明源寺ブログ

浄土真宗本願寺派

少年の涙

2010-03-18 00:14:07 | Weblog
今晩、NHKの歴史秘話ヒストリア『奈良の大仏様再建の秘話』を紹介していた。確か再放送の番組。
戦国時代の兵火により、大仏様を守る建物は炎上し、百年近く雨ざらしの状態。大仏様も、あちこちと傷みが酷く崩壊寸前。時は、江戸時代前期の1660年。
13歳の公慶上人は、雨の降る日にその様子を見られ余りの酷さに涙される。タイトルの『少年の涙』である。そして、一大誓願を決意される。大仏、及び大仏殿の再建である。この時、13歳の公慶上人が語られた言葉が印象に残った。『大仏様に仕える私にはカサがあるのに、私が仕える大仏様にはカサがない。』という言葉である。これが、13歳の少年の言葉なのかと思う。余程(よほど)の仏心に恵まれた方であろう。しかし、逆に純粋なこころを持った少年だからこそ語り得た言葉であったのかも知れない。
この言葉の通り、公慶上人の一生は大仏様再建に一生を捧げられた。全国を勧進(かんじん)し、その真心は人々を動かし、幕府をも動かすに至った。凄(すご)い僧侶がいたのだとツクヅク思う。これが、仏(ほとけ)に仕える本当の姿というものであろう。小さな規模(話)になるが、私の父も朝の勤行が済んで、本堂内部をホウキで掃き掃除をしている時、口からは絶えず『南無阿弥陀仏・南無阿弥陀仏』とお念仏を申しながらホウキを動かしていた。おそらく、これも念仏が念仏申させている世界であろう。何れにしても、思いはあれど遠く及ばぬ自分の姿に絶望感すら覚える・・・・・
写真は、インターネットより複写

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