むすんで ひらいて

ぽてぽてと歩く毎日。

のどかに、やさしく生きたいな。

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眠って治す

2015年01月26日 | 旅行

バリ島で刺激をたくさん受けて、ちょっとつかれた時に、わたしなりの治療法を考えました。

 

先ず、街中レストランで出会ってきた甘すぎたり辛すぎたり、しない食事をゆっくり味わいたくなり、おいしいサラダを求めて出発しました。

 

その中で心から幸せを感じたお店は、ヌサ ドゥア地区のホテル、グランド ニッコーのイタリアンレストラン “La Terrazza” のビュッフェ

ビュッフェは普段ほとんど行かないのですが、お料理を見せてもらって、種類豊富なサラダに替えがたいものを感じました

日本人にも合うやさしい味つけ、イタリア語のBGM、夕焼けに染まる海。

イタリアのフィレンツェに着いた日、タクシーの運転手さんに市街を一望できるレストランへ案内してもらったことを思い出し、バリにいながらヨーロッパ気分を味わいました。

 

サヌール地区では、タンジュン サリ ホテルのビーチサイドにあるレストランが静かで落ち着きます

サラダも丁寧に盛り付けられていて、おいしい。

ただ戸外なので、蚊には注意。

帰ってきたら、じぶんも食べられていました。

(こちらのホテルは、12年前に来た時と比べて宿泊料が2.5倍に

先日書いたコーヒー屋台も、地代が去年まで年間35,000円だったところ、今年から80,000円に高騰し、店主は他を探しているところです。

みんな変化していて、その中でやれやれと思うことは何かしらあるもので、これはもう、しょうがないなぁ。)

 

雰囲気の寛げたレストランは、ヌサ ドゥアのホテル、グランド ハイアットのガーデン カフェ “Garden Cafe” 。

その日来ていたお客さんたちは、みんな「家からちょっと外食に来た」という気さくさで、BGMはポップ・ミュージックと、和やかでした

セットメ―ニューのスープやメインは少し塩味がきいていましたが、味はおいしく、特にデザートの米粉のパンケーキはシロップで甘さを調節でき、ココナッツミルクにとてもよく合っていて、満ち足りました。

 

食後、日本語の気に入った本を読み(今は、カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」)、気の合う人と話し、眠って治す(Sleep Away)

何をするかは好みですが、会いたい人や好きなこと・食べもの・場所があれば、いろいろあってもなんとかなると、なんだか基本的なことを実感しています。

好みに合ったものは、理想 ― 思い込んできただけかも ― 通りじゃなくても意外と身近にあるもので、こころとからだにムリをせず静かに声を聴きながら、ぼちぼち歩くのがよさそうです

 

海と空は、かつて来た時と変わっていません。

  


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真夜中のコーヒーショップ

2015年01月19日 | 日記

夕方から、雨が降ったり止んだりしていた。

昼間のじりじりした暑さが去って、一息ついた夜の街角に、19時に開いて朝3時まで営業している「コーヒー屋台!」があるというので、友人に連れて行ってもらった。

 

 

 

片側が、その場で焼いてもらって持ち帰りもできる「マルタバ」という卵焼きと、焼き菓子の調理台、揚げ物用の大きな中華鍋。

そして、豆腐やお芋、玉ねぎの揚げ物が並ぶショーケース。

もう一方は、コーヒー豆の入った瓶やカップの棚と、コーヒーミルなどの置かれているコーヒーを淹れる専用の台。

コの字になっている奥には、お湯を沸かすガスコンロ。

 

 

その上を開閉自在のビニールシートの屋根がつないでいる基地のようなコーヒーショップで、周りにテーブルやプラスチックのスツール(以下イス)が無造作に置かれていて、お客さんは好きなところにイスを持って行って座る。

蓋付きの花柄カップで出される本格的なコーヒーは、一杯60~80円。

店主の手さばきは、コーヒー豆をプレスする時も、葱を刻む時も、卵焼きをひっくり返す時も、精神統一されていて潔く、「コーヒー屋台」という洗練された舞台を観ているようだ。

