庭で、よねと少年が遊んでいる。
この少年は黒田官兵衛の嫡男・松寿丸。
人質として山内家で暮らしている。
その官兵衛が、謀反を起こした荒木村重の説得に行き、連絡が途絶えてから8ヶ月が過ぎていた。
秀吉は官兵衛を信じているのだが、家臣の中では彼が寝返ったのではないかと疑う声が出始める。
そんな時に安土から早馬が。
松寿丸を斬るようにとの、信長の命だった。
山内家にいるのだからその役目は一豊に?
そりゃないよー、って、言いたくなりますよね。
なんで、自分にそんな役ばかり回ってくるのか。
(主役だから?)
次々と謀反が起きているこの頃、逆らえば自分たちが疑われることに。
重い気持ちで長浜の家に向かうと松寿丸の姿はなく、千代曰く、
「はやり病で亡くなった」
と、遺髪を一豊に差し出す。
勿論一豊もこれはおかしいと疑うが、どうやら六平太が千代に有岡城の様子を伝えに来たようで、官兵衛が戻らないのは幽閉されているからと言うことだった。
遺髪を持って秀吉の所に戻るも、当然松寿丸がこの世にいないなんて嘘だってことは、ばればれ。
「自分が殺した、と安土に届くまで泣き叫んでみろ」
秀吉は言うが、演技は出来ない、と一豊。
が、結局、一世一代の大芝居を打つことに。
自分が松寿丸を斬った、とみんなの前で大泣きをする。
中村には、またこれで石高が上がるわ、といやみを言われたり、吉兵衛には、これも乱世の習いなれば、と心配されたり、危なっかしい芝居ながらも何とか嘘とはばれなかったようだ。
一豊が不本意で不得意とすることではあるが、これも生きるための知恵、とひとつハードルをクリア出来たのかも。
いつもBGMに耳を澄ましている私ですが、気が付かれましたか?
この時、音楽すらも
「おいおい~大丈夫か~?」
って、一豊をはらはらと見守っているようでしたよ。
こともあろうに荒木村重は家臣たちを残して逃亡。
城主がいなくなり落城したことで、牢から救い出された官兵衛。
髪も髭も伸び放題で、やつれた姿が長い時を感じさせる。
命を奪われなかったのは、村重も官兵衛もキリシタンだったから、と言うことだった。
そんな疲れ果てた状況でも、信長にお目通りした時、すぐに三木城へ向かうと言った官兵衛に、信長はねぎらいの言葉を掛ける。
そして一豊には報奨金を投げて渡し、松寿丸に会わせてやりたかったのう、とつぶやく。
少しためらってから一豊は意を決して信長に、松寿丸が生きていることを伝える。
つまりこれは、信長の命に背いた、ということを打ち明けていることになるので、見ていてかなりはらはらしました。
初め怖い形相になった信長ではあったが、涙で潤んだ目で一豊を許すことに。
すぐに官兵衛に会わせてやれ、と新たな命を下す。
こんな結論を下す信長なんて有り得ない!
と思った方は多いかも。
一豊が主役だからか、結構気に入られているからか。
信長も決して「迷いのない人」ではないのだ、と感じた出来事ではありました。
残された有岡城の人々は見せしめのために女子供も全て磔やいぶり殺しとなる。
そして、もう一つの三木城。
こちらは血を流す戦を好まない秀吉の戦法で、兵糧攻めという形をとっていた。
食料の入ってくる道を閉ざし、城を包囲する。
待っているだけの戦は退屈だ、という新一郎に向かって、吉兵衛は言うのだった。
「処刑と兵糧攻め、どっちが酷いだろうか?
