むすんで ひらいて

ぽてぽてと歩く毎日。

のどかに、やさしく生きたいな。

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おわりの ふわぁ~

2014年02月20日 | こころ
庭の梅の枝に、ひなあられのような紅白のつぼみが、プチプチふくらんでいる。
その下を、黒ねこが、のんのん歩いてく。 
でっぷりたくましい、ネコのおじさんといった風ぼう。
背中もお腹も、太陽をツヤツヤ照り返して、温かそう。

温かそうといったら、この間、雪道で見かけた電飾のスタンド看板「ラーメン」。
黄色いランプに縁どられ、同じ黄色の下地に、赤く「ラーメン」の文字が灯っている。

いつも目に入って、なんともなく通り過ぎてたのに、その日、白い夜道にぼわぁ~と浮き上がっていたら、思わず「どきん!」とした。
そこだけ、ほかほかして見えた。
立ち止まって、「あぁ、わたし今、看板に恋したわ。」と思った。

まだ暗くなりきる前、夕暮れに点き始めたばかりの街灯もハッとして好き。
なぜか、闇の中より明るく見える。


インドネシアの夕陽は、紅く熟れた柿のようで、海の向こうに見送るのも、ただただ見惚れてしまう素晴らしさだけれど、それを真っ向から浴びて帰宅する人びとの、大通りのバイクの列も、まるで日常が喝采されてるみたいで目に焼きついた。

同じ頃、陽ざしの和らいだ浜辺には、地元の人たちが集まってきて、ボールを蹴ったり、ビーチバレーをしたり、大人も子どもも水浴びして、焼きトウモロコシをかじったりした。
それも、日暮れにふさわしい光景だった。


ほのぼのにも、ハッとにも、しみじみにも、移ろう明りには、密かで安らかな、おわりのふわぁ~。が含まれている。






バリ島、ジンバランビーチを歩いて帰っていたら、後ろに立ち並ぶレストランから、魚を焼くけむりが上がり始めた。




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ひえひえ

2014年02月10日 | 日記
昨日、東京は、積もった雪を反射してピカピカの日曜日でした。
駅前には、「チャリチャリチャリ。。。」と、バスや乗用車のチェーンの音が響き、玉川上水の散歩道は、両脇に雪が積まれて人ひとりだけ通れる細い道が作られ、いつもより長く見えました。


いつだったか、こんなふうに大雪の降った朝、仕事に出かけて、駅へと続く階段を上りきると、まっしろな雪の上にジェリービーンズが三つ・・・・あか、きいろ、黄みどりと・・・転がっていて、夢のような鮮やかさにおどろきました。




久しぶりの雪に、装いひとつで、同じ景色の見え方も雰囲気も変わってしまうのを思い出し、わくわく。


こちらは昨日、地球にお越しになった、雪の旅人ガロンさんです。
人間の子どもたちと遊んで、また仲間とゆっくりお空に還ります。

 



友人の誕生祝いのお料理は、雪のようなお皿に春の気配ふうわりと

 春の野原のオードブル

 花や土が匂い立ち、小鳥のさえずり聞こえてきそうな鯛のポワレ 


※ ポワレ:魚の切り身に塩コショウ、オリーブ油でこんがり焼いて、ソースと共に盛りつける



そこには、目の覚める「一瞬の白」がありました




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当たり前の横顔で

2014年02月05日 | こころ
甘いお菓子も大好きだけど、予期していなかった野菜や果物がとびきり甘かったりすると、ただただ感動してしまう

ふつうの値段の、さつまいもの、林檎の、みかんの、人参の。

今年も、庭の夏ミカンと柚子と金柑の収穫をした。
夏ミカンは、段ボールにしまって酸味を落ち着かせ、初夏に爽やかな甘酸っぱさになるのを待つ。
金柑は、売っているものより小粒。
でも、そのままポイポイ口に放れば、野生に近いこの庭の、どこからこんな甘みがやってきたかとびっくりする。

塀に向かって咲いていた水仙を部屋に飾れば、どこか懐かしい爽やかな香りがこぼれる。

それは、身近な生活、ありふれたものの中にある祝福



バリ島の州都デンパサールにある友人の家に泊まった朝、「ジャーッ!」という音で目が覚めた。
部屋は一階。
「なんだなんだ?」
音のもれてくる窓へと歩き、そっとカーテンを開けると、そこは建て物がコの字型に囲んでいる中庭の、野外台所だった。

