ブログ de なんで屋 @東京

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日本人の特性 ~受け入れ体質(⇒同化or淘汰)~

2010-11-03 16:50:57 | 路上の声~社会~
画像はこちらからお借りしました。

今年は、中国との尖閣諸島を巡る対応で、日本の外交対応の弱さが改めて浮き彫りになるとともに、外交に対する人々の課題意識も高まってきています。

ただし、この問題は、感情的に攘夷論に流れても、悲観的になっても、あるいは我関せずと傍観者となっても、解決策は見いだせません。

また、外交問題に限らず、将来の日本を考える上では、“日本人の特性”を把握しておくことが不可欠です。今回は、“日本人の特性”について、端的に提示されている記事を紹介して、日本が向かうべき可能性を探っていきます。



【記事引用】
日本人は外圧に弱く、世論に流されやすく、そして自虐的である、と言われる。確かに、「年次改革要望書に対して拒否できない日本人」「小泉フィーバー、インフルエンザ騒動、小沢バッシングといった世論誘導に乗ってしまう日本人」「小学校から英語教育を導入する一方で、まともに縄文の歴史を学ぶこともしない日本人」といった現象から、これらの日本人の‘問題性’は否定できない。

しかし、「外圧に弱い」からといって、外国の言いなりで完全な支配に置かれた訳ではない。中国に支配されたこともないし、律令制度も取り入れなかった。近世はキリスト教支配から免れてパックストクガワーナ(江戸の平安)を実現した。GHQ支配は受けたが、戦後の経済戦争では立場を逆転させた。

日本人が「外圧に弱い」とされるのは「縄文以来の受け入れ体質」に起因すると考えられる。

確かに日本人は、縄文以来、多様な流入民が相互に受け入れあい、友好的に混ざり合い、同化しあうことで日本人としかいえない単一民族性を作り出した。それは人類本来の共認原理であれば多民族とも分かり合える=同化しあえるという潜在思念の確信に基づいている。

しかも「受け入れ」た上で、共認原理にそぐわない観念や制度は日本の社会の中で浄化され、実情にあうようにアレンジしていく柔軟性も持ち合わせている。

例えば、「漢字」。本来支配のための道具である「漢字」も日本人の手にかかれば、より深い考察の道具として無限に造語が作り出され、しかも「仮名」との併用によって、大衆的な広がりも生み出していった。江戸はアジアの図書館と呼ばれたし、ヨーロッパ思想を翻訳し漢字を当てたのも日本の思想家たちであった。しかもヨーロッパ思想を導入した当時の思想家は「和魂洋才」を唱え、日本人の潜在思念の重要性を強調することを忘れていない。

あるいは「参勤交替」。強権的な中央集権=絶対王政と分権型の封建制の間で揺れ動くだけの大陸の歴史と違い、日本は、藩の自治を基盤としつつも、諸藩も参加する江戸幕府=統一国家を通じて、地方の反逆を封じ込めるという離れ業を実現し、西洋由来の「銃」を封じ込め、武士は専ら法治や殖産興業に励む知識階級に転換している。

今、現在をみると、市場原理主義者たちあるいは軍産複合体に蹂躙されっぱなしのようにみえるが、これは「受け入れ過程」における混乱に過ぎず、いずれ浄化されていくことは間違いない。事実、既にあれほど一色に流された小泉フィーバーも今は昔、市場原理主義を是とする世論はもはや少数であり、大衆は、金儲けよりも社会貢献やNPO的な活動に関心を移している。

このように一見すると「外圧に弱い日本人」というのは「なんでも受け入れられる懐の深さ」の一面的な評価に過ぎないということなのだ。


日本人は‘外圧に弱く’‘世論に流されやすく’‘自虐的’なのだろうか?


【記事引用】
同様に「世論に流されやすい日本人」というのも瞬間風速的にそのような現象は起こりうるとしても、いつもそうだという訳でもない。確かにあのインフルエンザ騒動を思い出すと、何にも考えずに、マスコミ情報に流されているだけ、という面があることは確かである。しかし、こうした健康や安全・安心に関わる知的成熟は目覚しく、様々な食品偽装は困難な事態が生まれている。同様に、ワクチンや薬害についても大衆の学習能力は秀でたものがあり、インフルエンザが製薬会社の陰謀であるとしても、そうした陰謀にひっかかる大衆は少ない(実際、タミフルの問題性は一気に大衆の知るところとなった)。

政治問題でも同様で、大体、戦後は、一貫して左・右の多様な言論が成立していたし、自民党内も親中派、親米派と多様性を持っていた。確かに「小泉フィーバー」では世論は一色に塗りつぶされたが、今やいくら小沢バッシングをマスコミが続けても世論は5:5(ネットでは2:8)で小沢支持に転じている。既にマスコミの世論支配に対する免疫ができつつあるといってもいい。

結局、日本人の潜在思念に合致しない「観念や制度」は流産するしかないのである。それは日本の歴史が教えてくれる事実である。日本は中国流の歴史書も易姓革命思想も科挙制度も、取り入れなかった。近代制度、近代思想にしても一夫一婦制度は有名無実だし、男女同権論も根付いていない。株式会社制度も労働組合も日本的経営に変換されてきた。

「自虐的な日本人」にしても、一面的な評価だろう。歴史的には、聖徳太子の「対等外交」が示しているように、決して「自虐的」ではない。戦後、GHQ支配による歪があることは確かだが、今やむしろ「自虐外交はよくない」という右翼的言論の方が支配的である。問題はむしろ、「自虐はよくない」「反省が必要」といった表層的な議論に終始し、戦略的な思考が欠けているという点であろう。しかしこれは「外務官僚の無能」「マスコミによってつくられた言論」という問題性の方が大きく、日本の企業群はもっとしたたかに現実を生き抜こうとしている。

私たちは日本人の潜在思念の確かさにもっと信頼を置いていい。日本人は外圧に弱く、世論に流されやすく、そして自虐的である・・・と悲観するよりも、日本人の持つ柔軟性とそれを生み出している潜在思念の確かさを肯定視し、期待し、交信していくことが重要なのではないだろうか?

