スピリチュアリティ、そしてその部分に痛みを感じたときのケア(スピリチュアルケア)について論じている。
教科書を彷彿とさせる章立てで、難しい学問でありながら、平易な言葉で論じられているため読みやすく、分かりやすい。
スピリチュアルケアの入門書として、臨床の場で活用しやすい印象を受けた。
とても濃い内容であるため、今回はまず1章と2章のみを紹介。
引用
宗教的ケアとスピリチュアルケアの相違点。
宗教的ケア⇒既存の宗教がもつ教えや制度をケアの資源として用いる。(特定の宗教を信仰しているひとには有効なケアである)
スピリチュアルケア⇒特定の宗教には属さず、患者中心にケアが行われる。特に患者の心理的・文化的・歴史的背景が重視され、そこにケアの資源を求める。
患者がもつスピリチュアルな苦痛や問題は、身体的苦痛の緩和と同じ質の問題ではないという点を忘れてはならない。スピリチュアルな苦痛は医療者が苦痛を取り去り、和らげるという作為的行為によってなくなるものではない⇒寄り添い、患者自身が自分の人生に納得できるように支えることが重要である。
スピリチュアリティは人間に備わっている資質である。生きることが脅かされる危機に直面して、生きる土台・意味・目的が失われたとき、危機を生き抜く機能としてスピリチュアリティを人間の生得的資質として進化させたと考えられる。(中略)スピリチュアリティは特定の人にだけ関わる資質ではなく、すべての人に備わっている。特に生命の危機に直面し、生きる土台・意味・目的が失われた時には、スピリチュアリティが顕著に覚醒し、ペインが発生し、スピリチュアルケアを必要とする事態になる。
これまでの私の理解が浅はかだっただけであるが、「スピリチュアリティは誰にでも備わっている資質である」ということに、ハッとさせられた。
終末期に置かれたから、余命告知を受けたからといって突然芽生えるものではなく、本来あったものが変化をしているということなのだ。
本書では、スピリチュアリティが諸学問からどのように理解をされているのか、とても詳しく紹介している。自身の専門領域ではどのような理解をし、そしてどういったアプローチをしているのか/できるのか…それを知ることもとても大切だと感じた。
教科書を彷彿とさせる章立てで、難しい学問でありながら、平易な言葉で論じられているため読みやすく、分かりやすい。
スピリチュアルケアの入門書として、臨床の場で活用しやすい印象を受けた。
とても濃い内容であるため、今回はまず1章と2章のみを紹介。
引用
宗教的ケアとスピリチュアルケアの相違点。
宗教的ケア⇒既存の宗教がもつ教えや制度をケアの資源として用いる。(特定の宗教を信仰しているひとには有効なケアである)
スピリチュアルケア⇒特定の宗教には属さず、患者中心にケアが行われる。特に患者の心理的・文化的・歴史的背景が重視され、そこにケアの資源を求める。
患者がもつスピリチュアルな苦痛や問題は、身体的苦痛の緩和と同じ質の問題ではないという点を忘れてはならない。スピリチュアルな苦痛は医療者が苦痛を取り去り、和らげるという作為的行為によってなくなるものではない⇒寄り添い、患者自身が自分の人生に納得できるように支えることが重要である。
スピリチュアリティは人間に備わっている資質である。生きることが脅かされる危機に直面して、生きる土台・意味・目的が失われたとき、危機を生き抜く機能としてスピリチュアリティを人間の生得的資質として進化させたと考えられる。(中略)スピリチュアリティは特定の人にだけ関わる資質ではなく、すべての人に備わっている。特に生命の危機に直面し、生きる土台・意味・目的が失われた時には、スピリチュアリティが顕著に覚醒し、ペインが発生し、スピリチュアルケアを必要とする事態になる。
これまでの私の理解が浅はかだっただけであるが、「スピリチュアリティは誰にでも備わっている資質である」ということに、ハッとさせられた。
終末期に置かれたから、余命告知を受けたからといって突然芽生えるものではなく、本来あったものが変化をしているということなのだ。
本書では、スピリチュアリティが諸学問からどのように理解をされているのか、とても詳しく紹介している。自身の専門領域ではどのような理解をし、そしてどういったアプローチをしているのか/できるのか…それを知ることもとても大切だと感じた。
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