日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2017 - 籠太

2017-04-22 21:48:45 | 居酒屋
若松に連泊したときの最大の利点といえば、鶴ヶ城の夜桜を二夜にわたって観られること、ではなく、一晩は「籠太」、もう一晩は「麦とろ」で呑めることです。両店をはしごするのが定着してからというもの、「籠太」では「麦とろ」で呑むための余力を残しておかなければならず、「麦とろ」では「籠太」であらかた腹が満ちた状態での飲み食いにならざると得ないことから、もったいないという感覚は常々ありました。それを唯一解決してくれるのが、花見で連泊する機会だったわけなのですが、一昨年はそもそも会津に泊まる機会を作れず、去年も一泊限りだったため、今回は実に三年ぶりの連泊となります。今日は「籠太」と狙いを定め、露店の軽食から呑まず食わずで万全の腹具合を保ち、満を持して乗り込みました。
このような事情もあり、今回はとにかく手堅く行くことを主眼としました。直近二回は端折らざるを得なかった三種の神器、すなわち焼鳥、豆腐と塩辛をいただき、腹具合応じて一品か二品追加し、カレーで締めくくるという組み立てです。少し遅い時間の入店故、カレーまでたどり着けるかどうかが若干の懸念材料ではありましたが、一通りの飲み食いをして、残るはカレーかという流れになったのが、最後の注文を聞かれる閉店30分前でした。それをいただき支払いを済ませて、店を出たのが看板の3分前。我ながら完璧な配分となりました。

籠太
会津若松市栄町8-49
0242-32-5380
1700PM-2300PM
日曜定休

雪あかり・冩楽・淡緑
お通し
会津地鶏ネギマ
つくね
塩とうふ
いかの塩辛
地鶏のだし巻玉子焼
籠太カレー
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東北縦断花見の旅 2017 - 百花繚乱

2017-04-22 21:33:28 | 東北
郡山東から猪苗代まで磐越道を飛ばし、そこから県道を経由して会津若松市街に入りました。鶴ヶ城の夜桜を眺め、先ほど消灯時刻を迎えたところです。日中でも13度だった気温は現在6度、しかし機材を担いで歩くうちに軽く汗ばんできたため、雨合羽は脱いで鞄にしまいました。日中吹いた強風が止んだため、数字ほどには寒くありません。
宿で一風呂浴びてから出てきたため、実質的な持ち時間は小一時間でした。一周できるかどうかという見立てはおおむね的中し、最後に残った本丸に迫ったところで投光器の明かりが落ちました。磐梯河東まで高速道に乗り、車で直接乗り付ければ、合わせて30分近くは延びたと予想され、そうすればおそらく一周できたでしょう。しかるに急がなかったのは、明日も再訪できるという条件があってのことで、三日の日程がここでも生かされてきます。
今回特筆すべきは、ほとんど全ての桜が満開だったということです。例年早く咲いて散る呑み屋街から城址への通り沿いでも、花は全く散っていませんでした。花の芯がまだ赤くなっていないことからしても、散り始めるまでには少し猶予がありそうです。遅咲きの二の丸では開きかけの花が散見されたものの、こちらも五分咲きは過ぎており、少なくとも暗い中では十分見頃でした。高遠からやってきたコヒガンザクラも咲いており、八重桜以外は全ての桜が満開という百花繚乱の様相を呈しています。
鶴ヶ城を花盛りに訪ねたことは何度もあります。しかしその多くは花吹雪の時期で、早咲きの木は大分散っているのが常でした。正真正銘の満開に重なったのは、長年通った中でも初めてのような気がします。明るくなったときの眺めも楽しみです。
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東北縦断花見の旅 2017 - 明後日の使い道

