レトロの小部屋

紙物を中心に古物を集めています。

シャープペンシル

2018年02月27日 09時50分56秒 | 文具

シャープペンシルは、シャープ電器創業者の早川徳次氏によって作り出されました。
現在復刻版が発売されています。
頭を回して芯を出すので「繰り出し式」と呼ばれるのは、ノック式と区別するためでしょう。

シャープは丸型ですが、他社製品で鉛筆のような八角と平たい菱型のものです。


箱に替え芯が入っていました。

平たい菱形の物は、頭を引き出して回します。

裏には物差しが刻まれています。

芯の補充は引き出して行います。

壊れていますが、ノック式の初期の物でしょうか。万年カレンダー付です。

以前、京都アンティークフェアー会場で、万年筆や繰り出し式のシャープペンシルを多く並べてる業者さんがいました。
裏に物差しの付いた平たいものだけが日本製で他は外国の製品だと言っていました。

芯ケースです。コンパス用と区別がつきません。

2012年の今頃、奈良のシャープさんのミュージアムにメールで「芯ケース」についてお尋ねしたら、画像を送ってくださいました。

ご予約いただければ、いつでもご覧いただけます。滋賀と奈良は遠くないですから、暖かくなったらお越しくださいと書いてありました。
それなのに、なかなか行かないでいると、シャープさんが大変なことになって、よけい行けなくなりました。


ぬりえ 2

2018年02月24日 09時48分23秒 | 紙ふうせん・ぬりえ

意味不明の「変身ぬりえ」のタイトル。
当時流行のアニメのタイトルをつけると著作権にまずいが、子供達にはわかるだろうと作成されたのでしょうか。
裏も表も同じ絵です。

昔、怪獣。 
今、恐竜。  
OOザウルスと全部覚えている孫の恐竜の玩具に、うっかり怪獣と言いそうになり、あわわわと思ったものでした。


硝煙が臭いピストル

2018年02月23日 07時32分07秒 | おもちゃ

町役場の近くのたった一軒のおもちゃ屋さんが、地域の神社の秋祭りに店を出す。
奉納相撲が行われる社務所前の広場に、駄菓子屋用品一式持ち込んで露店を開くのは毎年のことでした。

駄菓子屋の無い山村の子は、もう1週間くらい前から待ちどうしい。
学校にも太鼓の音が聞こえて来れば、授業も上の空。

男の子たちがパンパンと鳴らずピストル。
弟も座敷で鳴らす。「臭い臭い、外でせい」と祖母が言った。

先日露店で見つけて、懐かしくて買った。

バネを押して開いて、

玉込めて、

パン と打てば懐かしい硝煙の臭い。

 

 


たばこ 8  新生 HAPPY  

2018年02月21日 17時37分45秒 | たばこ

こんな薄い紙に、たばこをどの様にして納めたのでしょうか。

新生はデザインの中に専売局の文字を入れた変わったデザインで、昭和22~23年のみの製造です。
専売公社になってからも「しんせい」の名は引き継がれ、何度もデザイン変更がありました。

ハッピーは昭和23~24年の間の販売でした。
昭和24年に専売公社発足。そのためハッピーは専売局と専売公社の物があります。

 


ひな祭り

2018年02月20日 13時13分35秒 | 民具、雑貨

お雛様は2月の「雨水」の日に飾り始めます。
だいたい毎年2月20日前後で、今年は昨日19日でした。

成人した子供の雛人形は、神社に挙げてお祓いして処分されるのが私の生家の村の風習でした。
お祝いは何代も前の親戚からも贈られました。

この紙の掛け軸は私の初節句に頂いたもので、裏に書かれた名前から古い親類で、集落の中にありました。

処分を免れていたのを、無人となった生家の土蔵で発見しました。

近年は雛道具にタンスや針箱など飾ってるのを見ます。

タンスや針箱は江戸末期から明治時代になってからの物です。
高貴なお方が、ご自分で仕立物をなさることがあるとは思われません。
そのくせ牛車があったり、近年の雛道具はちゃんちゃらおかしい。

