漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

ロンドンの大火

2017年06月17日 | 事件
むかし、黒澤明監督の映画に、
「天国と地獄」と云うのがありましてね、

その映画では、
貧しい学生が、丘の上に見える大邸宅の子どもを誘拐すると云うものでした。

つまり、「地獄のような安アパートに住む若者が、
天国のようなオヤシキにに住む子どもを誘拐し身代金を要求する」、

・・・ところが、と云うストーリー。

先日、ロンドンで起きた、高層住宅の火事、
現在確認されているだけで死者60人、

でも、まだまだ増える見通しだそうです。

なんでもこのビル、最近、改装したばかりで、
その名目は「耐熱工事」と云うことだったのですが、

実際は、
「見栄えを良くするためだった疑いがある」、と、

きのうあたりの、新聞が報じてました。

なぜかな、と思ってたんですがね、
きょうのワールドニュースでこんな記事を見かけました。

なんでも、火災現場の近くには、
「英国でも指折りの高級住宅街がある」んだそうで、

その住宅相場は、
日本円にして数億から十億円以上もする。

まぁ、金持ちたちの住む“天国”ですね。

処が、燃えた24階建ては、
公営住宅ですからね、

“地獄”とまでは云わないが、
かなり貧しい人たちも多く住んでたようです。

その被災者の一人がこんなことを言ってます。

「なぜ外観をきれいにしたのかを考えると、いらだたしい。
 反対側の高級住宅の住民にとってこのタワーが見苦しいからだ」

つまり、金持ちたちが当局に、
「あの汚らしいアパートをなんとかしろ」と圧力をかけ続け、

困った当局が、改修と称して、
防火や災害対策を無視した、見栄えのするプラスチック建材を貼り付けた結果が、

こんどの悲惨な事故につながったのだ、と云うのです。

この建物にはイスラム教徒も多かったと云うことですから、
ヨーロッパ各地で頻発するテロ騒動とこの大火災、

根っこには同じモノが有るのかもしれないですね。






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