日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い北陸へ Returns二日目

2014-03-02 22:11:25 | 甲信越
汽車好きにとってもこればかりは半ば苦痛のようなものです。忌まわしきMaxで帰路につきますorz
前回グリーン車を奢ったつもりが、記憶をはるかに超えるお粗末さに辟易させられたため、本日はすっぱり割り切って自由席です。この車両には510円の指定料金を支払う価値もありません。
途中駅からの乗車となるため、一月に新潟から乗車したときと違って、車端部の平屋席や五列座席の4号車を狙うのは現実的でなく、今回は悪名高き六列座席で妥協しました。往路と違い、スキー客で混み合う可能性は低いため、中央の席まで埋まることはないでしょう。それなら去年乗ったときよりはるかにましです。
それにしても、東北新幹線にE5系が続々投入され、山形・秋田新幹線は第二世代の車両に代わり、北陸新幹線も下ろしたての新車で開業しようとする中、上越新幹線はいつまでこのお粗末な車両を使い続けるのでしょうか。他線区との格差は広がるばかりです。

★長岡2157/Maxとき352(352C)/2340東京
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春まだ浅い北陸へ Returns二日目

2014-03-02 20:07:15 | 北陸
二日間の小旅行にも仕舞いの時が近付いてきました。「北越」で長岡へ向かいます。福井の影に隠れはしたものの、この列車に乗るのも旅の主たる目的の一つでした。往路と同じ3000番台というのが少しだけ惜しまれるものの、MT54型電動機の唸る音に耳を傾けつつ、二時間余りの移動を楽しみたいと思います。
ちなみに、前方の荷物棚には551蓬莱の包みが。元を正せば、この列車はかつて大阪から直通していた「雷鳥」のスジを引き継いだ列車です。前席の御仁は、はるばる大阪から日本海縦貫線をひた走り金沢で乗り継いだのでしょうか。想像をかきたてられる光景です。

★富山1931/北越9(1059M)/2142長岡
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春まだ浅い北陸へ Returns二日目

2014-03-02 17:52:18 | 居酒屋
頼みの綱の「真酒亭」に首尾よく入店。あとは時間の許す限り盃を傾けます。
この店を訪ねたのは六年前の一度きりです。当時は旅先で呑むという習慣も確立しておらず、教祖の「居酒屋味酒覧」だけを頼りに訪ねたのでした。その時の印象として残っているのは、見るからに頑固そうな店主が営む小さな店だったこと、富山に限らず全国各地の地酒が揃っていたこと、肴の品数は少なめで、どちらかといえば二軒目以降に軽く一杯引っかけるのに向きそうだったことなどです。その後全国津々浦々を呑み歩き、ある程度酒場を見る目が肥えた今になって再訪すると、当時の印象はある程度まで正しかったと再認識します。それとともに、当時は気付かなかったこの店の美点難点も見えてきました。

まずいただけないのは、店内の片隅にダンボールや新聞雑誌などが無造作に積み上げられていることで、この点は完璧に整理整頓された「親爺」「あら川」のカウンターに一歩も二歩も譲ります。しかし肴については、地味なものが多いという印象だった前回に対し、品数は少ないながらも酒の進むものが多く、なおかつ季節感と郷土色が表れ、的確に吟味されているというのが今回の印象です。黒板にその日のおすすめが数種、その他の品が手元の短冊に綴られた中から、まず注文した鱈の子付けは、600円という価格以上に気前よく盛られてきました。一人前がこれなら、一人客は同じ値段の刺盛りを選んだ方がより楽しめそうです。次いで頼んだかぶら寿しはこれまた北陸らしく、高岡から取り寄せるという油揚げは、昨日福井で食した本場の逸品にも引けを取りません。器と盛り付けは平凡ながら、どれも良心価格で盛りも十分という点では、実質本位と形容するのが合っています。

