本日の晩酌 - 神酒亭

昨日に続いて瓢箪から駒の結末となりました。晩酌の友に選んだのは「神酒亭」の惣菜です。
飲食店の生殺しを含む強硬策が現実味を帯びたとき、矢も楯もたまらず近所の様子を確かめに行ったことについては昨晩も述べました。たしかそのときだったか、車力門通りと柳新道をつなぐ石畳の小路にあるこの店が目に留まりました。しかし多くの店と同様、既に明かりは消えていました。そのまま一月以上が経ち、存在自体が記憶の彼方に去りつつあった中、突如動きがあったのは今日のことです。昼時に通りがかったところ、長らく閉ざされていた玄関が開け放たれていました。よく見れば、店先には「はじめまして」の挨拶に始まる直筆の案内が。折も折、今日から惣菜の持ち帰りを始めるというのがおおよその内容です。しかも二時からということは、開店してから30分も経ちません。そのことに合縁奇縁を感じて、咄嗟に飛び込むという顛末です。

居酒屋と一括りにするのがためらわれる、小洒落た構えの店というのが第一印象でした。その見立てはおおむね的中し、白木と白壁で仕上げられた瀟洒な店内で、お姉さん方が惣菜を仕上げているところでした。その様子から窺われたのは、身体に優しく、見た目にも美しい小料理、家庭料理を宗とする店なのだろうということです。「月肴」「藤々」の両店とも一味違う路線は重宝するかもしれません。
初日の慌ただしさを察し、深くは聞かなかったものの、本来の営業時間を入れた名刺が既にあるということは、まさに開店間近のところで一連の騒動に巻き込まれてしまったのでしょう。他人事ながらとんだ災難ですが、いわば見切り発車といえども、大安吉日の開店に漕ぎ着けた奮闘ぶりには敬意を表したいものです。記念すべき瞬間に立ち会った者の一人として、ささやかな支援を続けられれば幸いに思います。

★神酒亭
東京都新宿区荒木町7
03-6380-6311
平日 1730PM-2230PM
土曜 予約営業
日祝日定休

新じゃが煮
野菜の揚げ浸し
いかと野菜のマリネ
穴子の蒲焼
新茶飯