最後のアジアパー伝 | |
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講談社 |
今、朝日新聞に「イジメと君」という特集がくまれてます。
毎朝、いろんな人が「いじめている人へ」「いじめられている人へ」
話しかけています。
8月4日の朝刊は漫画家西原理恵子さんのメッセージでした
転載しますね
■上手にうそをついて
うそをついてください。
まず仮病(けびょう)を使おう。
そして学校に行かない勇気を持とう。
親に「頭が痛い」とでも言って欠席すればいい。
うそは、あなたを守る大事な魔法(まほう)。
人を傷つけたり盗んだりするのでなければ、うそって大事よ。
これからも、上手(じょうず)にうそついて生きていけばいいんだよ。
亡くなった夫は、戦場(せんじょう)カメラマンでした。
戦場で銃(じゅう)を突きつけられたことが何度もあったけど、
一番怖(こわ)かったのは、少年兵だって。
大人は残酷(ざんこく)な兵士にもなるけど、
家に帰ったらやさしいお父さんにもなる。愛することや大事なものを知ってるから。
でも、少年兵は物事の重大さが分からず、簡単(かんたん)に人を殺しちゃうんだって。
生前(せいぜん)にそう言っていました。
子どもってそういう生き物。
「子どもなのになぜ?」って思うかもしれないけど、
戦場の理屈(りくつ)だと、そうなんだって。
いくら紛争地帯(ふんそうちたい)でも、
年間3万人も死ぬことはそんなにありません。
でも、日本ではそれくらいの人々が自殺しています。
そう、この国は形を変えた戦場なんです。
戦場では子どもも人を殺します。
しかも、時には大人より残酷になる。
学校は、いじめられてつらい思いをしてまで行くようなところじゃない。
長い夏休みだと思って、欠席してください。
そして、16歳まで生き延びてください。
高校生になれば、通信制(つうしんせい)高校やフリースクール、
いわゆる大検(だいけん)など選択肢(せんたくし)が広がります。
何よりもアルバイトができる。お金をもらいながら、
社会人にふさわしい訓練(くんれん)を受けられます。
お金を稼(かせ)ぐということは自由を手に入れるということ。
その先に「ああ、生きててよかった」と思える社会が必ず待っています。
(さいばら・りえこ=漫画家)
この中に、西原さんの夫の話が出てましたが
夫は、戦場カメラマンの鴨志田穣(かもしだ ゆたか)さんです。
鴨志田さんについては、過去ブログに書いてますので
それも転載します。
2008年7月31日
鴨志田 穣 かもしだ ゆたか
高校卒業後戦場カメラマンにあこがれ、単身タイに渡り
橋田信介に出会い行動を共にする。
世界の紛争地域を渡り歩きカメラマン、フリーライターとしての
腕を磨く。
しかし、世界の紛争地帯で、目の前で死んでいく人々
銃を持つ子供、突きつけられる銃口、計り知れないストレスが
彼を極度のアルコール依存症へ
一度は自力で復活し漫画家の西原理恵子と結婚
そして今日紹介するアジアパー伝シリーズを西原と共著し
作家としてデビュー
しかし、再度のアルコール依存症により暴言、暴力、により
入退院を繰り返す
結果、西原と離婚
しかし、離婚後も西原は精神的に彼を支え続ける
退院後は籍は入れないが生活を共にし
ついにアルコール依存症を克服した
しかし彼はそのときすでに癌に侵されていた
西原の支えをうけつつ病と戦うが
42歳の若さで太く短い生涯を終える
これを頭に入れて
「最後のアジアパー伝」 講談社文庫
を読んでください。
冒頭の西原理恵子の漫画を読みます
そして、本文を読み進む
なんの後ろ盾も無く、戦場を渡りあるき
貪欲にネタを求める姿をユーモラスに
書いてはいるが
その実、想像を絶する恐怖を共感する
そして あとがき
今まで読んだあとがきでこんなに感動したあとがきはありません
「ただ、
たったひとり
理恵子さん
ありがとう」
そして、もう一度巻頭の漫画を読んでください