日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

あと100日

2014-12-03 23:16:00 | 旅日記
富山県と石川県による北陸新幹線の特設サイトで、開業までのカウントダウン時計が101日となりました。あと少しで日付が変わればいよいよ100日です。

今秋以降、北陸北陸と何回騒ぎ立てたでしょうか。8月末のキャンプに始まり、10月には3週続けて、先月も二度にわたって北陸信越を旅しました。それ以前にも、今年は早春花見の時期に足を運んでいます。
廃止になる、あるいは引退するからという理由で殊更に騒ぎ立てることは、本来ならば天の邪鬼の習性には合いません。それにもかかわらず、今回に限りこれほど足繁く通うのは、近年開業した他の路線に比べ、北陸新幹線の開業前後の落差が非常に大きいという理由によります。

近年開業した新幹線といえば、四年前の東北新幹線と、翌年の九州新幹線です。たとえば東北新幹線の場合、八戸から新青森へと路線が延長された時点で、在来線の普通列車は何の面白味もない701系に根こそぎ置き換えられており、新幹線の開業後も同じ車両がそのまま走るだけでした。「スーパー白鳥」にしても、走る区間が100kmほど短くなるだけで、車両自体は変わりませんでした。九州新幹線の全通時も、それまで走っていた普通列車はそのまま残り、「つばめ」に充当されていた787系は他線区へと散っていきました。このように、どちらについても普通列車については事実上変わらず、優等列車についてもさほどの変化がなかったわけです。
ところが、北陸新幹線が開業すると、信越本線、北陸本線に残っていた国鉄型車両は一掃され、味気のない現代的な車両に置き換えられることが決まっています。中でも最悪なのが信越本線の新潟県側で、20年も使われていた安普請のロングシート車を、大した改修もせず走らせるという方針が発表されました。これほどひどくはないにしても、国鉄特急型が充当されていた「妙高」「くびき野」「北越」は全廃され、後継となる新潟地区の特急には、常磐線を走っていた同じく20年落ちの中古車が、従来より二両減車された四両編成で投入されることになっています。追い打ちをかけるように、新潟地区では115系に取って代わる安普請の新車が、今週末からいよいよ投入される予定です。単なる移動手段として仕方なしに乗るならともかく、これでは汽車旅に出ようという意欲も起こりません。
しかも、これにより国鉄型が一掃されれば、485系と急行型電車は事実上の終焉を迎え、同世代の車両が残るのも西日本のごく一部だけとなります。一泊二日で行き来できる範囲のJR路線からは、わざわざ乗ったり撮ったりするに値する旅客車両がほぼ消滅するのです。このように、北陸新幹線の開業は、鉄道愛好家にとって死活問題といっても過言ではありません。自分が散々騒ぎ立てる理由はそこにあります。

月曜の雨を境に空気が変わったか、昨日も今日も関東地方は透明な冬晴れでした。これは日本海側が荒れているということでもあり、列車のダイヤは相当乱れたようです。師走の声を聞くや否や、気候はにわかに冬らしくなってきました。風雪に吹かれて足止めされるという場面も、北信越では今季が事実上の最後となるでしょう。それを含めて、今週末の汽車旅を楽しみにしています。
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