中田真秀(なかたまほ)のブログ

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オメガという数:日経サイエンス数学は楽しいpart2より

2010-09-01 16:22:08 | 日記
オメガという数をチャイティンという学者が提唱しているそうだ。
日経サイエンス数学は楽しいpart2にその翻訳記事がでていて、たいそう楽しんだ。

オメガという数を考える。これは、プログラムのすべてを考え、それから一つ選んだとき、そのプログラムが停止する確率である。

プログラムは二進数で表記されるから、プログラムというのは、0から1までに含まれる有限の二進数すべてと置き換えて考えてよい。

オメガの値が解れば、チューリングの停止問題が解けることが知られているので、けっして解る値ではない。しかし、小数点以下N桁までは陽に計算できる。

オメガは既約であり、数学すべてを包含する万物理論が存在しないことを示している。

法則は圧縮だ!だそうだ。物理の理論は自然を圧縮して表現していることになる。コンピュータを使った科学はもはや必須の道具だが、やはり万能ではない。情報理論からたとえば量子多体論を見直すと、巡回セールスマン問題にしかみえなくなる(これも少々病的だが、本質は一つ、ついている)。

おもしろいことを考える人が居るもんだなぁ。