レトロの小部屋

紙物を中心に古物を集めています。
ついでに所蔵品の思い出も。

ミシンの話

2019年11月25日 15時26分09秒 | 裁縫用具・布・仕立雛形

ミシンの宣伝絵はがきなのだと思った。

ひっくり返してみると、アレアレ絵はがきじゃない。

説明文を読むと、3個抽斗の家庭用ミシンで、使用しない時は頭部を唐木の台にしまい込める。
家庭へ無料出張教授すると書いてあります。

ミシンに座っているのは、袖丈から見て独身女性で、メーカーから来て使い方を説明している。
背中越しにこの家の主が見ている。
前から見ているのが主の妻と息子。
畳に座るのは主の母と娘だと想像します。

母も、農家なのでモンペとか、ワンピースとかゴム入りのスカート縫ってくれました。

ウェブで、図書館の本で見た記憶のある浮世絵を発見しました。

主人がお世話になった禅寺の和尚様が「一汁一菜あれば、子供を置いて働きに行くな」とおっしゃいました。
今の人が聞いたらびっくりするでしょう。

言いつけを護って工業用の貸ミシンで内職を始めました。
慣れないうちは、一日12時間くらいも、背中を丸めて品物と格闘しても、1000円くらいしかできません。
仕事先からはダメ出し食らって、ほどいてやり直すのに3日かかりましたが、めげずに続けました。

和物から、ブラウスを縫えるようになり、子供の病気や学校行事も家庭の用事も、夜なべで納期を守り他人より良い品物に仕上げました。

貸ミシンを返して、より性能の良いオーバーロックとコンピューターミシンを買って独立しました。
仕事先を私が選びました。
バブル期には、高級な仕事がたくさんありました。
バブル崩壊、仕事はアジアへ行ってしまいました。
子供が大学と高校になっていたのでパートに出ました。

サイズの統一は崩れて素材も怪しいものがあふれるようになりました。

消費税が上がったとたんミシンが動かなくなり、思い切って買い換えました。
家庭用ミシンは捨ててしまったし、あっても、工業用を踏んだ人は家庭用は物足りない。
要らなくなったら、私が死んだら買い取ってくれるんだって。

 

 


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