社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

地域における見守り活動のあり方 河合克義 (ゆたかなくらし2008年6月号)

2009-01-07 14:42:44 | 社会福祉学
近年増加傾向にある「孤独死」の現状と、各自治体が取り組んでいる活動内容を紹介(主に東京都港区、横浜市鶴見区)。

著者が行った実態調査の結果→港区と鶴見区のひとり暮らし高齢者の特徴 
①3割が貧困状態 ②孤立している高齢者が多い(孤立=「病気や体が不自由になったとき」にも誰も来てくれる人がいない状態)。
…孤独死や餓死問題を考える出発点はここにある、と指摘している。

引用
厚生労働省が進めている対策
①「孤立死防止推進事業(孤独死ゼロ・プロジェクト)」
②「これからの地域福祉のあり方に関する研究会」の報告書(タイトル「地域における『新たな支えあい』を求めて-住民と行政の協働による新しい福祉-」)


住民同士のつながりを尊重しながらも、公共機関も関与していく…どうやらそれが、国の求める「新たな支え合い」のひとつの形のようだ。
それは今と何が違うのか?
国庫補助事業で、それらの実態調査や対策の検討、モデル事業の推進をはじめたことは、ある意味「今の時代」ならではの現象なのかもしれない。
介護保険をきっかけに、民間事業者の参入を奨励したことで、地域住民への公的機関の介入が減少したのは、明らかである。
「新たな支え合い」を住民に求める以前に、公的機関としての責任体制の検討も必要ではないだろうか。
コメント (2)
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