日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

九州沖縄縦断ツアー 三日目

2013-12-23 21:25:44 | 居酒屋
花見の旅で会津に連泊したとき、一日を「麦とろ」に、もう一日を「籠太」に注ぎ込むのが順当だと申しました。とりわけなじみの深い店が二つあるなら、それぞれを別の日に訪ねた方がよいという、きわめて当然の理屈を述べたわけです。那覇においてもそのような関係が成り立ちます。初日に訪ねた「八合一升」に対して、本日訪ねるのは斜向かいの"hinode"です。

旅先で呑むという愉しみの原点ともなった「八合一升」と違い、この店に通い出したのは比較的最近のことになります。斜向かいにある小洒落た店が、かねがね気になっていたため、初めて那覇に連泊した三年前、二泊目の特権を活かして飛び込んだのが最初です。およそ中年男の一人酒には似つかわしくない瀟洒な店構えに反し、和洋両刀遣いの献立は居酒屋使いにも好適で、店主と助手の客あしらいも心地良く、以来那覇では必ず立ち寄るなじみの店となって今に至ります。年に一度とはいえ、何度か通って要領を得てきたのはここでも同様です。玄関をくぐって店主と顔を合わせるなり、どちらが先というわけでもなしに軽く挨拶してから、L字カウンターの角に着席しました。

この店について語るなら、まずは小洒落た雰囲気からということになるでしょう。一銀通りを折れて「八合一升」のある路地を突き当たりまで進むと、公園の入り口に面して、一見するとフレンチかイタリアン、あるいは小洒落たカフェかと思わせる瀟洒な構えの店があります。マンションの一階にある軒先からは赤い日除けが下り、店先は様々な鉢植えで飾られて、床から立ち上がる大きな窓の奥に、ダウンライトで薄暗く照らされた店内が見えます。外観に違わず、店内にも「居酒屋」を連想させるものは何一つなく、なけなしの語彙に頼れば「ビストロ」などと形容すれば収まりがよさそうです。
黒い石を天板にしたL字のカウンターは広々して居心地よく、木目調のサッシを使った大きな窓、その窓に沿って斜めに置かれた正方形のテーブルなど、店内のあらゆるものが十分な手間を掛けて周到に作り込まれているようです。外を見遣れば、大きな窓の向こうで鉢植えが林立し、唯一無二の雰囲気を演出しており、奥の厨房はぴかぴかに磨かれて、二人組の料理人が注文をさばいています。店主はカウンターで接客と調理を両方こなし、他の二人は主として接客に回るというのがここの人繰りです。
小さなフォトアルバムを使った品書きは、和洋折衷というより両刀遣いというのが適切でしょう。洋でいうなら、肉類、パスタ、ピザなどのある程度想像がつくものに加えて、「アヒージョ」なる聞き慣れないようなものまで揃います。それなら洋風居酒屋かというと必ずしもそうではなく、和は刺身と寿司に始まり煮魚、干物、天ぷら、小鍋、さらには煮浸しなどのちょっとしたものまで揃い、純然たる居酒屋として考えても必要にして十分です。無節操といってしまえばそれまでとはいえ、これだけの品数を揃え、しかもそれぞれが完成されているのは大したものだと思います。

何度か通ううちに注文の流れが確立してくるのは、この店においても同様。まずはお造りを三品選んで盛り合わせてもらい、次いで沖縄らしいものを一つ、あとは豊富な品書きの中から、腹具合に応じてお好み次第といったところでしょうか。突き出しがない代わりにデザートがつくのは当店流です。二品ある中から紅茶のアイスをいただいて締めくくります。

hinode
那覇市牧志1-6-13 グリーンヒルハイツ1F
098-863-2332
1800PM-2400PM(LO)無休

オリオン・瑞泉
お造り三点
島らっきょうの天プラ
和牛スジときのこ、チンゲン菜のとろ~り小鍋
ロイヤルミルクティーアイス(おごり)
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九州沖縄縦断ツアー 三日目