2017-04-22 18:53:20 | 東北
西の空にはまだ十分な残照があり、影絵になった桜を暗くなるまで眺めているにもやぶさかではなくなってきます。しかし、鶴ヶ城の夜桜の終了時刻を考えると、そろそろ移動を始めた方が無難です。昼の部はこれにて打ち止めとします。
それにしても、今回も再訪だけで一日を使い切ってしまいました。粛々と進んだつもりにもかかわらずです。要はそれだけ見所が多いということであり、一日では足りないという事実を改めて実証する結果となりました。
こうなると、明後日の使い道がますます悩ましくなってきます。今回三日の日程としたのは、近年おざなりに終わっている山形での花見に一日かけるという前提があってのことで、古木巡りに注ぎ込んでしまっては元も子もない話ではあるのです。しかし、山形に行っても今日と同様既出のところを再訪するだけであり、しかも一日では到底回り切れないのが分かっています。加えて、満開の時期こそ逃すものの、連休前半ならどうにか花見ができそうな情勢になってきたため、今回行くべき必然性は薄れたともいえます。そもそも、北東北まで行くならともかく、ひとまず三日で帰る状況ならば、最終日はさらに北上するより少し戻る方向へ行った方が有利です。そうすれば、週末には近寄る気さえ起きない滝桜を訪ねる余地も出てくるでしょう。
このように、今回しかできない方はどちらかと考えれば、もう一日古木巡りをするのも悪くないという方向に傾いてきました。どちらをとるかはその日の朝の天候と気分次第になりそうです。
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東北縦断花見の旅 2017 - 五斗蒔田桜

2017-04-22 18:33:09 | 東北
その後は脇目も振らずに車を走らせ、紅枝垂地蔵桜と五斗蒔田桜を訪ねました。途中にいくつかあった名木は後ろ髪引かれながらも飛ばしました。そこまでして先を急いだのは、去年の教訓があったからに他なりません。というのは、小沢の桜から妙典桜まで、去年とほぼ同じ時刻に訪ねているということに気付いたのです。そして去年は、紅枝垂地蔵桜と五斗蒔田桜がいずれも日陰になってしまいました。中でも五斗蒔田桜は、西日を浴びた姿が最も絵になる桜です。その姿を見届けるには、何をおいても現地に急行するしかないと考え、一目散に走ってきたというのが真相です。
その奮闘が功を奏し、どちらの桜も間一髪で駆け込むことができました。特に五斗蒔田桜は最高でした。着いたときには根元が日陰になり始めたまさにその瞬間で、鞍形をした斜面の反対側から、西日を浴びた姿をまず記録。次いで夕日に淡く染まった花びらを切り取ったり、影絵になった姿を記録していくうちに、影が次第に根元から上の方へ延びていくという展開です。しかしすぐには暗くならず、着いてから40分は日が射していたような気がします。富士山が裾野から山頂にかけて徐々に暗くなっていくのを見るような、一瞬たりとも目が離せない劇的な夕景でした。滝桜を筆頭に名木が数多ある界隈の中でも、夕暮れ時の眺めにかけてはここしかないと、改めて実感した次第です。
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東北縦断花見の旅 2017 - 妙典桜

2017-04-22 16:43:23 | 東北
少し走って妙典桜を訪ねます。ここを境に開花状況が変わるという経験則は今回も妥当し、お堂の脇に立つ枝垂桜は満開を迎えていました。明後日再訪するならば、ここより西を主戦場にするのがよさそうです。
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東北縦断花見の旅 2017 - 是哉寺の地蔵桜

2017-04-22 16:21:23 | 東北
続いて訪ねるのは是哉寺の地蔵桜です。毎回快晴かつ順光になる小沢の桜と違い、こちらは小高い山の東の斜面に面しているため、この時間に訪ねるといつも日陰になってしまいます。しかし、今回は上の方に少しだけ西日が当たる状況で訪ねることができました。その部分を切り取るように構えると、背景になる青空に白い雲が浮かんでおり、思った以上の絵になっています。
ところで、名木の数があまりに多すぎて、一日では到底回り切れないことについては既に述べました。奇数の年は既出を主体に、偶数の年は新規を主体に回るなどの形で、少しでも多くの木を訪ねるという構想についても、去年の花見で語ったところです。しかるに今回、またも既出のところばかりを回っています。これは、明後日再訪する前提で、今日は勝手が分かったところを片っ端から訪ねていき、残った分を最終日に回そうと考えているためです。そのときは当然違う経路で回ることになるため、ここをいつもと違う時間帯に再訪できるかもしれません。午前中、あるいは昼下がりの佇まいも一度は眺めてみたいものです。
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東北縦断花見の旅 2017 - 小沢の桜

