都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。論文や講演も。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

大阪(加藤政洋):大阪の色町・スラム・盛り場の3つに着目した歴史と産業構造、バブルの遺産、まとめが甘い

2019-11-14 02:47:22 | 都市経営

 散文調だが、読み物として楽しめる。地図と、堀の開削と変遷などあれば都市の骨格とモーダル・シフトを示せたと思われる。堀と埋立地、産業、船運、鉄道駅、高速道路は、都市経営の観点が欲しい。

 

 文学的なアプローチであり地霊(ゲニウス・ロキ)や、ストーリーを探している。知見は: 

(梅田)

・梅田、地霊の不在、市街機地改造法と「大阪駅前市街地改造事業(1ビル~4ビル)

・環状線の完成とターミナル、国鉄、阪急、阪神、地下鉄、「インテリ的」

・闇市の占拠と「梅田繊維街」の「新大阪繊維シティ」のへ移転

・地下街の闇市管理として、新聞スタンド、松葉、ぶらり横丁(大阪市民共済会からのまた貸し)、アリバイ横丁(阪神百貨店ふるさと名産街)など地下道の占有許可→後に立ち退き

 

(ミナミとキタ)

・鉄道駅、難波(大阪的な街)と梅田(オフィスで未来的)の色町出現

 

(谷町筋)

・大阪谷町既製服協同組合(1951年、天満橋~谷町5丁目 洋服の既製品の問屋、6~7丁目機械・工具・地金など170軒)

・大阪城近くの警察本部、師団の立地で官服、軍服の問屋街と軍需関連の機械商

 

(心斎橋)

・アメリカ村、日限萬理子のカフェ「ミュゼ大阪」とサーファー文化

・反対側はヨーロッパ村

 

(新地)

・松島遊郭(明治初年)

・今里新地は近鉄が後押しの新興の近郊花街(6,5,4,3間の道路による区画整理)

・飛田新地(1918年)は南の大火(1912年)、難波新地の貸座の移転で阪南土地(株)がディベロッパー

・明治初年、千日前の墓所が阿倍野墓地に移転

 

(ミナミ)

日本橋たもとの露天「市」(東京と同じだ!)→黒門市場に(1903年内勧業博覧会の前)・

・千日前は墓所の跡地再開発、明治期に「千日前発起人」の香具師たち、明治末年の南の大火、楽天地に

・浅草とミナミのアナロジー、線的は山谷・新吉原・浅草、三角形の釜ヶ崎・飛田・新世界、遊郭・墓地・木賃宿の組合せは難波を継承

 

(バブルの負の遺産)

・大阪1990:バブル崩壊時期の計画、面的拡大とプロジェクト乱立、都心の再整備がない

・土地信託→港湾局、交通局、計画局の3Kがプロジェクトを競う、記述のほか南港には廃止されたワイン博物館(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B5%E3%82%8C%E3%81%82%E3%81%84%E6%B8%AF%E9%A4%A8%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%83%A0 ) や菱垣廻船展示の博物館、なにわの海の時空館 ( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AA%E3%81%AB%E3%82%8F%E3%81%AE%E6%B5%B7%E3%81%AE%E6%99%82%E7%A9%BA%E9%A4%A8 )など、土地信託案件以外にもあった

・阿倍野再開発の失敗と地域分断、ハルカスからとキューズタウンの2本の並行するモール軸となり界隈性がない。地霊は消え去った

 

 軽い読み物、大阪の歴史に詳しくないと内容が分からないかもしれない

 


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