例え敵でも誠をもって闘わねばならならない。
でなければ獣になってしまう。
城の中には退屈なものは一人もいない。
その心栄え見事と褒めてやろう。」
吉兵衛があまりにも立派なことをいうようになったので、一豊たちは笑ってしまう。
そして、腹が減っては笑うことも出来ないでいるのだろう、と城の中の者たちのことを思うのだった。
別所長治が降伏を申し入れてきたのは翌正月。
二年もの歳月が流れていた。
城主の命と引き換えに、城内の者たちに食料を与える、という話で戦は終わった。
空腹でやつれた者達の中に、吉兵衛は小りんの姿を見つける。
どうやら飢えが原因で失明してしまったらしい。
「あばよ!」
と去ってからも、誰に頼まれるでもなく、一豊のために情報収集しようと三木城に潜入、そのまま包囲網が硬くて城から出られなくなってしまったのだ。
血を流さない戦法を一豊が説明するも、兵糧攻めを自ら体験した小りんには、そんな戦をする一豊たちが卑怯者にしか思えない。
槍や刀で血を流す戦と、干上がっていく者を見ているだけの戦と、どこが違うのか、と一豊を非難する。
一豊はまた、武士とは何なのかと悩む。
今度は家を訪ねてきた光秀にそんな心の迷いを打ち明けることに。
苦しいのは誰もみな同じ。
武士とはわが命こそ惜しむものではないけれど、人の命を奪わねばならないのものもまた本分。
やたらに命を奪う事にためらい無い者などいないだろう。
迷いが無いのは上様だけかもしれない。
そして、自分にも勿論迷いがある、という光秀の言葉に、一豊は何を思ったのだろう。
少しは納得が出来ただろうか。
・・・光秀ではなく秀吉に聞いたら一豊になんて答えるかな。
前回、荒木村重が言っていたこと。
「信長は利用だけして無用になった者は切り捨てる」
光秀はそんな言葉を否定していたけれど、今回本当に突然そんな目にあってしまった重臣たちがいた。
林通勝と佐久間信盛に、突然追放を言い渡したのだった。
過去に信長の弟を擁立したことや、最近の働き振りが光秀や秀吉ほどでないことが怠慢である、ということが理由だった。
長篠の合戦など、それまでどれだけ働いてきたか、と言うことは一切関係なし。
この先の自分に必要か否か、これだけであっさりと人を道具のように切り捨ててしまう信長だった。
謀反を起こせば勿論命はない。
仕えていてもこんな風に突然捨てられる、家臣たちは皆凍りつく思いだった。
天守閣で寝そべる信長にいきなり足首を撫でられる濃。
わわ~、いきなりなんですか~このシーンは。
この二人やっぱり夫婦なんですね。
「弱き者、思い悩む者への労りも必要では?」
と言う濃に信長は突然
「思い悩む者、光秀を好きか?」
と聞く。
濃は驚きのあまり、その場に倒れてしまう。
市が言ったのかな~。
この先この問題はどんな風に展開していくんだろう。
個人的には信長にはあまり恋愛がらみの話ではなく、冷酷なまでの戦がらみの話の方が、合ってるような気がして、こっち方面で盛り上がらんでもいいかな~、と思っています。
楽しみな人もいらっしゃるかもしれませんが・・・。
今回、一豊、堀尾、中村の三人が揃って千三百石の加増となりました。
この辺のことが今ひとつよく分からず、とりあえずそんな話があったということのみで失礼します。
いよいよ次回は名馬の話のようですね。
これをきっかけに、うじうじ一豊が生まれ変わるような気がして、ちょっと期待しています。
「功名が辻」公式HP
この回は、小りんの変わり果てた姿が印象的でしたね。
視力を失い、これからどのようにして生きていくのか気になるところです。
元気になって復帰してきて欲しいところですが・・・。
それからTBが今回は行かないようですので、代替記事でご勘弁を・・・^^;
復帰、待っていましたよ。
これからもよろしくお願いします。
気づいてくださってありがとうございます。
次の話、見終わったところです。
小りんはこの先も時々出てきそうですね。
予告で汚れた彼女が出てきたときは、何があったのかな、と思っていました。
戦はどんな戦法でも、「良い」と言うものはないんでしょうね。
TBのことで大変そうですね。
何とか元通りになるといいですね。
来てくださって、ありがとうございました^^。
この記事あちこちに発信していないので、レア物ですよ~。
(と言ってるのは私だけなんですけど^^;)
何とか次の話までに書けて、時間調整出来ました。
これからもどうぞよろしく~。
エスカレートしていますね。
あれぢゃぁ家来が反旗を翻す
のもなんとなくわかりますよ。
当方URL
http://tb.plaza.rakuten.co.jp/bluestar1719/diary/200605210002/c8a1f/
信長だんだん怖くなってきましたねー。
やり方ももちろんのこと、プライベートな時のあのいっちゃった形相が、舘さんうまいです!
こんなやり方じゃ、本能寺の変がなくても、信長の天下の時代は短かったのではないでしょうか。
秀吉が用いた兵糧攻めがどれほど過酷なものだったかを丁寧に描いていますね。
付け加えると降伏した兵士達に対して秀吉軍はたしかに飯を与えたのですが、降伏した兵士達は一気に飯を食おうとして胃が受け付けずに逆に多数の方が亡くなったそうです。
戦というものにはいい戦というものは決してないのでしょうね。
今回のハイライトではなかったでしょうか。
小りんはちょっとあわれでした。
このあとどう生きていくのか気になります。
今度登場するときはどういう姿なのかなあ。
もとの憎らしいほどの元気な小りんに還っておれよ
個人的にはハセキョーより長澤まさみのほうがうまいと感じているので、小りん再登場希望です。(^_^;)
松寿丸の件は、あんなによれよれになっても寝返ることなく忠誠を貫きがんばった官兵衛あればこその涙でしょうか・・・。
信長、よい働きをするものには寛大なようですね。
血を流さない戦、という言い方は正に奇麗事ですね。
書かなかったけれど、死人も食べたとか言ってましたね。
地獄だったんでしょうね。
がんばって生き抜いたのに、食べ物にありついて亡くなってしまった人もいるなんて、なんだかやりきれないですね・・・。