2017-04-22 15:57:42 | 東北
例年通りの経路に戻り、小沢の桜にやってきました。周辺に数多ある名木の中でも、こことの相性はとりわけよく、満開、快晴、順光という条件で何度も眺めています。そして今回も、一時曇っていた空が、こちらへ近付くにつれて晴れてきました。一本桜には珍しいソメイヨシノということもあり、見頃にはやや早かったものの、今年もよい条件で鑑賞できたのは幸いです。
ここの絵柄は見事なまでの紋切り型だと常々申してきました。斜面からせり出すような一本桜と、その傍の地蔵堂が青空に抜けるのを、三角形をした彼方の山の稜線とともに切り取るのがここでの定跡で、そのためには少し離れた畦道に立つ必要があります。今回も全ての見物客がそのようにして桜を撮るなり眺めるなりしており、地蔵堂の方まで歩いていく見物客は皆無です。かく言う自分も、毎年訪ねておきながら、地蔵堂まで歩いたことがありません。すぐそばから眺めるとどうなるのか、もちろん興味がないわけではないものの、ここへ来る頃になると決まって日が傾きだし、とにかく先を急ぎたくなるのが実情です。今回も次第に時間が押してきました。
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東北縦断花見の旅 2017 - 菅谷駅

2017-04-22 15:02:38 | 東北
国道をそのまま走れば「小沢の桜」ですが、ここで一旦並行する県道に回ります。立ち寄るのは菅谷駅です。
花見のついでに磐越東線の木造駅舎を定点観測するのが恒例化して久しい中、回り道を要するために素通りを続けていた菅谷駅ですが、昨年久々の再訪を果たし、美しく保たれた駅舎と待合室に感銘を受けました。今回も時間が押すのを承知で立ち寄らずにはいられなかった次第です。
川前駅の建て替えという残念な出来事があっただけに、この駅も決して安泰とはいえないかもしれません。しかしこちらの不安をよそに、駅舎は何一つ変わることなく健在でした。赤井、小川郷、小野新町の各駅と比べても、一段と整理整頓されているのがこの駅の特徴で、待合室は塵一つなく掃き清められ、かつての荷物窓口には時刻表とパンフレットがきれいに並べられています。駅前とホーム側の植栽もきれいに剪定されており、大切に手入れされているのがありありと窺われるのは喜ばしいことです。
加えて秀逸なのが、待合室の所々にさりげなく置かれた装飾品です。出札口の脇には水仙を生けた花瓶があって、その上には小さな鯉のぼりが掲げられ、さらには「ご入学ご就職おめでとうございます 菅谷駅」の短冊も。季節を変えて訪ねたとき、この装飾がどう変わるのかも見てみたいという気分にさせられます。
西へ移動するにつれて開花が進んできたのか、駅舎の前に立つソメイヨシノが見頃に近付いてきています。ロータリーには今秋の開業百年、一年後の開駅70周年を知らせる看板が。記念の年に再訪できたのは幸いです。
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東北縦断花見の旅 2017 - 校庭の桜

2017-04-22 14:41:13 | 東北
永泉寺から国道をさらに走ると現れるのが、「校庭の桜」と自ら勝手に名付けたソメイヨシノです。その名の通り、かつてここには木造校舎の小学校がありました。それが校舎もろとも跡形もなく姿を消したのが四年前のことです。一昨年は工事現場になっていて、跡地に何かができるのかと思いきや、去年訪ねたときには再び更地に戻っていました。しかし今回再訪すると、再び工事現場のプレハブが。見れば磐越道のICの新設工事とあります。磐越道は国道を挟んだ反対側にあり、ICが接続されるのもそちら側になると予想されます。しかし、雑木林を切り開き、斜面を崩してICが造られれば、かつての雰囲気はますます失われてしまいそうです。不幸にしてそうなったとしても、この桜だけは残してほしいと願っています。
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東北縦断花見の旅 2017 - 永泉寺の桜

2017-04-22 14:02:40 | 東北
続いて訪ねるのは永泉寺の桜です。先日伊那で鉢合わせた活動仲間が、昨日ここへ来ていたと知りました。あの後新潟経由で会津に入り、喜多方のキャンプ場を拠点に、昨日一日かけて周辺の名木を訪ねたそうです。今日は峠を越えて米沢へ向かったため、一日差での入れ違いだったことになります。
当人の記録によると、まだ三分咲きで見頃には早いとあります。実際近くで見ると、まだ開きかけの蕾も多く、全体としては五分咲きといったところでしょうか。しかし遠くからは満開のようにも見えます。これは、日の当たる上の方で特に開花が進んでいるのに加え、花の数が周辺の名木にもまして圧倒的だからでしょう。毎年訪ねている桜の中でいえば、ここが紅枝垂地蔵桜と並ぶ双璧かもしれません。
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東北縦断花見の旅 2017 - 吉野辺の種蒔桜