そして何より感じたのが、最良の状態で酒を呑ませるための周到な配慮です。禁煙なのもそのためでしょう。酒は五勺と一合が選べ、一合なら背の高い筒状の片口で、五勺なら背丈を半分にした片口で供されます。一杯目を供する際には、手元のぐい呑みに半分満たして呑むようにとの導きが。深めのぐい呑みを使い、あえて半分しか酒を満たさないのは、香りが最も立つようにとの配慮でしょう。
酒はずらりと貼り出された短冊から選んでも、店主に見繕ってもらってもよし。二杯を空け、時間的にもあと一杯となったところで、自分も富山の地酒をおまかせで見繕ってもらいます。すると今度は、あと何杯呑むかと聞かれました。他の客にも必ず聞いていることからして、序盤から終盤までの流れを考え、最善の順序で提供するためなのは明白です。
店内の設えはごく平凡、品書きもやや地味とはいえ、心地よく酒を呑みたい向きには、ある意味最高の店ではないでしょうか。富山に数多ある名酒場の影に隠れがちながら、いぶし銀の名脇役とでもいうべき味わいがこの店にはあります。この店がある限り、富山の酒場は日曜でも盤石といえそうです。

真酒亭
富山市桜町2-6-20 福沢ビル2階
076-441-0399
1700PM-2200PM(月曜他不定休)

琥珀ヱビス・成政・みゃあらくもん
三笑楽(おごり)
突き出し(蕪と大根の酢漬け)
鱈の子つけ
かぶらすし
焼き油揚げ
あら汁
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2014-03-02 17:43:41 | 北陸
富山に着きました。雪は消え去り、日差しは暖かく、居酒屋の品書きも様変わりして、早春というより春そのものという感さえあった今回の旅でしたが、日が傾いてからの薄ら寒さが、最も早春らしさを感じた瞬間かもしれません。

帰りの列車を手配したり、土産を買ったりするうちに時間を消費してしまいました。最終の新幹線に接続する「北越」が出るのは七時半、呑み屋街との間の移動時間を除けば、実質的な持ち時間は一時間強です。必然的に駆け足とならざるを得ませんが、富山で一杯やれるだけでも十分というものでしょう。
名酒場がひしめく富山でも、日曜の選択肢は自ずと限られ、心当たりがあるのは遠い昔に一度訪ねた「真酒亭」のみです。何かの間違いで頼みの綱に振られてしまうと事態は一気に暗転するため、前置きはこのあたりにして呑み屋街へ向かいます。
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2014-03-02 16:29:48 | 北陸
サンダーバードで富山へ向かいます。全国屈指の特急街道である北陸本線も、来年新幹線が開通すれば金沢で分断される運命です。福井、金沢、富山の三都市を特急列車で駆け抜ける機会は、もしかするとこれが最後になるかもしれません。

★福井1536/サンダーバード23(4023M)/1706富山
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2014-03-02 15:18:26 | 北陸
三国港へ行くと思わせておきながら、意表を突いて福井へ戻ります。あとは富山に移動し、一献傾けてから帰路につきます。
ここまで来たら全線乗り通したかったのは事実であり、時間を過不足なく使い切るという点でも理想的ではあったのです。しかも、終始福井に滞在しておきながら、最後の最後だけが富山では、取って付けた感が否めません。それにもかかわらずこのような選択に至ったのは、最後に一杯やれるという汽車旅の特権を活かすためでした。すぐさま福井に戻ると、五時という絶妙な頃合いで富山へ着く特急に乗り継げるのと、天候が予報ほどには上向かず、時折薄日が差す程度の平凡な曇り空だったという事情もあります。天候さえよければ、おそらく福井で完結させていたでしょう。それほど微妙な決断でした。
丸一日と少し滞在した福井でしたが、私鉄電車、カツ丼に呑み屋と活動のネタには事欠かず、年に一泊ではとても足りないというのが毎度ながらの実感です。この後富山に寄れば、前回の金沢と合わせて北陸三県に足を運んだことにはなるものの、年内にそれぞれ一度は再訪の機会を持ちたいものだと思います。近いうちにまたお会いしましょう…

