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南のまち、と森の端

南九州の一隅からちょっとした日常の出来事や思いを綴ります。

フルートのコンサート

2019-04-14 17:20:13 | 芸術文化

3月31日、メディキット県民文化センターでのフルート・クラリネット・ハープのコンサート「音彩×魅惑」に続いて、宮崎市内の閑静な住宅地の一角にあるキャパ80人ほどの小ホール サル・マンジャーで4月13日に開かれた「ハンスゲオルク・シュマイザー&戸髙美穂 フルートデュオコンサート~ウイーンからの春の便り」に行ってきました。

 同市を拠点に活躍する戸髙さんは東京芸大卒後、ウイーン国立音大に学び同大学院修了。彼女の留学中の師シュマイザーさんをウイーンから迎えてのデュオコンサート。ピアノ・河内朋子さん。

この日のプログラムはJ.C.F.バッハ/2本のフルートとピアノのためのソナタハ長調、T.ベーム/メンデルスゾーンとラハナーの主題による3つの二重奏曲Op.43、カラファの主題によるアンダンテとポロネーズOp.8b、R.ムチンスキー/モーメンツOp.47、F.ドップラー/アンダンテとロンドOp.25など幅広い構成で、フルートの魅力を存分に伝えた楽しいコンサートでした。

 自身は日ごろほんんど聴くことの出来ていない二重奏曲での華やかな音のやりとり、また、ソロでのシャープでリリカルな音の響き‥‥。その芸術性とすぐれたテクニックのフルートの名曲たちを小ホールで間近で聴けたライブ感、澄明で表情に富んだフルート音楽の新たな楽しみ方を知ったような幸せな時間を過ごすことができました。


ひさしぶりのコンサート 「音彩×魅惑」

2019-03-31 21:49:09 | 芸術文化

花の季節到来なのに、近ごろは何となく鬱々とした日々を送っていましたが、それは1日おきくらいに用事が入って畑の澄明な空気の中に居られないからなのでしょうか。3月31日、ひさしぶりに宮崎市のメディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)で開かれたコンサートに出かけました。「みやざきの舞台芸術シリーズ 音彩×魅惑 フルート・クラリネット・2台のハープの5感で巡る癒しの旅」。

このコンサートは県立芸術劇場のシリーズ化されている催しのひとつで、地元在住・出身アーティストの貴重な活動の場となっています。同日のステージにはフルート・戸髙美穂、クラリネット・日髙由美子、ハープの柄本舞衣子、津野田圭の皆さんが出演。いずれも芸大、音大卒後ヨーロッパ留学を経て活躍中の実力派です。フルートとハープ、クラリネットとハープとそれぞれデュオで演奏していたのが、一緒のステージで音を出すことで「色彩豊かで新たな響きを創り上げことができのでは」とのあいさつがありました。フルート、クラリネット、2台のハープという楽器編成はとても珍しいとのこと。

ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」「月の光」、ビゼー「カルメン狂詩曲」、ラヴェル「マ・メール・ロワ」と親しみ深い曲から、リード「ヴィクトリアン・キッチン・ガーデン組曲」、オルウィン「『ナイアデス』フルートとハープのための幻想曲ソナタ」、サルツェード「夜の歌」ほか技巧を凝らした曲など工夫されたプログラムで、レベルの高い豊かな音楽性を感じさせる魅力的な演奏を聴くことが出来ました。

 近ごろはCDで美しい小品を聴いていましたが、ひさしぶりに生ではつらつとした演奏を聴くことができてよかったと思ったことでした。外に出ると、文化公園の桜が6、7分といったところでしょうか、美しく咲いていて多くの人でにぎわっていました。


「グリーンブック」観ました

2019-03-15 17:08:11 | 芸術文化

アカデミー賞作品賞を受賞した映画「グリーンブック」(ピーター・ファレリー監督)を観てきました。映画館に行ったのは「羊と鋼の森」「ボヘミアン・ラプソディ」以来。今回も音楽につながった作品です。
1960年代アメリカにあった実話をもとに人種差別問題を扱った作品。黒人の天才ピアニスト、ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)がまだ人種差別が根強い米南部への演奏ツアーをすべく、クラブの用心棒のようなことをしていたトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)を運転手に雇い、黒人用のガイドブック・グリーンブックを携えて出発します。
当初は何かにつけてぎくしゃくしますが、困難な目にあう度に次第にうちとけ、お互いに理解し、尊重しあうようになっていきます。レストランに入れないなど厳しい差別にあったり、笑いを誘うシーンも。後半は感動的な場面が多く、ラストもすばらしい。もちろんクラシックやジャズの演奏も挿入されています。
以前観た「ドライビング ミス・デージー」と同じく見終わってじんわりと心温まる映画。とても良い時間を過ごしました。


