やみくも着物ライフ

突然着物に目覚めてしまったわたし。細かいことはいいの、とにかく着物が着たい!そんな乙女心を綴ったペイジ・・・

最後に待っていた落とし穴(後編)

2006年10月19日 | 着物旅(海外)
ペニンシュラホテルからリムジンに乗って空港へ、
スムーズなリレーションで旅の最後を優雅に締めくくるはずが・・・
わたしたちは今、悪名高いツートンカラーのタクシーに乗っている。

なんでよ!なんでこうなるのよ
サウナで温まった身体は、ホテルのきつい冷房ですっかり冷たくなっている。
神経はピリピリしてるし、頭は冴え冴えと冷め切っている。

「メーターを倒しなさい!」
走り出してもメーターを倒さない運転手に向って叫んだ。
ああ、また戦いが始まるのか・・・


「空港は遠いからメーターではいけないよ。ここから45kmもあるんだ、450バーツかかる」
と運転手はしゃあしゃあと言った。(ちなみに空港は30km以内)
「そんなら降りるわ、クルマをとめて」とわたしは答える。
「わかったよ、メーター倒すよ」運転手はメーターを倒した。

しかし、いったん不信感を持った運転手に対してもう信用することはできなかった。
クルマがタクシン橋から反対の方向を向いたとき「とめなさい!」とわたしは叫んだ。

「降りる!」
橋を渡るには、もしかしたらループを一回転して乗るのかも知れない。
しかし何度も遠まわりされてる経験から、クルマが目的地以外を向くことは耐えられないのだ。

あたりは真っ暗でクルマもそれほど走っていない。
こんなところで次のクルマが拾えるのだろうか・・・
しかも今度のタクシーが正直運転手の可能性は限りなくゼロなのだ。
もう・・いったいわたしたちはどうなってしまうのだ

ダーリンがドアを開けたとき、運転手が「じゃあ、いくら払う?」
と変な英語で交渉をもちかけてきた。
反射的に「300バーツ」と答えるわたし。

すると、「よし!300バーツで行くよ」
意外にも運転手はあっさりOKしメーターを元に戻した。
あっけなく交渉成立してこっちのほうがびっくりだ。
300バーツってそんなに満足する値段なのかしら・・・?

そんなワケで、わたしたちは思ってもみなかった交渉制タクシーに乗って空港へ向うことになったのです。
ガイドブックには、絶対乗ってはいけないとされている交渉制のタクシーに・・

クルマは、タクシン橋を超えてすぐ北上した。
道はあってるようだ。

すると運転手は「高速に乗るか?」と聞いてきた。
「ええ乗って。もちろんあなたが払うのよ」
「いいよ、こんなくらい安いもんさ」と言いながら、運転手は小銭を出した。
そのやり取りをダーリンが苦笑しながら聞いている。

何よ何よ、わたしは悪者にやられないように必死なのよ~


クルマは快適に高速を北上する。
この運転手はとても運転が上手で、しかもずるい。
わたしたちになんの不安も感じさせずに、何台ものクルマを追い抜き
たった30分で空港に到着してしまった。

クルマから降りてトランクを出してもらい、ダーリンが300バーツ払っている。
運転手は良く見れば、けっこうかわいい若者だった。
彼はこっちを見て「気をつけて」だか「ありがとう」だか言ったが、わたしは無視した。

トランクを転がしながらダーリンが「いい運転手やったやん」と言った。
こんなに早く空港につけてくれたし、運転も上手だったし、
値段は最初吹っかけられたがけっきょくはそこそこの値段だったし。

わたしにはいい運転手だったとはけして思えないけど、でも結果はオーライだ。
こっちがメーターを主張していたら、もしかしたら遠回りされていたかもしれない。
そんなことされたら時間がギリギリになっていただろう。
けっきょくは交渉してよかったのかも。


チケットカウンターで手続きすれば、ひとまず安心です。
さあ、リムジンに文句を言いにいくぞ!とダーリンに言ったら、
そんなことしてる時間はないと言われてしまった。

「チェックインすれば置いてかれることないって・・」と未練たらたら言うと
「俺、置いてかれたことある」とダーリン。
あいや~
と言うわけで、そのまま出国エリアへ。

離陸まであと20分となりました。
思えば、なんだかんだで夕食を食べていません。
レストランでタイ最後の食事をしようと歩きかけたときに、無情にもアナウンスが聞こえてきました。
「関空行きの最終のご案内です・・・」

え~~~~~もう最終コールなの?