2013-12-23 20:06:54 | 沖縄
那覇市街に戻りました。一風呂浴びてから今夜も酒場へ繰り出します。実は、昨日は三時という中途半端な時間の昼食が響き、夜になっても空腹感が戻りませんでした。その点今夜は結果的に昼食抜きとなったため、腹具合は万全です。時間的にいっても三軒は回れるでしょう。ただし、もとより数を稼ぐのが目的というわけではありません。二軒回ったところで腹も心も十分に満たされれば、その時点で切り上げるという選択も考えています。
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九州沖縄縦断ツアー 三日目

2013-12-23 18:19:21 | 沖縄
暗くなるまで粘ったにもかかわらず、残念ながら新たな収穫はなし。しかし、全体を通じてみれば、沖縄の旅においては過去まれに見るほどの好天に恵まれました。特に、最大の見所だった残波岬で頃よく晴れてくれたため、それだけでもう十分です。
今回で節目の十度目となる沖縄の旅ですが、名護まで到達せずに終わるのは初めてです。MOSの跡地と、そこにできたお茶屋はあのまま残っているのでしょうか。次回は是非とも名護以北まで足を延ばしたいものです。また来年…
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九州沖縄縦断ツアー 三日目

2013-12-23 16:50:06 | 沖縄
これまたお約束の万座毛を訪ねます。屹立する断崖絶壁は残波岬と双璧をなす一方で、観光バスがひっきりなしに出入りするなどやや俗な雰囲気が玉に瑕です。しかも再び空が曇ってしまいました。しかし、これ以上北上すると時間的には中途半端で、今更そばなどいただいても、この後の居酒屋に響いてしまいます。これではただ行って帰っただけに過ぎなくなるため、昨日と同様天候回復に一縷の望みをかけ、日中の残り時間はここで粘ろうかと思っています。
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九州沖縄縦断ツアー 三日目

2013-12-23 15:05:31 | 沖縄
お約束の残波岬に立ち寄ります。幸運にも空が再び晴れてきました。日差しは軽く汗ばむほどに暖かく風も穏やか。屹立する断崖絶壁の下には青い海が広がり、本部半島へと続く海岸線の彼方には、一目で分かる伊江島の影が浮かんでいます。沖縄でこれほどの好天に恵まれたのは、奇しくも五年前ここを訪ねたとき以来です。
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九州沖縄縦断ツアー 三日目

2013-12-23 14:48:16 | 沖縄
58号線をそれて読谷の漁港に立ち寄ります。時間が経つにつれて雲が増えてくるのは昨日と同じで、残念ながら晴れ間がほとんどなくなってきました。しかし、去年までと違うのは、雲に陰影がありそこそこ絵になることです。これなら残波岬もそれなりに楽しめるでしょう。
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九州沖縄縦断ツアー 三日目

2013-12-23 13:09:39 | 沖縄
沖縄の緩やかな時の流れにつられ、北へ向かうつもりがつい長居してしまいました。那覇市街を後に、昨日と同じ58号線経由で移動を開始します。天候は引き続き晴、ただし当然ながら関東のような冬晴れではなく、鱗のような雲に覆われ、薄日が差しているというのが正確な表現になるでしょう。しかしながら肌で感じる日差しは熱く、宮崎、鹿児島といった南国の冬と比べても、違いは歴然としています。今日は半袖に着替えての活動です。
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九州沖縄縦断ツアー 三日目

2013-12-23 12:49:50 | 沖縄
続いては那覇新港に立ち寄ります。鹿児島航路が出る寂れた雰囲気の那覇港、離島航路と漁船が行き交う泊港に対し、関東、阪神からの長距離航路が発着する新港には、当然ながら両者とは全く異なる趣があります。様々な土地の名を記したコンテナが積み上げられ、大型トラックとトレーラーがひっきりなしに出入りする様子は、ともすれば殺風景のようにも見えながら、これはこれでそこはかとなく旅情を誘うのです。
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九州沖縄縦断ツアー 三日目