彼が調理している後ろで、常連さんがコーヒー豆のラベルを揃えて瓶を並べ直していたり、ロシア人のカップルが、注文した卵焼きのできていくところを無言でジイッと見つめていたり、白い上着のレストランのシェフたちがバイクで揚げ物を買いに寄ったり、金の指輪とネックレス、ピカピカ腕時計で同じ具合に影を帯びたブローカーコンビが、ちょっと斜に構えた風情で言葉を交わしていたり、色黒で気のよさそうな二人連れが、淹れたてコーヒーを一匙ずつ大事にスプーンで味わっていたり。

・・・と、そこではお酒や音楽の代わりに、コーヒーカップを並べてひっそりと、常夏の夜更けの集いが開かれていた。

 

 

雨がまたポツリポツリ降りだしたので、軒下にイスを下げて移動した。

「こっちこっち」と場所を開けてくれたタクシードライバーさんは、バリコーヒーのカップの底に沈んだ粉をスプーンですくい、

「僕は、これが好きなんだよぉ。 

でもこのまま『イー』ってすると、口の中が真っ黒でコメディみたいなんだよ~。 ワハハハー」

と、おいし楽しそうになめている。

 

その間にも雨は勢いを増し、屋台が滝のむこうになった。

「へぇー、夜からお仕事始めるんですね。 深夜もお客さんいますか?」

「うーん、あんまりいないね。 でも、夜運転するの好きだから。 時々、車の中で寝てるしね」

「それで背中痛くならない?」

「いやぁ、なるなるー。 ハハハァ」

 

水しぶきが足元まで跳ね上がってきて、もう一息分後ずさりする。 

彼は18歳の時に、お父さんが決めた友人の娘さんと初対面で結婚。

翌年生まれた子が今14歳、その下に12歳の子がいるが、7年前奥さんに好きな人ができて離婚。

子供たちをジャワ島の実家に預けて働いていた。

「別れるまでは、つらかったね。 

運転しててもそのことが頭から離れなくて、しょっちゅう頭痛がしてね。

だけど僕がラッキーだったのは、ここに、こうして話しのできる友達がいたことだよ。

それだって前は、帰るとまたすぐ悩み始めちゃってたけどね。。  

今はもう、ぜんぶ終わったことって思えるんだ」

 

そうして両手を広げ、

「人生がクリアーになって、すーっきりしたよ!  

これからも、そうやって生きていきたい。

僕はジャワ人で一夫一婦制だから、バリ人が時々奥さん二人持ってたりするの見ると、胸が痛むんだよね。

自分がそうだったから。。 男も女も同じでしょう?

でも、彼女たちが大丈夫そうにしてるってことは、きっと何か違うんだろうね。。」

  

水に包まれて孤島のともし火のようになった屋台の端で、店主が天井のたわんだシートを押し上げたので、雨水がザバッーと大きなしぶきを上げてこぼれた。

 

彼は、風下なのを確かめてからタバコをくわえると、イスをちょっと後ろにずらしてライターで火をつけた。

 

「それが人生だね。

僕は教会にもモスクにも行かないけど、神様は(あっちの空を指さして)信じてるから、いいことも悪いことも見ていて下さるって思うの。 

だから自分に正直に、いつもハッピーでいられるようにして、人が喜んでくれたら僕もうれしい。って生きてるんだ」

「うん」

「そうだな。 午後よくそこの浜で釣りしてるんだけど、魚がいっぱい獲れたらアパートのみんなに声かけて、バーベキューパーティーするんだ。 ゥハハ。 たのしいよ

「そう、いいねぇ」

「ん・・・夜布団に入るとね、子供のこととかいろいろ考えちゃうから、それなら夜中仕事しようと思ったんだ。

朝、眠ればいいからね。 ハハ」

そう言って笑いながら横を向き、彼はふっくりタバコを吸った。

 

 

町には、同郷の友人たちが開いている深夜営業のコーヒーショップや食堂が、数件あるという。

ここは毎晩、雑貨店が閉まってから、その前の駐車場に開店する。

今日も真夜中、彼はお客さんを送った合間に、子供たちの集まる砂場のようなあの場所でコーヒーを飲んでいるだろう。

 

 