急いで売店でサンドウィッチとオレンジジュースを買い込み
ドタバタと機上の人になりました。
シートベルトをすると同時にジュースを一気飲みしたダーリン。
ホントに喉がカラカラになる2時間でした。




・・・と言うわけで、わたしたちは無事に日本に帰ってきました。
翌朝、関空から出て「りんくう駅」に降りると、
わたしたちのクルマを停めていたパーキングのお迎えが待っていてくれました。
「やっぱり日本人の仕事は完ぺきだわ」

日本人のビジネススキルを絶賛してタイ旅行記は終了です。
めでたしめでたし


・・なんてことないのですよ。
このままじゃ終われないわけです。




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最後に待っていた落とし穴(前編)

2006年10月19日 | 着物旅(海外)
リムジンの約束は7時40分、
わたしは7時半にロビーで行けばそこに運転手が待ってるものと思っていました。
ところが、それらしき人はいない・・

「10分前に来ていないなんて、職業意識ゼロね」
とちょっとムカついたのと同時に、嫌~な予感が頭をもたげる。
・・・いやいやまさかそんなこと・・

ペニンシュラホテルの玄関スペースはとても狭く、二枚の扉を入るとすぐにロビーラウンジになっています。
座るところもないので、奥のレセプションの前の椅子に座って待っていました。
最後までサウナで過ごしていたダーリンが遅れて上機嫌でやってきました。

「クルマ、まだ来てないの」
開口一番わたしが言ったので、そのままロビーのほうへ見に行った。

7時40分・・・・・・・来ない。
これは緊急事態発生だ!

わたしは立ち上がりレセプションで緊急連絡先に電話するように頼みました。
電話はビジネスセンターから日本人スタッフに掛けてもらうことにし待つことしばし・・
しかし、10分経っても15分経ってもコールバックがない。

痺れを切らしてもう一度レセプション嬢にビジネスセンターにつないでもらうと、
「すぐそちらにお電話しましたが、お客さまはすでにいらっしゃらないと聞きましたが・・?」
「いいえ、レセプションの前でずっと待っていましたけど」
彼女に怒りを向けるのはおかしいと穏やかに返事はしたが、ここのスタッフはいったいどうなっているのだ。

「先方の電話はすでに留守番で、緊急用の携帯電話はつながりませんでした。
しかし、リムジンはすでに来ておりますので、
ただいまベルキャプテンにクルマを玄関に回すよう連絡します」

な~んだ、ちゃんと来てるんじゃない
なんでロビーにいないのかしら・・・

ちょっとホッとしてダーリンとベルキャプテンのところに行き、預けてあったトランクを受け取る。
クルマはすぐ玄関に来るとのことだった。

しかし、5分経っても10分経っても・・・ぜんぜん来ない。

どうなってるの?
そこらへんに何人もいるスタッフに聞くと、
駐車場に待機しているから今呼んでいるとのこと・・
ベルキャプテンが「SPリモ・・SPリモ・・」と電話で呼んでいる。
たしかに、SPリムジンと言う会社だ。やっぱり来ているのだ。

しかし、玄関にはぜんぜんクルマがつく気配はない。
どうなってるのよ!あなたたちの言うことはぜんぜん分からないわ!
さっきの日本人スタッフは
「7時20分にリムジンは到着したと、私どものシステムに記録が残っております」
と言っていた。

なのに、何でここに来ないの
時刻は8時半・・空港まではスムーズに行って40分かかる。
バンコクの渋滞を考慮すると、もう出発しないと間に合わなくなる。

「しょうがない、タクシーで行こう・・」
ダーリンが言ったタクシーと言う言葉に、すぐふたりスタッフが反応して電話に手を伸ばした。
まるで、さっさと追い出したいかのように・・

「ちょっと待って!」
その手を制止して、最後にもう一度リムジンに電話してもらうようさっきの日本人に電話した。
そして、その結果をすぐこちらに電話してくれるよう頼んだ。
・・・そして、1分。
ベルキャプテンの電話が鳴る・・一言返事してすぐ受話器を置いたそのスタッフはわたしに何も言わなかった。
なぜ?それはわたしへの電話だったはずだ・・・。何でこいつ何も言わないのだ( - -)

8時40分、もうタイムリミットだ。
スタッフにタクシーを呼ぶように言った。

すぐに、黄色と緑のタクシーが玄関に現れた。
またしても、これかよ~~~~~


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