日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

鐘は上野か浅草か 2013

2013-12-07 18:14:29 | 居酒屋
関東らしい冬晴れを期待したところが、朝方の雲が多かったこともあって二度寝をしてしまい、日帰り活動はあえなく中止。その後は雲一つない青空へと変わっただけに、結果としてはもったいないことをしてしまいました。懸案だった携帯電話の機種変更など野暮用を済ませて、あとは活動仲間との忘年会となります。会場は去年と同じ浅草の「○吉八」です。

野郎ばかりの華も何もない集まりに、冬晴れの一日を犠牲にしてまで毎年足を運ぶのですから、我ながら物好きではあります。しかし、旅から旅の暮らしが常態化する前から続く、年に一度の恒例行事なのですから、こればかりは仕方がありません。しかも自分にとって、大人数で気兼ねなく呑める場はこの連中との集まりにほぼ限られます。無口で無愛想で社交性のない人間にとって、大半の宴会は苦痛以外の何物でもないのです。
自分にとって宴会を苦痛たらしめている原因の一つに、「飲み放題」という仕組みがあります。思うに飲み放題というのは、店と幹事が楽をするためにあるもので、他の参加者にとっては何の利点もありません。つまらぬ安酒ばかりを選ばされた上に、上戸も下戸も一律に同じ料金を徴収されるからです。心地よく酔えない上に無駄金を注ぎ込まなければならないのですから、酒呑みにしてみればこれほど馬鹿げた選択はありません。
その点、この面子が揃うとよい酒を的確に選べるのが助かります。まずはヱビスの樽生を各人注文し、その後は酒に切り替えても焼酎に切り替えてもよし。もちろん飲み放題に使われるつまらぬ酒などではなく、数多ある品揃えの中から店主と相談しつつ選んだ逸品です。しかも大人数の利点を活かし、酒・焼酎は一升瓶を空けるため、予算もお仕着せの飲み放題と何ら変わりません。こんな工夫もせずに、安酒の飲み放題に二千円も払っている人々は、確実に損をしていると断言します。

加えて連中との間には、似たもの同士による阿吽の呼吸があります。今秋北海道を旅したときに改めて思ったのは、職場の宴会では毎日顔を合わせる者同士でも気疲れするのに対し、似たような旅人同士であれば、全くの初対面でも気兼ねなくキャンプや雑魚寝ができるということです。ましてやそれが二十年来の付き合いということになればなおさらでしょう。「畏友」か「悪友」かと問われれば間違いなく後者です。互いに切磋琢磨し刺激し合うなどということはなく、むしろ足を引っ張り合っているといっても過言ではありません。しかし、そんな腐れ縁こそ、何の気兼ねもなく酒を酌み交わせる理由なのだと思います。

○吉八
東京都台東区雷門2-11-7 富山ビル2 B1F
03-3847-0511
1800PM-2300PM(LO)月曜他不定休
コメント