おばあちゃんはしゃがんで青菜を洗い、お母さんが中華鍋で炒め物をしている「ジャーッ!」の手前、中央の台で友人が野菜を切っていて、朝日の下ににぎやかなおしゃべりの花が咲いていた

25才の彼女は、はす向かいに住む幼なじみくんと中学の時からおつき合いをしていて、一度ケンカ別れしたけれど、近所でちょくちょく顔を合わせるうちに、一年後に復縁。
お互いの家族に、温かく見守られていた。

わたしが帰国する日、彼氏が運転して、友達が赤ん坊の甥っ子さんを膝に乗せて、もう一人の友人と4人で空港まで送ってくれた。
別れ際、彼女が「忘れないでね」と、ガラスの指輪を外してくれた



別の友人のお姉さんが住む、バリのお隣、ロンボク島 (インドネシア地図) の家庭では、お姉さんが、娘さんと家庭料理をふるまって下さり、テラスでいくつもの大皿を囲んだ。
下の息子さんは沖縄の大学に留学中で、バリ島で働いている長男ジョンくんが、ロンボク随一の温泉地まで家族とドライブに連れていってくれた
タッパに詰めてきた焼き鳥と焼き魚のお弁当を開け、わたしたちは原っぱでピクニックをした

ジョンのお姉さんは、両親の反対した相手と四年前に駆け落ちし、バリ島で結婚していた。
妹さんも、その後やっぱりバリの恋人と暮らし始めたから、今はジョンだけが島に残り、稼業のインターネットカフェを継いでいる



友人の友人、インドネシア屈指のウィンドサーフィン選手が里帰りすると聞き、便乗させてもらって行ったスラウェシ島
ご実家では、近くの漁港で獲れた魚を軒先の七輪で焼き、釜炊きご飯でもてなしてもらった

お家は簡素な木造で、二階の床板のほそーい隙間から階下が覗けた。
通りから玄関へ続く路地の塀には、その選手が小さい頃のびのび描いた自分の名前がまだ残っていて、その前で彼は得意げに笑っていた

イルカのような肢体で、風とひとつになって海面を滑っていく彼は、少し前、スマトラ島で開かれたアジア諸国の参加する大会で2位になり、その賞金で(ご両親はすでに亡く)兄弟3人に衣類をプレゼントしていた

出迎えてくれた二番目のお姉さんイナには、会ったとたん懐かしさがにじみ出て、昔から友達のような気分になった
お客さん用の部屋や、日本のようなお布団がないので、夜は、彼女が自分のクイーンサイズベッドに枕とインドネシアで一般的な抱き枕を持ってきて、隣を心地よく整えてくれた。
蚊帳の中、隣の部屋のお兄さんに聞こえない小声で、眠たくなるまでおしゃべりした

お部屋には、鏡台やタンスがこざっぱり可愛らしくしつらえられていて、それまでおじゃました欧米の瀟洒なお部屋たちと同じに、住む人の温もりが息づいていた。

一週間の滞在後、ライオン・エアでバリ島に戻ろうとしたら、イナと彼女の二人の友人が、ちいさなハサヌディン国際空港まで見送ってくれた。
 
車でお家まで迎えに行ったお友達の一人は、前日に失恋したばかりで、居間のソファーに身体をうずめしょんぼりしていたけれど、話してるうちに涙はやさしい笑いに溶けていった。

イナは、勤めているスーパーで、青いディズニーのバスタオルをお土産に用意してきてくれたので、その包みを片手にゲートの前でハグをした。
からだを離すと、彼女のぽってりした唇と大きな目がみるみる赤くなり、白いハンカチを出して涙を押さえ、「また来てね」と、手を振ってくれた。

最後の曲がり角で振り返った時、3人並んだ真ん中で、満面泣き笑い顔をして、大きく手を振り続けていてくれた。


わたしは、まだ先に待っているものがあったから、ジーンときたけど、泣かなかった。
忙しさや探し物に取りまぎれて、宝物は、後になって見つかることが多い




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