宮崎国際音楽祭のチケット購入

2019-03-03 22:11:30 | 芸術文化

第24回宮崎国際音楽祭が2019年4月28日から5月19日まで宮崎市のメディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)をメイン会場にして開かれます。今年のテーマは「音楽は世代を超えて」。期間中、新元号へと移ることもあって随所に若い演奏家を配しながら新しさを出していこうということでしょうか。


若い人たちは、ピアノ・辻井伸行、ヴァイオリン・三浦文彰をはじめ川久保賜紀、小林美樹など、チェロ・遠藤真理、上村文乃など。また、ヴァイオリン、ヴィオラ、指揮のピンカス・ズーカーマン、チェロのミッシャ・マイスキー、ヴァイオリンの徳永二男、ライナー・キュッヒル、ピアノのリリー・マイスキー、野平一郎、指揮の広上淳一、声楽の中村恵理、鷲尾麻衣、福井敬など、また漆原啓子、漆原朝子など実力派を揃えた宮崎国際音楽祭管弦楽団とそうそうたるメンバーが出演します。音楽監督・徳永二男。
『新しい時代「気鋭、二人の挑戦』、『エクスペリメンタル・コンサート「知られざる日本音楽の魅力』、『巨匠と若き後継者「大いなる歓びへの賛歌』、『パリ、そしてウイーンから「二人のヴィルトゥオーソ』、『プッチーニの世界「青春の光と影」』をメインプログラムに、スペシャルプログラムとして、『最強のふたり「三浦文彰と辻井伸行デュオ・リサイタル』、『ズーカーマン「至高のアンサンブル」』、『シリーズ「Oh!My!クラシック~草笛光子 微笑みの年輪、そして音楽』、『シリーズ「ポップス・オーケストラinみやざき~宮川彬良のびっくりアカデミー』、ほか『気軽にクラシック「500円コンサートの日』、「子どものための音楽祭」「新星たちのコンサート」、ストリート演奏会、サテライト公演など今年も多彩な構成となっています。

一昨年は手術などのためオール欠席、昨年も体力に自信がなく3ステージを聴きに行っただけでした。今年はメインプログラムを中心にした7公演を安い席ですが、チケット売り出し早々に購入しました。今年はどんな演奏が聴けるのか。私の好きなブラームスやチャイコフスキーの曲もあって今から楽しみです。


やっと「蜜蜂と遠雷」

2019-02-23 20:49:26 | 芸術文化

直木賞を受賞した後に本を購入したものの、私にとって中村文則「教団X」以来の長編とあって分厚く、病院待合室に持って行くにはどうかな、と思っているうち、ついつい後回しになっていた恩田陸著「蜜蜂と遠雷」をやっと読み始めています。
「羊と鋼の森」(宮下奈都著)など、もともと音楽がテーマ・背景になっている作品に惹かれてしまいますが、この「蜜蜂と遠雷」も文章が平明、テンポもよくてとても素敵です。
 芳ケ江国際ピアノコンクールに出場する風間仁、栄伝亜夜、高島明石、マサル・カルロス・レヴィ・アナトールの4人を中心に1、2、3次予選、そして本選と話は進んでゆく…。それぞれの持つ才能や音の世界、内面の葛藤などを詳細に描いていておもしろい。この作者は音を文章で表現する卓越したものを持っていると思いました。口では言えるかもしれませんが、実際には大変難しいことなのです。
といっても現在読んでいるのは507ページ中まだ「第一次予選」、150ページを超えたあたり。これからどういうことになるのかおおいに楽しみです。

今、NHK総合テレビで放映中のアニメ「ピアノの森」(一色まこと原作)も興味深く見ています。週刊漫画誌に連載中のときも毎週のよう読んでいたのですが、テレビ版は演奏が美しく流れるなど、やはり情感がこもっています。今、主人公の一ノ瀬海がポーランドのショパンコンクールに出場中。筋は分かっていながら1週間が待ち遠しく思っています。