この掛け軸にはその様な道具は一切書かれていません。

御簾、階など屋根の付いた御殿の中に親王、内親王がいらっしゃる御殿飾りを、宮入と言っていました。

鴨居から取り付けた7段飾りには、雛飾りの他に、親戚中から初節句を祝って贈られた土人形やだるま、押絵に台を付けた人形、フランス人形など大賑わいでした。

松江でお生まれになった天神様、出生地に神社があります。
隣の伯耆の国の私の生家では男児の場合、ひな祭りに天神さんの祝いがこれもまた何代も前からの親戚中から来ます。
これは弟の物で、曾祖母の実家から贈られています。

弟の家の床の間に牛にまたがる天神様の墨一色の掛け軸がかけてありましした。
やはり土蔵で見つけて持って帰ったこと弟に伝えていませんが、要ると言ったら返そうと思っています。

御殿飾りの場合、親王、内親王の夫婦飾りは女児用で、御殿にお一人なのは天神様で男児用と決まっていました。
親王様と天神様の頭や刀を差し替えて遊びました。

男児には5月の端午の初節句の飾り物は母の里から届きました。

 

 


別冊付録 「萬壽姫」

2018年02月18日 16時28分46秒 | 浮世絵 絵草子 古本 古教科書

私の少女時代の子供向け雑誌の別冊付録は、漫画の本だったけど、前の時代には物語もあったようです。
大事にしていたらしく、セロファンのカバーをかけてある。

口絵も挿絵も高畠華宵である。

執筆者の言葉。

このお話は教科書に出ているのでご存知の方も多かろうが・・・・・。
云々
昭和12年1月 奥利根の旅舎にて。
この谷の小学校の元日の歌ごゑきこゆ物書きおれば。と締めくくっている。

昔の小学校は、元旦や天長節など祝日は正装して登校し、奉安殿から陛下の御影を安置し、その日を祝う歌を合唱して、紅白のお餅をいただき下校したそうです。

カバーを外す。

裏表紙。

講談社の当時の社名が物々しい。
定価50銭。わざわざ附録付きと書いてある、その理由。

以前資料として買ったこの本は、主婦之友の別冊付録でした。

昭和7年4月号。
附録だけでもお分けします。価格は本紙奥附を御覧ください。
当時はこんな事もあったから、セットですよの意味なのである。

本紙は無いので、webで主婦の友社を調べて尋ねると、代金30銭送料4銭ですと教えていただいて鉛筆で書きこんでいる。

そのころは、このような販売方法がなされていたので、わざわざ附録共と書いてあるのですね。


棟方志功装丁 谷崎潤一郎「鍵」

2018年02月14日 09時26分33秒 | 浮世絵 絵草子 古本 古教科書

何でも商う古物商。
「ひな祭りの親王さんの刀落ちてるよ」「ああ、おおきに置いといて」
部品が無くなると売れないでしょ、と思いながら手にしたこの本

棟方志功の装丁だった。

エッチな小説家だから、なんかお似合い?

活字離れ、出版不況といわれる現在。
昭和31年12月1日に出版して、20日にはもう3刷。1刷何冊か知らないけど、すごいわね。
ケース付きで350円。
当時の物価。はがき5円。手紙10円です。

東京の電話局番2桁(56局)です。

 


絵草紙屋の終焉について

2018年02月09日 09時13分41秒 | 浮世絵 絵草子 古本 古教科書

先日の岩見重太郎一代記は、明治24年4月発行です。

大首絵と呼ばれた。役者、力士、小町娘などの浮世絵や絵草子でにぎわった絵草子屋はどうなって行ったのでしょう。

画家の鏑木清方に、絵草紙屋についての「こしかたの記」というのがあり、それに記されていると知りました。

所蔵品の鏑木清方の全集(昭和52年集英社)と、1993年(平成5年)展覧会の図録です。

図録の方には文筆についての扱いもありますが双方に「こしかたの記」については書かれていません。

清方の記述を探し当てました。
「その後、芳年、年方、周延、月耕(4人の画家)と、次々に新版は店頭を飾って、絵草紙屋はまだ庶民に親しまれてゐるやうだったが、27.8年の日清戦争に、一時戦争物の全盛を見せたのを境にして段々店が減って行った。
 役者絵は何と云っても写真の発達に抗し得なかったらうし、出版の戦後目覚ましい進展を見せて来たことと、34.5年に絵葉書の大流行が旋風のやうに起こって、それまでどうにか錦絵を吊るし続けてゐた店も、絵葉書に席を譲らなければならなくなった」
この続きを要約すると、雑誌などと共に錦絵も並べていた店が大正期にも2~3軒はあったが、震災の後はどうなったことやら、というような内容です。