2017-04-22 13:28:43 | 東北
まだ蕾同然の東雲桜を確かめた後、さらに車を走らせ吉野辺の種蒔桜にやってきました。ここまで来る間もそうだったのですが、ソメイヨシノはともかくエドヒガンは見頃になってきたようです。今がこれなら連休前にはおそらく散ってしまうでしょう。信州を見送ってまで来た甲斐は多少なりともあったことになります。
ここで毎回頭を悩ませるのが、どのような角度で撮るかということです。角地にあって二方向に電線が走っているため、これをいかに目立たせないかが鍵なのですが、そのような絵柄に限って主役の立ち姿が様にならず、逆にこれはという角度になると、決まって電線が邪魔になってしまいます。今回は試行錯誤を重ねた末に、塚の上の地蔵堂を右下に置き、その上に桜が覆い被さるような絵柄を切り取りました。
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東北縦断花見の旅 2017 - 名もなき桜

2017-04-22 12:48:46 | 東北
粛々と進んだつもりが時間を消費してしまう理由として、はっきりしていることが一つあります。名木もさることながら、沿道に現れる名もなき桜もよいのです。夏井の千本桜が途切れた後も、川沿いに時折見事な桜並木が現れたり、道端に立派な一本桜が立っていたりします。今も杉木立を背にしたエドヒガンの一本桜を見つけたため、車を止めてしばし眺めていたところです。
このようなものまでいちいち眺めていくと、いくら時間があっても足りません。少なくとも一日では到底足りないとかねてから思っていました。最終日は会津から峠を越えて米沢、赤湯へ向かい、状況次第で車を置いて帰るつもりでしたが、今回はもう一日古木巡りに注ぎ込んで、自走で帰路につくのも一案のような気がしてきました。
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東北縦断花見の旅 2017 - 小野新町駅

2017-04-22 12:22:49 | 東北
続いては小野新町駅を定点観測します。背の高い切妻屋根と、正方形の看板に一文字ずつ書かれた駅名、その下に少し奥まる雁木のような玄関回りがここの駅舎の特徴です。
それにしても、七時台から粛々と動いたつもりが、早くも午前中を使い切ってしまいました。先へ行けば行くほど慌ただしくなりそうです…
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東北縦断花見の旅 2017 - 水仙

2017-04-22 10:49:43 | 東北
とにかく長いのが夏井の特徴だと申しましたが、それはいうまでもなく想像できることです。これに対し、実際訪ねたからこそ気付いた特徴が一つあります。堤の斜面に植えられた水仙です。川沿いの桜並木というと、ともすれば単調になりがちな中、白と黄色の水仙が絶妙な点景となってくれます。その水仙に囲まれたベンチを拝借し、露店のお好み焼きをいただいて、真打ちの古木巡りに臨みます。
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東北縦断花見の旅 2017 - 青空

2017-04-22 10:19:52 | 東北
夏井千本桜の特徴を挙げるとすれば、当たり前ではありますが「とにかく長い」の一言に尽きます。鯉のぼりが泳ぐ中央の赤い橋を中心にして、上流側と下流側にそれぞれ2km前後はあろうかという桜並木が続くため、それぞれの岸に沿って堤の上と下を両方歩くということになると、朝一番で乗り込んでも午前いっぱい消費する見当になります。一ヶ所にそれだけかけるのは当然ながら現実的ではないため、毎年適度なところで折り合いをつけているのが現状であり、どこで見切りをつけるかが、その先にある古木巡りの時間配分にも影響を及ぼしてきます。その点今回は見頃にまだ早く、雲が多くて日も陰りがちという事情があり、幸か不幸か深入りする動機が働きません。鯉のぼりを起点に上流側の半分ほどを一往復して切り上げました。しかし、薄雲が次第に晴れて青空が広がり、白い雲が浮かんだ空に抜ける桜を、堤の下から切り取ることができたのは収穫です。今回ならではの画を少ないながらも持ち帰れるのを幸いに思います。

ちなみに現在の気温は11度、上流から冷たい風が吹いており、半袖シャツ一枚では指先が冷えてきます。時節柄、日差しが出れば汗ばむかと思いきや、これなら雨合羽を羽織ってきた方がよかったかもしれません。この肌寒さがしばらく続けば、弘前の桜も少しは長持ちしそうです。
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