関東一円はしご酒 2018初秋 - 銀次

今年に入ってから横須賀を三度訪ねたことになります。一度しか行けなかった年もあることを思えば上出来です。しかし、直近二回は画竜点睛を欠く部分もありました。天候にたたられ港へ行くことができなかったからです。久々に岸壁へ足を運び、日が暮れるのを見届けてから「銀次」の暖簾をくぐりました。
そこまではよかったのですが、満を持して訪ねたつもりが空回りしてしまいました。原因は大きく分けて三つあります。空調が温すぎたのが一つ。目当ての品が相当数切れていたのが一つ。そして何より深刻なのが、依然として酒を受け付けないことです。一軒目を出てから四時間近く経ったにもかかわらず、腹具合は思ったほどに回復せず、特に酒はもういいという気分になりつつありました。一合で切り上げるのも惜しまれて、もう一本いただくことにしたものの、息切れしつつどうにか飲み干すという結果です。結局今日は最後まで波に乗りきれませんでした。

そのようなわけで、不完全燃焼といわざるを得ない結果でしたが、港で眺めた夕景は最高でした。依然として気温こそ高いものの、たなびく薄雲と影の長さはまさしく秋のそれであり、蝉時雨から秋の虫の声へと移り変わる様子も風流でした。極めつけは、残照が色褪せるのを見届けて切り上げようとしたとき、東の空のほどよい高さに満月が浮かんでいたことです。猛暑猛暑と騒がれる中、秋到来をしかと感じる一幕でした。今日引きこもっていた人々は、確実に損をしたと言い切りましょう。

★銀次
横須賀市若松町1-12
046-825-9111
1600PM-2300PM
土日祝日定休(第四土曜営業・翌週月曜休業)

酒二合
お通し(糠漬け)
冷奴
にこみ
エボ鯛ひらき

関東一円はしご酒 2018初秋 - 中央酒場

横須賀に着きました。脇目も振らずに向かったのは、毎度おなじみ「中央酒場」です。
前回待ち客が出ているというまさかの事態を経験し、再び同じ目に遭わないかが若干懸念されました。それだけに、目の前で立て続けに二人入っていくのを目撃し、またかと一瞬身構えました。しかも、一呼吸置いてから乗り込もうとしたところ、さらに一人が入りました。代わりに一人出てきたため、結果としては二人増え、自分が入れば三人目ということになります。三つ目の席が残っていればと念じつつ暖簾をくぐると、幸いにも中ほどの好位置に空席があり、無事着席という結果です。大盛況に見えながら、何だかんだで入れるという経験則が当てはまったことになります。前回の出来事が突発的な現象であってくれそうなのは幸いです。
ホワイトボードには、夏の名残の新生姜と並んで秋刀魚の文字が。よくよく考えると、この店で焼魚が品書きに上るのは珍しいような気がします。焼き上げるのに時間が要り、値の張るものも多いため、大衆酒場に焼魚はなじまないのかもしれません。そのような中、秋の風物詩をいち早く味わってもらおうという計らいは心憎いものがあります。しみじみ感謝しつついただきました。

★中央酒場
横須賀市若松町2-7
0468-25-9513
1000AM-2230PM
日祝日定休

一番搾りプレミアム
ホッピー
菊正宗
平目さしみ
牛すじにこみ
さんま塩焼き
しおから

関東一円はしご酒 2018初秋 - 懸念材料

本来当然のことではありますが、後続列車は2100形でした。気を取り直して出発します。
天候不順で遠出を見送ったにもかかわらず、こちらは朝から快晴になりました。気温の割に湿度は低く、空の青さも、流れる雲も秋の趣です。最新の天気予報を確かめると、関東以西の太平洋側は好天なのに対し、北海道、東北と日本海側の天候がよろしくありません。つまり、場所を選べば遠出もできたということになります。しかし、自家用車を使わず一泊二日で行くことができ、なおかつ今行くべき理由があるということになると、北陸しか思いつかなかったのが実情です。北陸がこうであってくれればという仮想はさておき、思いがけない好天には素直に感謝したいものです。

それはよいのですが、発車の直後、京急久里浜で打ち切るとの案内がありました。事故の影響かと思いきや、そのような形跡はないものの、今日に限って運用が乱れているのは事実のようです。さらなる騙し討ちに備え、多少の余裕を持って出た方がよいかもしれません。
もう一つの懸念材料は、朝から調子がよくないことです。目覚めた瞬間、仙台の終盤で経験したような膨満感がありました。横須賀へ行く前提で、前夜休肝したにもかかわらずです。昨夜から水しか口にしていませんが、いまだに空腹感はなく、その気になればこのまま夕方まで持ちこたえそうな気がしてきます。「中央酒場」と「銀次」にはもちろん行くとしても、それ以上に深入りするのはやめておいた方がよさそうです。

関東一円はしご酒 2018初秋 - 騙し討ち

いきなり足をすくわれました。例によって泉岳寺から快特に乗ろうとしたところ、本来運用につくはずの2100形に代わって、安普請の規格型車両が入っていたのです。せめて600形が入ってくれれば、車端のクロスシートにも座れる状況だっただけに、そのまま乗って行くにもやぶさかでないところでした。しかし、この車両に横須賀まで延々乗せられてはたまりません。いささかの迷いもなく見送った結果、風通しのよくないホームで20分も待たされる羽目に。安物がますます増えていくにつれ、このような騙し討ちに遭う場面も多くなってくるのでしょうか。そうなれば横須賀へ行く機会は激減しそうです。