NPO法人 湘南鎌倉猫ほっとさぽーと 活動ブログ

鎌倉・逗子・葉山で飼主のいない猫の不妊去勢手術をサポートしています。

猫の路上死

2016年08月12日 | 日記
野良猫の最も大きな死因は交通事故と言われています。

猫の殺処分数は見つかりやすいのですが、猫の路上死数の情報は断片的にしか入手できません。
潜在的な猫問題の大きさを推し量るためにも、是非この情報は都道府県単位で集計・公表し、さらに削減目標を設定して頂きたいと考えています。


藤沢市のパンフレット

検索してみると、以下の情報がネットで見つかりました。(自治体が回収した頭数)
藤沢市(人口約41万人):847匹(啓発パンフレット、H26年情報)
静岡市(人口約72万人):約1800匹(動物指導センターHP)
大分市(人口約47万人):2631匹(大分市猫の適正飼養・管理ガイドラン H25年情報)
沖縄本島(人口約139万人)2684件(沖縄タイムズ、2015年度、本島の国道・県道のみ。離島や市町村道を加えるともっと多いとのこと)

屋外で死んでいる状態で、市民の通報で自治体が道路等で回収した頭数です(死亡全頭回収しているわけではありません)。
飼い猫も含まれますが、圧倒的に数が多いのは飼い主のいない猫と思われます。

また病死の場合は静かな所に隠れる習性があるので、死因も事故死がほとんどと考えられます。

藤沢の人口:路上死数の比率で神奈川県(人口907万人)の路上死数を推計すると約18,700頭/年になります。
一日あたり50頭以上が車に轢かれて死んでいる計算になります。


神奈川県動物保護センターは「猫の殺処分ゼロ」(川崎市、横浜市、横須賀市以外の県内から動物を収容)を達成していますが、
上記の比率で計算すると、対象地域(人口353万人)では約7,300頭/年が路上死していることになります。

交通事故でも即死とは限らず、私たちも活動の中で、前脚や後脚が折れた猫、顎が砕けた猫、尻尾がちぎれた猫等を多数保護・治療しています。

県の動物保護センターによる猫の引き取り数は基準や引き取り方法などの変更により減少の一途をたどっています。
そしてボランティアへの猫の譲渡を推進していることで殺処分ゼロが達成されています。

殺処分がなくなること自体は喜ばしいことですが、野良猫の問題は野良猫の数が減らない限り収束することはありません。
そして、交通事故による路上死や深刻な怪我は殺処分よりもはるかに残酷です。


猫の路上死数は、間接的にではありますが猫問題の大きさを表す指標になります。
こうした情報を集計・公表して頂き、繁殖防止のための実効ある施策へつなげていけたらと思います。