 


刀の本

2018年02月08日 09時41分04秒 | 浮世絵 絵草子 古本 古教科書

ボロボロの汚い本だったので、消毒とシワ伸ばしにアイロンをかけ、落ち着かせました。

webから専門家らしき人にメールでお尋ねして、教えをいただきました。

タイトルは「新刀銘藎(尽)大全」です。

乙巳(きのとみ)の春。60年周期の年号であるので、弘化2年(1845)春、である。
應需 建水道人類 は「版元などからの求めに応じ、建水道人が題抜した」の意味。

茶道で水を捨てる器を「建水」というが、刀剣の捨て場の異名「秋水」になぞらえて自虐しているようだ。
建水の字は癖字で(この本を書いた人の筆跡)堂水に」見間違える。

全85ページの最後。

江戸時代は本阿弥家が唯一、幕府公認の刀剣鑑定を許されていたので勝手な出版は許されなかった。
天保年間、水野忠邦が天保の改革(1830~1841)で奢侈禁令(しゃしきんれい・贅沢禁止)を出し出版業界もしめつけていたが、失脚したのを機に出されたのかも?

しかし、連樋と添樋の図解が怪しく青江ボウシ(3つは刀剣の部分の専門用語)も間違った挿絵など、刀剣に対する見識は高くない。
名刀は地鉄(じがね)が青いと表現するが、これは観念的な言い回しである。
錦絵の武者の刀は青いのでこの本は現代のムックのようである。
最後のページの印は、持ち主の蔵書印と思われる。

いただいた回答はおよそこの様でした。

明治生まれの祖父母が子供のころ、両親や周りの大人は皆江戸時代生まれだった。
祖父が子供のころ体験した武家夫人の腕前をメールにしたためて、お礼を申し上げた。


絵草紙  1

2018年02月06日 09時07分07秒 | 浮世絵 絵草子 古本 古教科書

江戸 明治時代に流行した浮世絵は、寝転がって読んでも咎められない気楽な冊子でした。
絵草紙 絵草子 絵双紙 と表現されています。

「義経千本桜」上下巻。

戯作者は一荷堂半水(1828-1882明治15年)

挿絵は長谷川小信ですが・・・・

浮世絵師長谷川貞信の長男は小信と言いました。
1875年(明治8)貞信没後、二代貞信となり、次男(1859~1886)が兄から小信を受け継ぎました。

長谷川小信は、兄か弟なのか不明です。

弟が28歳で没したのに対し、兄二代貞信は、1940年(昭和15)93歳まで生きました。

絵草子は、最初のページを口絵といいます。
登場人物の見せどころを描く多色刷りで、読者を引き込むのがねらいです。
ここでは頼朝の前で舞う静御前です。

物語に沿った絵を挿絵といいます。着色はあったり、無かったりです。

下巻の口絵と、挿絵です。

下巻の最後のページです。

次は一冊のものですが、絵は偶然同じ小信です。

これは、何でしょう?

落書きもありますが、出版者が明記されています。


うたい本ですって。三味線弾いて唄うのでしょう。
浪華書林 阿波屋文蔵。この人の詳細は不明ですが、1875年(明治8年)頃、他の出版物の記録がありました。

こちらはの絵は、初代小信かもしれません。
岩見重太郎一代記 全  とあるのでこれも一冊です。

口絵は、たたみ込まれた紙を左右に開きます。

着色は無く、細密描写のワイド画面な絵と、彫り師の腕でもす。

最後のページに出版に関する記載があります。
明治24年4月7日印刷、8日出版。
東京に区が存在しています。
浅草區南元町15番地 編輯(へんしゅう)印刷兼発行者 牧金之助。