★日華化学前1516/1438M/1529福井
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2014-03-02 14:57:36 | B級グルメ
日華化学前などという半端な駅で降りたのは、駅の近くにヨーロッパ軒があるからでした。本日立ち寄るのは大宮分店です。
店の佇まいと雰囲気は多くの分店に共通するものの、品数が若干絞られ、その代わりにおろし蕎麦とのセットがあったり、ソースをブラック、塩胡椒とチーズをホワイト、チリソースをレッドと称して変わりカツ丼を作るなど、独自メニューが多いのがここの特徴です。しかも、他店ではセットにしかつかない味噌汁が、単品のカツ丼にもついてくるというおまけつきです。とはいえ、独自路線を走っても、肝心のカツ丼にはてらいがありません。二日続けようとも飽きの来ない、完成されたおいしさです。

ヨーロッパ軒 大宮分店
福井市大宮3-14-11
平日 1000AM-1500PM/1700PM-2100PM
土日祝日 1000AM-2100PM
火曜 1000AM-1400PM
かつ丼850円
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2014-03-02 14:15:26 | 北陸
福井の二つ手前の福井口で降り、三国芦原線に乗り換えます。勝山方面から電車が着くと、隣の新福井で交換した三国港行が到着し、逆に三国港からこの駅に戻ると、やはり新福井で交換した勝山行が来るため、乗り換えに一切の無駄がありません。えちぜん鉄道のダイヤは実に理想的です。

★永平寺口1350/1320K/1409福井口1414/1409M/1421日華化学前
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2014-03-02 13:37:46 | 北陸
勝山方面へ二駅戻り、永平寺口で降りました。目当ては同じく登録有形文化財の木造駅舎です。
線内で勝山駅に次ぐ堂々たる駅舎を擁するのが、かつて永平寺への支線を分けたこの駅です。この駅の真骨頂といえば、なんといっても寄棟屋根の建屋の妻面に張り出した三角形のファサードでしょう。大きな三角形の内側に半円の小窓を設け、周囲に前身の京都電燈時代の社紋をあしらった意匠は、先週訪ねた松本電鉄の新村駅と同様、一目で印象に刻まれるほどの個性を持っています。しかも、瓦屋根は左にホームの上屋を兼ねて左側に大きく張り出し、正面からは左右非対称に見えます。右側に並んだ縦長の窓には、やはり社紋を使って装飾が施されるなど、かつての乗換駅にふさわしく、周到に造り込まれているのが一目瞭然です。
駅をいくつも回るなら、当然ながら車の方がはるかに効率的ではあります。それにもかかわらず今回このような行動に出たのは、ここの駅舎が新築されるという話を耳にしたからです。今の駅舎によく似た建物が、線路を挟んだ反対側に建てられており、この分だとそう遠からぬ時期に完成しそうです。よくよく見れば、えちぜん鉄道への移管に合わせて色直しされた駅舎も、それから十年経って色褪せが目立つようになり、ホーム側に張り出した屋根などは波打っています。手狭な今の駅舎を修復するなら、永平寺行のバスも出る反対側に駅舎を新築した方が得策という判断が下されたようです。線内はもちろんのこと、北陸でも屈指の名駅舎だけに、引退は残念というほかありません。
もっとも、文化財にまで指定されたからには、勝山駅のように保存を前提として改修されるのではないかという淡い期待もあります。もしその期待が現実になったとすれば、この駅舎を目当てに再び福井へ足を運びたいものです。

