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女人禁制の人類学 相撲・穢れ・ジェンダー(鈴木正宗):慶応大御所は相撲での女性看護師による土俵救助と大峰山の女人禁制を宗教ではなく習俗・禁忌として分析

2024-06-30 02:51:12 | マクロ経済

大作で、資料が多く参考になる。結論はないが、宗教と習俗・禁忌を分析している。知見は:
・修検教団:聖護院・金峯山寺・醍醐寺の緩やかなつながり
・相撲も男女相撲があり明治5年に禁止
・大相撲は伝統を再構築している
・女人結界:里と立ち入れない山の境界(著者見解)、最澄、空海が設定との伝承が明治初めまで信じられていた、
・山林修行(僧侶 虚空蔵求聞持法(真言密教で、虚空蔵菩薩を本尊として修する、記憶力を増大するための修法。求聞持法。))・山林寺院(巨石信仰、水源祭祀)・山岳寺院(比叡山、高野山など)
・役行者は山岳行者、役君小角(えのきみおずぬ)は葛城山、呪法
・明治政府:神仏判然令(1868年明治元年)→廃仏毀釈と女人結界の解禁→実際はそのまま結界が残る
・歴史的に忌避から排除、禁忌から禁制に変化した、筆者見解:宗教ではなく習俗
・清め→穢れ↔不浄→浄、ハレとケ、イデオロギーとコスモロジーでの筆者の分析は分かり難い
・大峰山と登山口の洞川(登拝の根拠地、宿泊施設が集積、登山講(八嶋役講)の講員(行者さん)が訪れる)の相互依存関係
・龍泉寺の女人禁制の解禁は「稲村ヶ岳女人道場修行」となり信者が増加、修験道最極の秘儀「深仙灌頂(じんぜんかんじょう)」にも参加、女性が増える

 相撲は造られた女人禁制をどう見直すか、大峰山は女性との共存に対応するのかが今後の課題だろう

 資料が豊富、見解は面白いが結論がない

コメント
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