副題:介護老人福祉施設及び知的障害者施設職員の終末期ケアに関する意識の比較検討
『現代福祉研究』第9号(2009.3)(法政大学)
介護老人福祉施設(516カ所)と知的障害者入所更生施設(547カ所)に勤務する相談援助職を対象としたアンケート調査。
2つの施設で実施されている(意識されている)「終末期ケア」についての相違を比較検討している。
「生活の場」として浸透し、対象者の年齢からも「死」が当たりまえのように存在している(認識されている)高齢者施設と、「訓練」「教育」という点から出発した知的障害者更生施設では、その捉え方に大きな違いがある。
同じ相談援助職といえど、その「場」によって捉え方が異なる。そこから発生する問題点、今後の課題等、分かりやすく指摘している。
この研究での「終末期ケア」の定義
「死の看取り」と同義語。回復の見込みがない病と宣告された時から6ヶ月程度をさし、死亡場所が施設以外の場合も含む。
調査結果(一部)
入所者を看取った経験がある⇒高齢者施設…91.5%(うち遺族ケアの実施35%)、知的障害者施設…73.9%(遺族ケア36.7%)
終末期への話し合い(対本人・家族)⇒話し合いをしている高齢者施設…約90%、全くしていない知的障害者施設…約40%
高齢者施設の80%以上が「終末期ケアの教育を希望」し、約90%が「看取り後の職員へのフォローを希望」している。
引用(p.16)「ソーシャルワークの固有性や専門性が問われているいま、社会福祉分野では終末期ケアにいかにして貢献できるかを検討する必要がある」
「終末期ケア」の定義を「回復の見込みがない病と宣告された時から6ヶ月程度」としたのは、おそらく施設職員を対象とし、対象者が回答しやすいような「操作」が必要であったからかもしれない。
そう仮定した上で…高齢者施設には、「終の棲み家」だと「覚悟」して入所される方もいる。そういう方にとっては、一瞬一瞬が「終末期」であり、「やりたいことを実現し、やり残しがないように整理していく」時期であると思う。
施設という組織のなかで、入所者ひとりひとりの「やりたいこと」を実現していくことは、容易ではない。
そしてまた筆者も指摘していたが、「終末期ケア」を医療分野に委ねるのではなく社会福祉分野でも、徹底的に考えていかねばならないと思う。
『現代福祉研究』第9号(2009.3)(法政大学)
介護老人福祉施設(516カ所)と知的障害者入所更生施設(547カ所)に勤務する相談援助職を対象としたアンケート調査。
2つの施設で実施されている(意識されている)「終末期ケア」についての相違を比較検討している。
「生活の場」として浸透し、対象者の年齢からも「死」が当たりまえのように存在している(認識されている)高齢者施設と、「訓練」「教育」という点から出発した知的障害者更生施設では、その捉え方に大きな違いがある。
同じ相談援助職といえど、その「場」によって捉え方が異なる。そこから発生する問題点、今後の課題等、分かりやすく指摘している。
この研究での「終末期ケア」の定義
「死の看取り」と同義語。回復の見込みがない病と宣告された時から6ヶ月程度をさし、死亡場所が施設以外の場合も含む。
調査結果(一部)
入所者を看取った経験がある⇒高齢者施設…91.5%(うち遺族ケアの実施35%)、知的障害者施設…73.9%(遺族ケア36.7%)
終末期への話し合い(対本人・家族)⇒話し合いをしている高齢者施設…約90%、全くしていない知的障害者施設…約40%
高齢者施設の80%以上が「終末期ケアの教育を希望」し、約90%が「看取り後の職員へのフォローを希望」している。
引用(p.16)「ソーシャルワークの固有性や専門性が問われているいま、社会福祉分野では終末期ケアにいかにして貢献できるかを検討する必要がある」
「終末期ケア」の定義を「回復の見込みがない病と宣告された時から6ヶ月程度」としたのは、おそらく施設職員を対象とし、対象者が回答しやすいような「操作」が必要であったからかもしれない。
そう仮定した上で…高齢者施設には、「終の棲み家」だと「覚悟」して入所される方もいる。そういう方にとっては、一瞬一瞬が「終末期」であり、「やりたいことを実現し、やり残しがないように整理していく」時期であると思う。
施設という組織のなかで、入所者ひとりひとりの「やりたいこと」を実現していくことは、容易ではない。
そしてまた筆者も指摘していたが、「終末期ケア」を医療分野に委ねるのではなく社会福祉分野でも、徹底的に考えていかねばならないと思う。
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