NPO法人 湘南鎌倉猫ほっとさぽーと 活動ブログ

鎌倉・逗子・葉山で飼主のいない猫の不妊去勢手術をサポートしています。

庭に来た猫に餌をやる場合は・・・

2016年05月29日 | 日記
鎌倉市長谷の閑静な住宅地にお住いの方から相談がありました。

「去年から若い猫を家の周りで見かけるようになり、お腹が空いているようだったので餌をあげている。
随分馴れたけれども、まだ抱き上げることができない。
メス猫のようなので妊娠する前に手術したいが、抱いてキャリーに入れるまでにはまだ時間がかかりそう。どうしたらよいか?」


とても静かな住宅地です。

捕獲器を持って伺いしましたが、すでに家の方が室内に猫を誘導して閉じ込めておられたので、
脅かさないように洗濯ネットに入れます。

猫ちゃんは丸顔ボブテールの可愛い3歳位のメス猫、耳カット無し・・・
子育てしていないことから手術済の可能性もありますが、まずは病院に直行です。

獣医さんの判断では、子猫のうちに手術されたようだとのことでした。。。捨てられた元飼い猫かも。


麻酔が覚めきらず、ちょっと不機嫌なチョビちゃん。
(この子はこちらのお家で室内飼いしてもらえることになりました。)


庭に来た猫に餌をやる場合は:

耳カットが無ければまず捕獲して動物病院に運んで不妊・去勢手術を依頼(または手術済か否かのチェック)をしてください。
野良猫の手術をしていない病院もあるので、電話で確認が必要です。

どこの動物病院に持ち込んだらいいか分からない場合や捕獲器が必要な場合は、
保鎌倉・逗子・葉山では保健所や市役所に相談するとボランティア団体を紹介しています。

メス猫の妊娠期間は約2か月ですので、様子を見ているとすぐに出産してしまいます。
特に3月~10月は出産シーズン・・・1日も無駄にできません。

オス猫は去勢しないとメスを求めて広範囲を移動し、よく事故にあいます。
そしてスプレー(縄張を示すとても臭いおしっこ)がひどくご近所にも迷惑です。


まず手術してから餌やリです!!・・・よろしくお願いします。

<猫の島>200匹不妊手術へ 香川・男木島

2016年05月19日 | 日記
“猫の島”として有名になった香川県の男木(おぎ)島で、不妊手術を行うとのニュースがありました。
とても素晴らしいことと思います。

マスコミ等で「猫の楽園」などと紹介される島はいくつもあります。


Google画像検索「猫の島」

しかし、現実は本当に「楽園」でしょうか?

猫は繁殖力がとても強い動物です。
例えば100頭の未手術猫がいて、その半分の50頭がメスだとします。
一頭が1回の出産で平均4頭の子猫を産み、年に2回出産すると仮定すると、年間400頭の子猫が産まれます。

つまり、1年で100頭が500頭になるはずです。
メスは1歳で出産できますから、その翌年には2500頭になるはずです。


(参考:猫の繁殖については、環境省パンフレット「ふやさないのも愛」を参照してください。上記の400頭というのは控えめな見積もりです。
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2209.html

もしもこのペースで猫の個体数が増え続けていないとすると、これらの猫はいったいどこに行ってしまったのでしょうか?
人為的に処分していればもちろん動物愛護法違反ですし、病気や生存競争で死亡しているならば大変不幸な状況です。

閉じた空間では近親交配の問題(遺伝病の蔓延等)も懸念されます。

そもそも野生動物ではないペット種の猫を繁殖させている状況はとても残酷で、これは島に限ったことではありません。

手術をしない無責任な餌やリは、多くの猫を死に追いやる行為です。
餌をやる方は、これをしっかり認識して頂きたいと思います。


<猫の島>200匹不妊手術へ 香川・男木島、増えすぎで
毎日新聞 5月17日(火)7時0分配信

(抜粋)

 “猫の島”として有名になった香川県の男木(おぎ)島で、野良猫が増えすぎたため、全ての猫に不妊手術をすることになった。
瀬戸内海に浮かぶ島に住む猫の総数は、人口約180人を上回る200匹以上。

ふん尿や農作物の食い荒らし、漁網を破るといった被害が続き、島民や観光客から苦情が相次いでいる。
地元の男木地区コミュニティ協議会が理事会で手術を決め、6月から高松市の動物愛護団体が取りかかる。

 協議会によると、猫は十数年前から徐々に増え、*** やせ細り、病気の猫も目立つという。

***

 協議会の木場健一会長(68)は「猫に罪はなく、増やした人間に責任がある。これ以上増やせないが、今いる猫の命と健康を守りたい」と話している。【伊藤遥】


鎌倉市腰越 TNR 続き

2016年05月11日 | 日記
昨年の10月に記事にしました鎌倉市腰越駅近くの住宅地です。

前回TNRをした場所のすぐ近くで子猫の出産情報がありました。
2頭のメスが計7頭の子猫を産んでいるとのこと。

昨年、対策をした際に周囲の調査を行いましたが十分ではなかったようです。

何とか♂1、♀2(うち1頭は妊娠中)、さらに授乳中の家族(母1子猫4)を捕獲しました.
















でもまだもう1頭の♀が家の基礎の中で子育て中です。

子猫の様子が分からず危険なので、この母猫1と子猫の家族は捕獲を後回しにするしかありません



繁殖は周囲の人の生活環境も猫の生存環境も悪化させます。

捕獲・手術を徹底して早く収束させることが大切です。

野良猫への餌やり規制の和歌山県 不妊去勢手術の助成スタート

2016年05月03日 | 日記
和歌山県で野良猫への無責任な餌やりを規制する条例が可決されたことは既にご存知の方も多いと思います。

条例に対するパブリックコメントでは「地域猫対策のような正しい餌やリをしている人までが誤解されかねない」との意見も寄せられました。

こうした意見を受け県は条例案を見直し、反復継続して餌やリを行う際のルールを定め、これに則って餌やリを行うように求めています。

1 不妊去勢手術を施した野良猫に対して行う
2 適切に給餌給水(以下「給餌等」)を行う
3 ふん尿を適正に処理する
4 給餌等を行うことを周辺住民に説明し、その理解を得るように努める
5 生活環境を損なわない

http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/031600/80_doubutsu/neko2.html

そして今年度から、まず不妊去勢手術の助成をスタートさせました。


私たちも猫に関わっている人たちの一部から「正しい餌やリが誤解される」「猫を餓死させるのは残酷」との意見を聞きました。

これははたして本当でしょうか?この条例があるのとないのとではどちらが猫にやさしいでしょうか?
餌やリがルールに則った餌やリをすることで問題は解決に向かうはずです。

猫問題の解決とは、野良猫が存在することによる人の生活環境の悪化や、多数の猫が事故死したり殺処分されたりしている無残な現状を解消しようということだと思います。

私たちの住む神奈川県では、平塚の神奈川県動物保護センターで「犬猫共に殺処分ゼロ」を達成しました。
しかしながら、毎年多数の野良猫に関する相談が保健所やボランティア団体に寄せられます。
猫の交通事故死も多数発生しており、特に猫を繁殖させている現場は本当に悲惨です。

 
*この画像のような置き餌は無差別に餌をやる方法で、捕獲・手術ができないことから必ず繁殖が起こります。

野良猫の問題は猫に餌を与える人が、対象の猫全てを手術すれば終わります。
しかし、説得やお願いでは解決ができない事例があまりにも多いのです。