★松岡1315/1255K/1320永平寺口
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2014-03-02 13:03:36 | 北陸
松岡で一旦電車を降ります。目当ては国の登録有形文化財である木造駅舎です。
実は、先ほど訪ねた勝山駅を含め、沿線の駅舎が相当数文化財に指定されているらしく、この駅だけが特別というわけではありません。しかし、妻面に玄関を設けた半切妻の駅舎は、沿線の小駅の特徴と、この駅ならではの個性を併せ持っています。
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2014-03-02 12:22:52 | 北陸
勝山まで小一時間電車に揺られ、着いた電車で引き返します。
六年ぶりの再訪でしたが、今年築百年を迎える堂々たる木造駅舎は健在でした。しかも、昨日訪ねた家久駅と同様、建物のよさをそのまま生かす形で改装されており、寄棟屋根と庇の瓦が葺き替えられ、漆喰壁も下見張り板も一新されています。外観もさることながら、とりわけ秀逸なのが待合室です。天井の高い広々した待合室に、漆喰壁と焦茶色の腰板とフローリングが奢られ、中央にはこれまた焦茶の上品なテーブルと椅子が置かれて、球形のシェードを使った小洒落た照明が、実に心地のよい空間を創り出しています。その待合室は、北府駅のようにささやかながらも展示室を兼ねており、駅舎の脇には福井口の車庫から移設された電動貨車と無蓋車が、屋根付きで保存されているという凝りようです。慌ただしく撮影する間に、30分の滞在時間はあっという間に過ぎました。
この駅舎に限らず、列車にはアテンダントと称する女性車掌が乗務し、駅の係員ともども接客は明朗にして親切丁寧。毎時二本の運行を維持しているのも見上げたものです。一昔前には廃止も噂されたこの路線が、これほど見事に再生されたのはまことに喜ばしいものがあります。

★勝山1220/1220K/1255松岡
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2014-03-02 11:01:06 | 北陸
不要な荷物を預けて電車に乗ります。予報通りに空が晴れてきました。雲は多めながらも、上着要らずの暖かさは春そのものです。これなら明るいうちから酒など呑んでいる場合ではないため、福井で完結という選択肢も現実味を帯びてきます。そうなった場合、「北越」に接続する最後の列車が出るのは六時過ぎです。一通り乗車しても十分に余裕はあるため、まずは時間を気にせず動きます。

★福井1056/1055K/1148勝山
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2014-03-02 10:06:29 | 北陸
出発します。昨晩世話になったのは「ホテルフジタ福井」でした。閑散期ということもあって四千円台前半の宿が相当数ある中、別格ともいえるこの宿が同じ価格帯だったため即決した次第です。
県庁のある城跡とその脇の公園に接して聳え立つ様子は、当然ながらビジネスホテルとは全くの別物です。小洒落たソファが並ぶ広々したロビーも、飲食店、物販店、結婚式場を擁する館内も、同じく別格といった感があります。
もともと十分広いシングルルームが、200円の違いでさらに広くなるということで、迷うことなくこちらを選択。取り立てて豪華というほどではないにしても、窓回り、照明、ユニットバスといった、ビジネスホテルの多くが端折りがちなところを真っ当に造り込むのは、この手の宿に共通する特徴です。
朝食がこれまた秀逸でした。和洋一通りの惣菜に加えて温泉玉子に湯豆腐などの脇役も充実、さらには蟹雑炊とおろしそばで郷土色も演出されています。一度ではお盆に乗り切らず、二度三度に分けて取りに行くところは、釧路の「ホテルラッソ」と同様。すなわち、自身の知る限りでは最上級の朝食です。しかも、背丈より高い窓の外には小さな庭園が広がり、それを眺めつつ朝食をとれば、まことに優雅な気分になります。1100円の追加料金にやや躊躇はしたものの、出費に見合った価値は十分にありました。
これで宿泊料はそこらのビジネスホテルと変わらないのですから、空きさえあればここを選ばない手はありません。さすがと感服させられる充実ぶりでした。
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2014-03-02 08:25:47 | 北陸
おはようございます。予報に反し、窓の外には昨日と五十歩百歩の冴えない曇り空が広がっています。まあ、昨日になって予報が突然変わり、晴れると言われても半信半疑だっただけに、当たるも八卦当たらぬも八卦ではあります。最新の予報によれば、間もなく晴れ出すとのことではあるので、過剰な期待をせずに待ちたいと思います。
昨日は福鉄に乗ったため、本日はえちぜん鉄道の乗車を中心とします。一通りの乗車を済ませたら金沢か富山のどちらかに移動し、一献傾けてから「北越」と最終の新幹線を乗り継いで帰る予定です。もっとも、首尾よく晴れれば居酒屋どころではなくなるでしょう。福井で粘れるだけ粘り、最後はカツ丼かそばだけいただいて締めくくることになるかもしれません。
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