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恋する犬

2015年01月14日 | 日記

先週ヴィラの門を開けると、白いおとなしそうな犬がこっちを見ていた。

なにか言いたげな目だったので気になったが、そのまま外出し夜帰ってきて門を閉めると、今度はその下から白い足が覗いていた。

その後も何度か出かけようとすると、扉の隙間から遠慮がちに鼻先を見せていることがあって、「大通りのノラ犬に比べると物腰が優しげだし、もしそうだとしても、どうしていつも中をうかがってるのかな。」と、ふしぎに思っていた。

そしたら昨日、庭のプールの脇からニョッと現れて、おどろいた。

おどろいたけど、彼は顔色を変えず、静かで真っ直ぐな目をしていたので、「ま、そのうち帰っていくかな」と思って外出した。

いつも出がけに、「ミャー!ミャーミャー」と言いながら足元にすり寄ってくる猫のヴィスパは、この日いなかった。

 

 

夜、ヴィラのオーナーにその話をすると、

「ああ! そうなんだよ、びっくりしたよ。 

彼はプティ(インドネシア語の白という意味)っていって、僕がここに引っ越してくる前の家の隣に住んでて、よく遊びに来てたんだ。 

それで今、プティは僕がここにいることを知ったんだね。 

今日、部屋を出たら彼がいて、敷地の中で見たのは初めてだったから、びっくりして『おー、プティー!』って呼んだら、もう顔いっぱいに笑って『クゥーンクゥーン』て何か話してるんだ。 ハハハ」

オーナーは去年の五月、200メートル先の家からここへ越してきた。

プティは隣のバリ人宅に棲んでいたけれど、家族の残り物しか食べていなくて栄養が足りず皮膚が荒れていた。

そこで、遊びに来たら時々、脂肪とビタミンの入ったごはんをあげていた。

すると毛艶が出てきて、げんきになった、ということである。

 

 

プティは、この辺りにある幾つかの犬のグループのボスで、しばしばすごいうなり声でケンカしているという。

わたしの見た彼は、とても気弱で思慮深そうだったので、そんな一面もあるんだとおかしくなった。

オーナー曰く、

「他の犬とケンカしてる途中で名前を呼ぶと、こっちを向いて満面の笑顔になって、すぐまた向き直って『ガルーッ』ってすごく怖い顔でうなるんだ。

あんなに表情が豊かに変わる犬は、見たことがないね。 

一緒にいる時に他の犬が寄ってきても、そうやって威嚇して家族とか親しい人を守ろうとするんだよ。

 

ある時なんか、夜中になわばり争いをして、翌朝遊びに来たら耳から血を流してることもあったね。

バリのボス犬も、人間や犬のグループや、あちこち守る責任があってタイヘンなんだよ。 ハハハ」

 

そういえば、プールサイドの君の耳は、しなやかで大きな三角をしていて、風になびいてスナフキンのマントみたいに見えた。

繊細なところが、弱みになることがある。

そんなプティが、何かを守るために闘いながらも、好きな人を追って遠慮がちに何日も門前で待ち続けていたことを想うと、わたしが犬だったら惚れるなと思った

 

だけど彼は猫を追っかけるので、ヴィスパはこの間、屋根の上に避難していたらしい。

オーナーがプティを帰すと、さっそく大きな目で「ニャ~!」と訴えながら降りてきたそうだ

プティもしっとしたりするのかな。

 

 

 


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今時 ウブド

2015年01月13日 | 日記

陽が暮れるはじめると、林立する巨大なヤシの木から「ジゼン、ジゼンゼン」と聞こえるような蝉の大合唱がとどろく。

それは日本の蝉より低音かつ、扇風機の強風に耳を近づけたような迫力で、昼と夜の空気がバサバサたたいて入れ替えられる。

夕空のピンクが少しずつ褪せていき、20分くらいかけて紺色になると、彼らのうたはあっさりと止む。

すると今度は、周りの田んぼから可憐な虫の音が水蒸気みたいに上がってきて、電球がポツンポツン灯るだけの闇を、碧くしんしん包み込む。

田んぼに面した二階のオープンテラス・レストランからは、時々カチャカチャとお皿やナイフの音が聞こえてくる。

ここは、バリ島の海辺から車で40分ほど走ったところにある、田んぼと山に囲まれたウブドという町。

 

