電脳くおりあ

Anyone can say anything about anything...by Tim Berners-Lee

知的財産権制度説明会

2004-09-07 08:59:29 | デジタル・インターネット
 参加費は無料で、全国47都道府県で、「平成16年度知的財産権制度説明会(初心者向け)」が開催されている。東京は昨日(6日)に港区芝公園にある「メルパルクホール」で、1時30分から16時30分まで行われた。「東京都、大阪府、愛知県、埼玉県、神奈川県の会場につきましては、事前申込みを行いません」という通知があり、「定員になり次第、 入場をお断りする場合がございます」と言われたので、私は1時に会場に行った。十分座れたようだ。定員は、1580人だ。始まる頃は、多少は空いていたが、ほぼ満席だった。ただ、椅子が小さく、少し窮屈だった。

 これは、主催が「特許庁・各経済産業局及び沖縄総合事務局」ということで、説明会で扱われたのは、「知的財産権」のうち、特許庁管轄の「産業財産権」の特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つについてだった。講師は、特許庁総務部技術調査課班長・高山芳之さんだった。税務署の税務説明会などに出たことがあるが、それより、はるかにわかりやすかった。もっとも、初心者向けではあるのだが。

 「マネをすることは、悪いことではない。いや、人間はマネをすることから、学習していく。そういう意味では、マネはとても大切な人間の行為だ。」ということから、説明が始まった。「しかし、マネをしてはいけない時もある。そうした、マネの制限が、知的財産権であり、特許です。」と言う。わかりやすい。これは、他の知的財産権、たとえば「著作権」にも当てはまる。

 最近、知的財産権のことがうるさくなり、特に、インターネットの活用や、デジタル化などにより、容易にコピーができるようになると、知らない間に、「知的財産権侵害」などをしてしまうことがある。だから、使う方も心配になってくる。しかし、本来は、文化はコピーされ、模倣されて、受け継がれてきたものだ。だから、1人1人が頭の中に、コピーしたり、自分の想像の中で生かしていくことは、どんどんやっていいことだ。ただ、先人の努力は、それなりに報いましょうというのが、知的財産権の本来の趣旨だ。だから、難しい法律と言うより、創造する者のルールだと考えるべきだ。その意味では、もっとわかりやすくなってもいいと思う。

 今回の説明会は、初心者用として全国での説明会で1万に近い定員で行われている。満員の場合もあるが、そうでない場合もある。おそらく、企業の総務部の人たちが中心に参加しているのだと思う。あるいは、「知的所有権管理室」などという名前の部署の人かもしれない。会場では、名刺と引き替えに資料を渡していたが、名刺がない人でももちろん参加できる。

 毎年、42万件くらいの出願件数があり、出願件数の数は世界1だそうだ。この出願件数のうち、約10万件が特許として登録されている。また、毎年特許が切れていくものがあったり、特許の権利を放棄したりして、大体現在のところ、全体で100万件の特許が認められているそうだ。また、出願して特許として認められないものが膨大の数ある訳だが、登録される前に、1年6ヶ月後に公開広報として、出願公開される。この数が、42万件ということになる。ここには、いろいろな技術動向や、新しい技術の流れが、1年6ヶ月の遅れがあるが、開示されると言うことで、諸外国からは宝の山とされているらしい。

 願書に添付する書類の中に、明細書があり、そこには、「背景技術」とか「発明が解決しようとする課題」、「課題を解決するための手段」、「発明の効果」、「実施例」、「産業上の利用可能性」等々があり、確かに、それらは、現在の技術動向や今後の技術動向を探る上では貴重な資料になりうる。そういう観点から、公開資料の活用は、とても有力であるということがよくわかった。ちょっと、重いデータベースだが、これから「特許庁 特許電子図書館」の活用を考えてみたい。

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