りん日記

ラーとか本とか映画とか。最近はJ-ROCKも。北海道の夏フェスふたつ、参加を絶賛迷い中。

漫画 『駅から5分』 感想

2008-02-27 20:26:03 | 


『駅から5分』 くらもちふさこ作 集英社刊


くらもちふさこ……高校生の頃はよく読んでたなぁ。
別冊マーガレット。通称別マ。
『いつもポケットにショパン』『Kiss+πr2』……なつかしい。


で、連作短編集の形をとっている本書です。

物語はすべて、舞台が共通している。
花染町という町の、駅から半径5分以内のところで起きる出来事。
それぞれの話は一見独立しているんだけど、実はどこかで人間関係がつながっている。
時には本人たちすら知らない関係が、生まれてる。
例えば幼なじみを捜しに花染町へやってくる36歳の女性を描く第2話は、
中学生の初々しい恋の始まりを描いた第1話とはまったく関係のない話に最初は思えるが、
第1話の男の子をはねてしまうタクシーの乗客が、実はその女性だったことがわかる。
第4話で、女子高生が友達の男の子に何の気なしに出したメールが、
第5話の女子大生の恋の行方に密接に関わってくる。

物語はすべて『始まり』を予感させるもので、それだけでも面白そうなのに、
一見無関係な話が実はすべてどこかでつながっていて、妙にスリリング。

人が殺されるわけでもない、隠された宝の存在が匂わされるわけでもない、
天才ピッチャーが登場するわけでも、未来からやってきた自分の子孫が現れるわけでもない、
なんてことのない日常を描くスケッチ風の話ばかりなのに、
なぜかドキドキする、この先どうなるんだろ??って気になる。

すごい、くらもちふさこ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 吾妻さん! | トップ | DVD 『君の席 Vol.2・3』 感想 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事