日 時:2007年8月4日(土) 9:30 ~ 11:00
天 候:晴れ
参加者:14名(うち初参加1名)
いつものように体をほぐしてから雑木林の中へ。
これもいつものことながら雑木林の中はとても涼しく気持ちが良い。
ルートはまず駐車場北側、道路沿い、雑木林のふちの植物群観察でスタート。
イヌザクラの辺りからほおのき沢へ下り、バス通りに面した法面へ。
一段上の切り通しの道をたどってきつね谷へ。
藤が絡みついて弱弱しくなったウワミズザクラまで残された側溝の上を歩いて上りきる。左に折れてこぶし沢をJTB脇の階段(歩道橋へ上り口)下までと歩きました。
道路沿いの平地、わずか2メートルほどの幅ですぐ深くほおのき沢へ下っている場所にはこのあたりでは珍しい植生、シラカシの根元に寄り添うように生えているアラカシが見られます。シラカシの細い葉(他のシラカシの葉に比べ際立っている)とアラカシの丸みを帯びた葉の対比が見られるのは非常に珍しい。注目です。
ガマズミ、コブシ、コナラ、シラカシ、マルバアオダモなどの実生や小木がありまるで苗床のようです。またここだけではありませんが今年は雨期が長いせいで「きのこ」がとてもたくさん生えています。昨年見事な姿を見て驚いた赤いタマゴタケももうすっかり傘を開いて立派なものが昨年と同じような場所で見られました。
ビッグニュースはコナラの樹液に集まっていた昆虫です。
カブトムシの雄が一匹、大きなコガネムシ(カナブン)が10匹くらいもいました。
よく目にするチヂミザサは花の季節は注意が必要だそうです。花が持つ油分がズボンなどに付くと落ちない汚れになってこまるとか。ヘクソカズラは別名サオトメバナ。木の幹を這う蔦は吸盤で幹についていますが葉と吸盤の配置に注目。
コウゾ、ヤマグワは桑の葉に似ています。見分け方は葉の葉脈が非対称、と対称。
作業日に学習した複葉の葉柄に翼が付いているヌルデの大木に花がたくさん咲いていました。調べたところウルシの仲間で触ってもかぶれないのはヌルデだけとか。
イヌザクラのある斜面を少し下ったところにクサギが良い香りの白い花や濃い赤紫のつぼみ(赤紫はガクで花は白、実が楽しみ)をたくさんつけています。ちなみに葉をもんだり枝を折ると独特の臭いがあるため臭い木です。
隣にはウワミズザクラのかなり大きな木が実をたくさんつけています。まだ熟れていないオレンジ色(濃い黄色?)から少し熟れてさくらんぼ色、よく熟れて真っ赤から暗赤色まで実に美しい。皆大歓声を上げました。もちろん味わいました。よく熟れていないと苦みがあります。
オオブタクサ(桑もどき、buffalo weed)、アキノノゲシが人の背丈ほどに伸びています。外来種のオオブタクサもブタクサ(hog weed)もブタクサですが見た目は葉がまったく異なります。オオブタクサは桑の葉に良く似ています。ブタクサは蓬のような葉です。以前はアレルギーの元と疑われた黄色い花をつけます。
ツルニンジンの繁茂するほおのき沢までに見られた花はヤブラン(珍しくほとんど白色の花)、ヒヨドリバナ、ベニバナボロギク、ハエドクソウです。
ツルニンジンは昨年に比べると倍くらいに増えているようです。シオデもありました。
サルトリイバラでなし、ヤマイモ、オニドコロ、ヒメドコロでなし、あっ「シオデ」だという具合に名前が出てくるようになりました。(継続は力なり。村山さんに感謝!)
バス通り沿いの法面で黄色の花をつけたカセンソウ(歌仙草)、ヤマホトトギスを発見。
ビナンカズラのある切り通しの斜面には本来雑木林にあるはずのない各種の樹木が多数見られます。マンリョウ、ハリギリ、ヒサカキ、ヤブコウジなどに混じってコブシ、タラ、マルバシャリンバイ、カクレミノ、クスノキ、ホオノキなど鳥や風に運ばれた種から発芽したとおもわれるものなどがあります。少し下のほうにはウワミズザクラの若木も。
クマバチと思われるずんぐりした黒いハチが落ちている枯れ枝のそばにいるのに気が付き
花の蜜が近くにないのに何をしているのだろうと気になりしばらく観察。
相田さん図鑑を出して調べるも名前がそのときには確定できませんでした。
(ずんぐりとした体型で、重そうに飛ぶハチ。体は黒色で、胸部には黄色い毛が密生する。人家周辺でもよく見られ、いろいろな花を訪れて、花粉や蜜を集める。材木や枯れ枝などに穴をあけ、巣をつくる。大きさ20~24mm、3~10月、分布北海道、本州、四国、九州)
キツネノカミソリは満開。同じきつね谷でも昨年とは分布が少し異なり下はバス通りに近い場所からたぬき山の斜面にも広がっています。これまで遊歩道として歩いていた場所にも何本かまとまって花やつぼみをつけ、積み上げた枝の間から首を出しているものもありこれからは枝払いをして枝を積み上げる場所にも注意が必要かも。
* 今日は久しぶりに松村さんが遅れて参加、「滝さんはいないの?」と。
初めて参加の小原さんの友人、田中さんともどもうれしいことです。