漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

哀愁の爆笑王

2020年10月25日 | テレビ 映画 演芸

落語家・桂枝雀さんが、
NHKで「なにわの源蔵事件帳」に主演したのは42歳の時。

この時すでに、
頭頂部はツルピカ状態で、

主役の源蔵、通称「海坊主の親分」役にはピッタリだったわけですな。

米朝事務所の社長で、
当時、枝雀さんのマネージメントも仕切っていた田中さんが、

先日こんなことを書いておられた。

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NHKの収録は月曜から金曜まで、

枝雀さんに
ストレスをためさせまいと土・日には落語会を組みました。

あの人は落語をしている時が一番幸せなんです。

収録の合間でもネタを繰ってましたからね。

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演技と云う、
慣れぬ仕事のストレスを解消するため、

落語と云う仕事を入れるとは枝雀さんらしいエピソード。

それまで
この時間帯のドラマ視聴率は10%ぐらいだったそうだが、

この「なにわの源蔵事件帳」、
初回の視聴率が30%を越えたそうで、

スタッフ一同、
「みんな吃驚して引っ繰り返った」そうな。

この辺りから、
大坂の人気者、新枝雀が、

全国的な人気を誇る
爆笑王・桂枝雀へと駆け上がる分けですが、

その18年後には、自ら人生を閉じてます。

同時代に生き
その落語を桂小米時代から見続け、

亡くなる前の舞台をも痛々しく見たものとしては、

その全盛期の
活躍ぶりが華々しかっただけに、

この方の人生が
完結してしまった後となっては切なさばかりが残ります。

 

 


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