ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【書評など】「ふるさと納税ハンドブック」/難波先生より

2015-12-14 16:04:57 | 難波紘二先生
【書評など】
1) エフロブ「買いたい新書」に、No.299書評「ふるさと納税ハンドブック」を取りあげました。今からでも年度内寄付が間に合います。
http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1449731433

 12月に入って「買いたい新書」の書評を5本書きました。400字詰め原稿用紙15枚分です。ノーベル文学賞がベラルーシの女性ジャーナリストに与えられたり、パリの同時多発テロが起こったり、野坂昭如が亡くなるという想定外の事件があり、急遽アトワーン「イスラーム国」とアレクシエービッチ「チェルノブイリの祈り」を入れたので、予定が狂いました。以下はこれから来年にかけて掲載されるもののリストです。
 12/14=299. RF「ふるさと納税ハンドブック」(日経MOOK , 2015/10, 271頁,\926)
 12/21=300. F幸田泉「小説・新聞販売局」(講談社 , 2015/9, 382頁,\1,500)
 12/28=301. RF「現代用語の基礎知識2016」(自由国民社, 2016/1, 1,444頁,\2900)
 1/4=302. RF「2016年の論点:文藝春秋オピニオン」(文藝春秋 , 2016/1, 304頁,\1400)
 1/11=303.F野坂昭如「エロ事師たち」(新潮文庫,1970/4,258頁,\529))
 週1のペースで書評300本を書いたということは、ほぼ6年かかったということです。でも「修復腎移植」問題は9年かかってもまだ終わらないので、喜んでもおられません。

 私の書評は「新聞書評」と異なり、評者の意見はほとんど書かない。自然科学の論文での「客観抄録」になるように努めている。(抄録には「著者抄録」、「客観抄録」、「主観抄録」の3種がある。)けなすような書評を書くくらいなら、初めから採りあげない。索引や参考文献の有無など、改善すべき点は容赦なく指摘する。書評のために6000冊の蔵書目録の内容メモを照合し、新規購入もするから、1本の書評のために読む本が数冊になる。
 だから「書評を読むと実際の本を読んだ気になる」という読者もいる。だがそれは早とちりで、私の書評では「ネタバレ」は避けてある。実物の本を手にとって読めば、もっと楽しめるような書評にしているつもりだ。ときどき、とりあげた本の著者から礼状がメールで来るが、新聞書評によくある「仲間ほめ」はやらないつもりでいる。「よい」と思うから推薦する。それだけのことだ。
 値段の高い本はRF(レファランス本)でないかぎり、できるだけ取りあげないようにしているが、時局ものなどではそうもいかないことがある。文庫、新書ですませられれば、安上がりなのだが、文庫化は単行本に遅れること2〜4年だし、「新書戦争」が続き新書の質は低下する一方なので、新書・文庫だけとはいかない。
 もともと文庫、新書は品切れ・絶版がないというのが、うたい文句だったのだが、いまやそういう掟はどこへやら、「仁義なき戦い」に陥っている。
 2014年の紙の雑誌・本の推定売り上げは1兆6,065億円で、前年比マイナス4.5%。電子本は同年売り上げ1411億円で39.4%の増加だそうだ(『現代用語の基礎知識2016』、永江朗「本と文芸」)。ネット書店の普及でリアル書店数は2万1000店舗(2001)から1万4000店舗(2014)に減少(減少率33.3%)したそうだ。福富町には書店が1軒もなく、隣町の豊栄町でも1軒だけあった、年寄りがやっている文房具屋兼の書店が2015年に閉店した。

 KINDLE本では索引語を自由に選べる。紙本の多くには索引機能がない。あっても「かな配列」と「漢字配列」の序列が本により編集者により異なる。「か」と「が」は同じでないことは、ローマ字表記すれば「Ka」と「Ga」になることでわかろう。
 もしすべての子音が濁音化するのであれば、なぜ「な」行、「ま」行と「や」行、「わ」行に濁音がないのか?なぜ半濁音は「は」行にしかないのか?
 かつて「学校」は「グァッコウ」と鼻濁音で発音した。正田美智子が皇太子と結婚する時には、鼻濁音がきれいでないと、発音の特訓を受けたものだ。
 索引は清音を先に起き、半濁音、濁音を後に置くのが音韻学上の鉄則だが、それを知らない編集者が多いようだ。いっそのこと、かな表記を前に起き、その後に漢字を配してほしいと思う。
2)献本など:
 「お歳暮」というか「お布施」というか、心のこもった各種の品々が日毎に配達されてくる。見慣れぬ「ヤマト運輸」のワゴン車運転手に問うと、「この時期はこれでないとダメなので、レンタカーです。それも広島では足りないので福山ナンバーです」という。いつもは「クール宅急便」のトラックを運転してくるのに…。
 個別にお礼状を差し上げるべきところ、時間が取れず遅れているので、とりあえずここでまとめてお礼申しあげます。
 「安愚楽鍋」(仮名垣魯文, 岩波文庫)に、明治初期、文明開化の「牛鍋屋」に集まる客の会話を記録したものがある。そこに「ぼたん」「もみじ」という隠語が出てくる。ぼたんはイノシシ、もみじは「鹿」肉のことである。「さくら」は馬肉をいう。明治4年の会話に、ぼたんやモミジが出てくるということは、江戸時代に「薬食い」と称して、獣肉食が行われていたことを示唆する。
 それはともかく、元県猟友会長のMさんから「ぼたん」が届いた、20年前に一度食ったきりで、珍品である。厚くお礼申しあげます。のし紙に「お歳暮もどき」と書いてあり、さすがペンクラブ元会長、ユーモアがある。
 カンガルーは有楽町の料理屋で一度食ったことがある。脂身が少なく鹿肉に似た味だった。ワニも象もまだ食ったことがない。ジンバブエ農林省の獣医さんから「ワニはチキンの味、象は鼻のステーキが一番うまい」とアフリカ上空の飛行機の中で聞いたことがあるのだが。
 向島に居を移したAさんから見事な富有柿「本郷柿」を沢山いただいた。感謝感激です。(写真1)

(写真1:巨大な本郷柿)
 カッティングマットのスケールは5センチだから、ほぼ直径が10センチある。隣のミカンは普通サイズ。
 こんな巨大な柿は見たことがない。とても一人で1個は食えないので、家内と半部にして食べた。美味しい。こんな果実の巨大化は、戦後のものだろう。柿好きの正岡子規がこれを食ったらどんな俳句を詠んだだろうか?と思った。
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 12-14-2015鹿鳴荘便り/難波... | トップ | 【ミトコンドリア病】難波先... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2015-12-15 10:26:13
柿くへば 鐘がなるなり 弘福寺

柿くへば ネオン輝く スカイツリー

あんまり面白くないな。
返信する
Unknown (Unknown)
2015-12-15 16:36:47
柿食えば、さらに良くなる 奈良の町 (アベベ首相)
返信する
Unknown (Mr.S)
2015-12-15 18:18:33
柿食えば 渋柿だった ぺぺぺっぺ
返信する
古典落語 (アノニマス)
2015-12-16 22:41:06
東京の古典落語の「二番煎じ」は、暮れの夜回りのために番屋に集まった旦那衆が、内緒で猪鍋で一杯やる噺です。上方では、「池田の猪買い」という、まさに薬食いと称して猪を買いに行く噺があります。どちらの噺も舞台は江戸時代ですから、かなり薬食いは行われていたと思われます。
返信する

コメントを投稿

難波紘二先生」カテゴリの最新記事