2013-12-23 10:46:11 | B級グルメ
まずは例のごとく泊漁港で朝食をいただきます。このところ続けて世話になっていた「夕月」があいにく休みだったため、以前一度利用した漁協直営の「まぐろ食堂」に入りました。
今回選んだのは真鯛のあら汁で、鮪の刺身ともずくの小鉢がついて千円也。「夕月」のまぐろ丼が500円であることと、沖縄の物価水準を考えると、必ずしもお得感はありません。しかし、大漁旗を飾った簡素にして質実剛健な店内はいかにも漁港の食堂らしく、巨大な丼に満たされた具だくさんのあら汁にも沖縄らしさが感じられます。

まぐろ食堂
那覇市港町1-1-9
098-863-5475
1000AM-1530PM(水曜定休)
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九州沖縄縦断ツアー 三日目

2013-12-23 10:01:32 | 沖縄
出発します。今回世話になっているのは「ロコイン沖縄」です。今年で区切りの十度目となる沖縄への旅において、宿選びに試行錯誤していた初期の頃を除けば、その後は一貫してこの宿か、系列店の「ロコイン松山」に泊まっています。つまり那覇においては不動の定宿ということです。
呑み屋街に近くて低料金、なおかつ部屋が快適なのはどちらも同じです。しかしながら、「沖縄」の方が「松山」に比べて数百円高い代わりに、部屋からの眺めがよく駐車場にも近いため、どちらか選べる状況ならばこちらを選びたいところではあります。近年は航空券とレンタカーと宿をセットにした格安ツアーの利用が続いており、そうなると「松山」以外に選択肢がなかったため、「沖縄」は久方ぶりの投宿となります。
もっとも、両者の間に天と地ほどの差があるわけではなく、あくまで料金に見合ったわずかな違いしかありません。その点では、会津若松の「駅前フジグランドホテル」と「中町フジグランドホテル」にも通ずる関係といえそうです。
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九州沖縄縦断ツアー 番外編

2013-12-23 09:21:30 | 沖縄
ここで再び業務連絡です。昨夜は二軒のはしごという、沖縄にしてはやや控えめな結果となりました。もちろん不完全燃焼だったわけではなく、それぞれに心ゆくまで滞在した上でのことです。昨日に続き、快晴とはいかないまでも、冬場の沖縄としては珍しい好天に恵まれたため、今日は行動範囲を広げて時間の許す限り北上します。
現在のところPCは復旧しており、昨夜と今朝でわずかながら更新も進みました。しかし、一度大量の記事をためてしまうと、追いつくのがなかなか大変です。PCの調子が持ちこたえてくれれば、間合いを見計らって少しずつ更新を進めますが、今日中に追いつくことはないかもしれません。ご了承のほどお願いします。
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九州沖縄縦断ツアー 三日目

2013-12-23 08:00:36 | 沖縄
おはようございます。窓の外には青空が広がっています。沖縄でこれだけ晴れたのは、自身にとっては五年前が最後です。冬の沖縄において、晴天はそれだけ珍しいことなのです。何分沖縄だけに、今は晴れてもいつの間にか曇ったり雨が降ったりという可能性は十分にあるものの、ともかく貴重な晴天には違いありません。晴れれば海の色も全く違ってきます。積年の借りを返すべく、眺めのよい場所を拾いながら北上することになりそうです。
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九州沖縄縦断ツアー 三日目

2013-12-23 01:48:20 | 沖縄
本日の全行程終了です。居酒屋を二軒はしごしただけだというのに、気付けば結構な時間になりました。それだけ一軒に腰を据えて滞在したということでもあるので、これはこれでよかったのでしょう。幸いにしてあと一晩残っているため、今日積み残した分は明日取り返すことにします。
上空には雲一つなく、月と星が出ています。十年来通い続けて、初めて目にする光景です。この空が明日まで持ちこたえてくれれば最高なのですがどうなるでしょうか。気まぐれな沖縄の空だけに、過度の期待はしないで眠りにつきます。おやすみなさいzzz
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