 

わたしが最初に来たのは14年前で、その後何度か訪れ、最後は10年前だった。

変わっていたのは、中心部にスターバックスやコンビニ、キレイなブテックやお土産屋さんが立ち並び、地元の人の市場が新築されていたこと。

大きなホテルも増え、かつて見かけなかった中国のグループ旅行者も、たくさんいる。

ただ、でこぼこで、時々ウソのように1メートル下の暗がりに向けぽっかり穴の空いていたりする歩道は、当時のままなのがふしぎだった。

旅人が多くなり、彼らを相手に外国人オーナーのホテルやお店が次々と開店し、急速な発展にバリの風土そのものは驚いているように見える。

思春期の子供みたいに。

 

 

 

今まで使っていない携帯を借してくれていた友人が、仕事で別の島に渡ることになったので、代わりにこちらの一番シンプルな携帯を買った。 

それでもラジオやトーチライト、使わないけどゲーム機能などついて2,500円ほど。

しかも通話料金は、日本へ1分8円。 

今持っているドコモの携帯が、日本へかけると1分380円だから、こちらの通信事情はすばらしい。

 

 

かつてひっそりとしていた、田んぼを見渡すカフェに入った。

今日は、オーストラリアと中国の人でにぎわっている。

カレーとケーキを頼むと、味はバリ独特で、外国人向けのアレンジはされていないようだった

田んぼのあぜ道を、頭にかごを載せた女性がゆっくり農作業に向かい、犬たちがのびのび遊んでいる姿はそのままで、少しほっとする。

海に近いレストラン街にいる犬たちは、アスファルトの道端で頭をもたげ、どこか憂いを帯びて見えたけど、この田んぼの隅っこにいた白黒の、ホテルに面した草地で転げ回っていた白黒茶色の犬たちは、緑の中で仲間と犬生を謳歌してるようで、思わず見惚れてしまった

 

  

田んぼカフェを出てほんの少し歩くと、坂道の頂上で雨が降りだした。

大木の、2メートルくらいある葉っぱの下に立ち止まって様子を見ていたら、道の向かいの商店街で絵を売っている男の子が「おいでおいで」してくれたので、色とりどりのカッパをまとって走り抜けるバイクの隙をつかんで、軒下にかけ込ませてもらった。

それから間もなく、坂道は川になり、さっき雨宿りしていた葉っぱは重たそうにしなだれて、蝉が、今やすべての音をかき消してしまった雨に負けじと鳴きだした

 

目の前を、田んぼカフェにいたオーストラリア人カップルが、ふたり並んで胸を張り、全身に雨を受けながら、両手をこぶしにして歩いて行く。

近くに宿があるんだろう。

ふたりでいると、勇敢になれるんだ。

 

しばらくすると、今度は彼らの歩いて行った方から、またオーストラリア人らしき別のカップルが、一本の傘の下ピッタリ寄り添い、歩いてきた。

男性が傘を差し、雨から守るように彼女の腰に手を回している。

彼女はサンダルを脱ぎ捨てたのか、背中の空いたベージュのワンピースに裸足で水を切っていく。

ふたりとも、しっかと前を見据えて。

一緒だと、大胆になれるんだ。

 

辺りが暗くなってきたので、隣で大雨を見ていた男の子がお店に電気をつけた。

そこには、彼の描いた鮮やかな色彩の絵が、奥までぎっしり飾ってあった。

「これはどのくらい売れるの?」

と聞いてみたけど、英語をほとんど話さなかった彼は、タバコをくわえたままニコニコしていた。

一番手前にかかっている絵の中で、ヘッドホンに片手を当てたごきげんそうなおサルも、にんまり横顔で笑っていた。

 

 

 
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神様の窓

2015年01月06日 | こころ

「神は一つの門を閉ざされると、もう一つ新しい窓を開けてくださる」

という、『サウンド・オブ・ミュージック』の一節が、今読んでいる本に引用されている。

バリ島のどこでこの本を手に入れたかというと、ラーメン屋さんだ

予期せず入ったそのお店は日本の方が経営されていて、壁一面に日本語の本がずらっと並べられていた。

「わぁ~!」

お腹も減っていたけれど、持ってきた本を数日前に二冊とも読んでしまって、どこかに日本語の本がないものかずっと探していたから、その時はほんとうに胸が高鳴り、「ミソラーメン」を注文するやいなや本棚にくぎづけになった。

まさか、(けっこうハデな)のれんの向こうで出会えるとは!

