宗教・占い探玄  

光明遍照 十方世界 念仏衆生 摂取不捨 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 永観律師に帰依し奉ります。

日蓮と空海。

2011-07-02 08:07:36 | 吉野修験雑記
 これから述べることは、勝手に自分で判断して教義を作っているんで参考程度に。・・・日蓮義は過去に何度も述べた様に、初心の円教を信じる衆生が、観心を成立させるためのシステム理論。その先の熟脱仏法を考えた場合、一番勝れているのは密教である。弘法大師が弁顕密二教論、秘蔵宝鑰、十住心論で力説しているのは、行法における密教の優位性にあるんですが、お大師さんが説いていることは正しいと思いますね。(ただし、天台を八位に順位づけしたのは間違っていると思います。法華経は諸経の大王であり、教相判釈に大日経・金剛頂経優位とするのは立教開宗する上で仕方がなかったんでしょうね。)

 日蓮聖人の妙法曼荼羅は、日蓮聖人自身が持つ天台と真言の教義、思想の合作です。おまけに日蓮聖人独自の神道観も入っている。高野山大伽藍にある金堂には中央に薬師如来、左右に金胎の曼荼羅が向い合せに設置されている。さらに不動、愛染明王が配置され、その外側に弘法大師、高野大明神が祭祀されている。妙法曼荼羅の左右の梵字、あれは不動、愛染です。このあたり面白いですよね。前にも書きましたが、薬師如来は久遠実成釈迦を表現しています。金堂とは寺院におけるコアなんで、大日如来云々と云いつつも中心的本尊は天台と同様、久遠実成釈尊であることは間違いないですね。(このあたり私見です。笑)

 金堂の後ろに聳える空を突き抜けるような大塔。これなんか、「顕教はさておき、我は秘密曼荼羅の世界に専念し大空に遊ぶ」を表現しているかのようですね。きちんとした教義体系を持ちつつも、お大師さん独特の思想観が建造物の配置から感じ取られる。妙法曼荼羅で云えば、釈尊・塔は南無妙法蓮華経になりますね。ホント似てるんですよね。・・・妙法曼荼羅の左右の梵字、不動・愛染なんですが、二体揃って仏像で祭祀しているのは他宗を見渡しても真言宗のお寺くらいですね。日蓮聖人は台密より東密の影響の方が強いように思います。妙法蓮華経は五輪を象っているんですが、五輪は真言の覚鑁上人が教義で体系づけてからメインになっています。弘法大師はその著書を読んでも六大主体。六大から五大への宇宙観は覚鑁上人の影響が大ですね。

 日蓮聖人は覚鑁上人の著書、五字九輪秘密釈の書写も行っていますし、理性院流の血脈を受け継いでいるとも云われていますんで、東密の影響は十分考えられますね。日蓮聖人は後年、真言をボロクソに批判するんですが、本当に尊敬していたのは弘法大師だったのではないかと思いますね。伝教大師よりも。・・・真言宗の教義体系の誤りを批判することで、弘法大師の真言教の真実を述べたかったのではないでしょうか?開目抄に教相では法華経を大日経より下に置いているが、事相で天台の光定等に教授する時、法華経を大王の如く大日・金剛頂経を左右の臣下の如く云々はその内面にある心の表れでしょうか。(日蓮さんはお大師さんは認めているんですが、著書として出されている教義には正義を貫いているんですね。)

 私個人としては、顕教に日蓮義を、密教では東密重視としています。日蓮義の次は密教を学ぶべきでしょうね。まあ、信仰の個人差もあるんで何とも云えませんけど。日蓮義に狂信的な態度、考えこそ非常に危険ですし、大きな間違いだと断言できます。日蓮義は初門。一段落着いた後で、そこから飛び出さないと駄目ですね。
コメント (23)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする