日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

塩湯

2020-05-16 21:59:01 | 温泉
予報通りに朝から雨が降り出して、日がな一日本降りでした。次第に弱まってはきたものの、七時までしか外で呑めない現状では既に遅しです。先週に続き、店屋物をとるという同居人に便乗したため、肴を持ち帰っての晩酌も一休みとなります。ただし、一晩中閉じこもるわけではありません。

足止めにより否応なく単調な日常が続く中、「新しい生活様式」として定着したものの一つに銭湯があります。北陸、京都の文化に触発され、旅先で銭湯に寄る機会が増えたことはこのblogにも綴ってきた通りです。外食は不要不急と切り捨てられ、飲食店が瀕死の危機に追い込まれる中でも、公衆衛生の役割を持つ銭湯はお咎めなしとされました。ならば身近な銭湯へ行ってみようと思い立ったのがそもそもの始まりです。
最寄りの銭湯となるのが四谷の塩湯です。荒木町へ行き来する途中の立地がお誂え向けで、足止めされてからというもの週に二、三回は世話になってきました。表通りに並行する路地をつなぐ細い生活道路沿いにあり、玄関の脇には屋号の由来と歴史を綴った案内文がさりげなく掲げられます。その文面から分かるのは、今年で創業104年の老舗だということです。番台を守る店主と女将は何代目にあたるのでしょうか。ご両人ともかなりの高齢と見受けられ、なおかつ他の御方を見かけたことは一度もないため、後継者はいるのかが老婆心ながら気になるところではあります。
一日の営業時間だけでも八時間です。掃除をして湯を沸かし、併設のコインランドリーまで管理する手間を考えると、少なくとも裏方はいるのかもしれません。飲食店の例からすると、この非常時を乗り切るために従業員を裏方に回し、店主と女将が自ら前線に立っているということでしょうか。真相のほどはともかく、ご両人の奮闘ぶりには敬意を表したいものです。

10枚あった回数券を前回で使い切り、新たに10枚買ったため、銭湯通いは当分続くことになります。都内には今なお五百軒以上の銭湯があると聞きました。つまり、百軒そこそこの京都よりもはるかに多いということです。自転車で行ける範囲に限っても、十軒前後の選択肢があります。既にいくつか訪ねたため、それらもいずれ紹介していくつもりです。

★塩湯
東京都新宿区四谷三栄町1-3
03-3351-9179
1500PM-2300PM
月曜定休
入浴料470円
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