルール違反には5万円以下の過料
3月24日(木)12時10分配信

 野良猫の増えすぎを防ぐため、餌やりを規制する条例案が、17日、和歌山県議会で可決した。ルールを無視して餌を与えた場合、勧告・命令を受けても改善しなければ、5万円以下の過料が科される内容だ。
 ・・・
県によると、・・・ 猫の殺処分数は14年度は2568匹で、人口10万人あたりの数が10年度から4年連続で都道府県ワースト4位。県は野良猫の繁殖を抑え、殺処分を減らしたい考えだ。
 ・・・
 当初案では地域猫として餌やりする場合には届け出義務があった。しかし、「負担が大きく逆効果だ」などの意見があり、届け出は任意になった。知事から実施計画の認定を受ければ、不妊去勢手術費用などで支援を受けられる。
 
 施行は来年4月1日だが、地域猫対策は先行して2016年度から始まる。県は、16年度予算に猫対策として1510万円を計上している。

朝日新聞社


藤沢市湘南台3丁目 TNR

2016年03月08日 | 日記
湘南台3丁目です。
当会では通常、鎌倉・逗子・葉山以外の相談は受けていませんが、今回は藤沢のボランティアの方との連携で対応しました。

例によって長年手術をせずに餌やリを続けていたそうです。


その割には頭数が少なく黒猫ばかり5頭が確認・手術できましたが、他の猫はどうなったのでしょうか?

 
 


ここで、かなり乱暴ですが、猫の毛色について少しだけ解説してみます。
捕獲・手術をしていると「母猫は捕まっているか?」「あの子猫の性別は?」といったことがとても大切な情報になることがあります。
そうしたことが猫の毛色から推定できる場合があるので、ボランティアには役立つ知識なのです。

親猫から茶色(O=茶トラ)の遺伝子を受け継ぐと、子猫には茶色が発現します。
アグチ(A=キジトラの縞模様)遺伝子を受け継ぐと、キジ縞が発現します。

そして、OもAも受け継いだ場合は茶トラ、両方受け継がなかった場合は黒色になります。
O遺伝子はX染色体上にあることから・・・(ややこしい説明を省きます)・・・三毛とサビはメスということになっています。

OやAとは別に白斑の遺伝子(S=スポット)を受け継ぐと、茶白、キジ白、黒白、三毛のように一部が白い猫になります。

この場所のようにすべて黒猫ということは、すべての猫にOもAもSも無いということです。
そして、母猫も父猫もが黒の場合は、子猫はすべて黒になります。
繁殖が繰り返されているにもかかわらずO、A、Sといったよくある遺伝子が集団にまったく無いのは、近親交配が繰り返されていた可能性が高いと考えられます。

こうした近親交配では遺伝的背景による障害のある子が生まれやすくなることが知られています。
無責任な餌やリは常にたくさんの問題を作り出します。。。周囲の人の生活環境の悪化、猫の増加による猫の生存環境の悪化、猫の交通事故や病気の流行。。。
ここではどんな悲劇が生まれていたのでしょうか。。。

ところで、ひとつ前の記事で捕まったオス猫を「父猫(多分)」と書きました。
母猫がキジ白(A、SはあるがOはない)で子猫にザビ(茶と黒:A、SがなくOがある)が生まれている場合は父猫は茶トラ(または茶白)です。
(ssつまり白斑Sがない子が生まれる確率は母猫がSs、父猫がSs(ここでは茶白)の場合には1/4、父親がss(ここでは茶トラ)の場合は1/2です)

ちょうどそこに茶トラ♂が来たのでそうかなと・・・推定ですけど。