しかも元は、ひとりで行くには勇気のいる地元の市場で、友人とジャワ島の麺を食べたかったけれど、彼女と連絡がつかなくて代わりに入ったお店だったのに。

さっそく食後に一冊読み(ここにはコーヒーもあるのだ)、他に二冊を貸していただいた。

 

 

ラーメン屋さんを出ようとしたら大雨が降ってきたので、歩くのをあきらめ、この頃毎日顔を合わせているタクシードライバーのスヤディオノさんに来てもらうことにした。

彼に会ったのは、ある晩友人たちの集まりに出かけようと路上でタクシーを拾い、乗車前にメーターを倒すようにお願いしたら、メーターじゃなく通常の5倍!の金額を言われたので「ならいいです。」とやめたものの、その後なかなか別のタクシーがやってこなくて、とぼとぼ歩いている時だった

ようやく見つかった車のドアを開けると、そのドライバーさんは5倍の人とは打って代わって、親しみ深い笑顔で振り返り、日本語まで話すのだった

しかも、5倍の人物の知らなかった、待ち合わせ場所の小さなお店まで知っている!

それ以来、わたしはできるだけスヤディオノさんに迎えに来てもらっていて、彼が運転席の窓を開け、「ハーイ!」とニコニコ手を振ってくれるのを見ると、とても心強くなる。

 

 

話しは戻って、今しがた本を読んでいたのは、このところ通っているベーカリーカフェだ

12年前、初めて友人に連れて来てもらい、それ以来気に入っていて、バリへ来る度にひととおり行きたいところへ行き尽くすと、ここに落ち着いてくる。

今日は、入国管理局でビザ延長手続きをした帰り道、ビザコンサルタントのアンナさんに送ってきてもらった。

彼女とも、ひょんな縁で知り合った。

 

日本を出る前のこと ― 。

宿探しをしていたら、クリスマス直前のバリは混んでいて泊まりたいヴィラが満室だったので、代わりにこじんまりした海辺の部屋を5泊予約した。

― なんと! わたしはパスポートを忘れて(家のコピー機に挟んだまま!)羽田空港のチェックインカウンターの前で順番が来たと同時に「あれっ?」と思い出したので、予定の便に乗れず翌日の便を取り直した。 

それで結局、4泊になったのだけれど・・・ 

今まで何十回と飛行機に乗ってきて、その都度心のどこかに「万一、乗り損ねたら・・・」という不安がつきまとっていた。 

でも、こうしてそれが起こってしまうと、一瞬ガク然としたものの、意外となんとかなるものだとわかり、むやみに恐れなくなったので、それはよかったなぁと思う ―

 

そんなこんなでたどり着いた宿の朝食時に、イギリス人と組み予約の管理をしているアンナさんと時々顔を合わせた。

博識そうな方だったので、ふとおしゃべりのついでに、30日の観光ビザを一度だけもう30日延長できるという、その申請方法を尋ねてみたら、

「あら、任せて。わたしの本職はビザコンサルタントだから

と、たっぷりの笑み。

その場で、管理局へ行く日程を決めることになったのだ。

さらに、今ワンフロアーを借してもらっているヴィラのオーナーである友人が、後日薦めてくれた「親しい友人のコンサルタント」というのも、たまたま同じ彼女だった。

実際の手続きは、それまでネットや電話で調べていたまちまちの情報と異なっていて、下調べした宿の印象もそうだけれど、なんでもじぶんで来てみて、感じてみないとわからないなぁ。と、つくづく思うのだった。 

 

思いのままにならないことはふつうだけど、目の前のドアが閉まっても、たしかに神様の窓はいつでも開かれている。

どんなに入念な下調べでわからなくても、キラクに窓を見ようとすれば。

 


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