大局的にみれば、大衆はもはや市場原理主義者、官僚絶対主義者を支持していない。菅政権といえども口先では「反小泉、竹中」「脱官僚」を掲げるしかない状況にある。

確かに、「大衆と特権階級の断層」は問題ではあるが、既に「脱市場原理主義」「脱官僚主義」というみんな期待は顕在化しているのだから、あとはこの期待に応える本物の政治勢力の台頭を待つのみだともいえるのではないだろうか。


日本の歴史は日本人の潜在思念に合致しない「観念や制度」は流産するしかないということを教えてくれる


日本人の特性は、縄文人以来培われてきた「受け入れ体質」にあり、かつ潜在思念に合致しない観念や制度は、現実に合わせて組み替えたり、淘汰する能力も備えています。

これは、安定を保持しつつ、変異を生み出すという外圧適応の基本原理にも適っています。

そして、この「受け入れ体質(⇒同化・吸収or淘汰)」という特性は、時代を超えて、個人を超えて、機能し受け継がれてきました。

紹介記事の中に、現在の諸問題は“「受け入れ過程」における混乱”とありましたが、この過程を経て、新たな社会をつくっていくには、以下の2点が大きな鍵となるように思います。

 歴史事実の徹底追求
 事実を基にみんなで発信・評価(⇒共認形成)

そうして、みんなが充足できる社会を創っていくことで、次の世代に“日本人の特性”を引き継ぐことも可能になります。
みんなで挑戦していきましょう!


最後まで読んでくれてありがとうございます。
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written by ニシヒデ

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (川ピー)
2010-11-11 23:33:06
受け入れつつも蹂躙されない。
その日本の歴史の陰には、外からの侵略的な働きかけに対する不断の抵抗があったのだと思う。
今回の一連の中国の侵略に対しても、他人事や高みの見物では、有史以来の日本の独自性を守れない。
主体的な抵抗の姿勢を示す事が重要だと思う。

それを実践するため、自分は抗議行動に参加します。
13日(土)は12時半より横浜反町公園で12時半より、アジアの国々と連帯して中国の侵略に抗議する集会とデモがあります。
デモは14時出発です。
自分も参加して、日本の独立を守る戦いをします。
誰でも参加できる平和的なデモですから、みなさんも、よろしかったらどうぞ。
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ある新聞記者が語る本音 (みかんちゃん)
2010-11-13 11:59:54
 ある新聞記者から直接聞いた話ですが、日本人は現在の日本の力は過去10年くらい前の日本であって、現在の日本の国力からすれば、中国に馬鹿にされて当たり前だという。人材も経済もそうだと言う。馬鹿ばっかりの国は滅びるのですね。

 これからアジアにおいて中国が台頭してくる。かつてカルタゴと言う国があった。その国民は強大化するローマ帝国に征服されることは明らかであった。それでも軍隊は傭兵によってまかなわれていた。やがて国力が相次ぐ戦いによって疲弊し、傭兵に対する支払いの分担に応じられなくなってきた。そうなれば傭兵は敵方につきカルタゴは滅んだ。日本もアメリカ軍を雇うお金がなくなった時、そうなってしまう。ローマの代わりに中国、カルタゴの代わりに日本、傭兵の代わりに合衆国と置き換えてみれば分かりやすい。
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コメントありがとうございます (ニシヒデ)
2010-11-13 23:55:24
>川ピーさん
日本を守る闘いは不可欠ですね。
ただし、本当の敵がどこにいるのか、どのような闘い方が勝利をもたらすのかは、見極める必要があると考えています。

【参考】
米国指図の日中戦争策動が背景(尖閣諸島問題)より【1】
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=239507
米国指図の日中戦争策動が背景(尖閣諸島問題)より【2】
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=239508
米国指図の日中戦争策動が背景(尖閣諸島問題)より【3】
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=239511
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コメントありがとうございます (ニシヒデ)
2010-11-14 00:16:48
>みかんちゃんさん
日本の力の低下はそうなのかもしれませんね。
ただ、中国は日本以上に追い込まれているとも言えます。尖閣関連の対応も余裕がないが故の行動ととれます。
そして、合衆国は今も昔も傭兵どころか、ミカジメはとってケツ持ちはしないタカリヤクザです。

日本の特権階級を一掃することが、日本にとっての可能性だと思います。

【参考】
絶体絶命の中国が内政問題隠しに危険な暴挙 軍艦を再び尖閣へ
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=239745
日本が中国に理不尽な主張をされても、日米安保が作動することは全く有り得ない理由
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=238564
官僚階級と植民地支配とアメリカ留学…。(山崎行太郎氏)
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=224856
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