日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

最後のランチ(9)

2013-12-18 22:15:33 | B級グルメ
飲食店を繁盛させる秘訣といえば、なんといってもよいものを出すこと、それに続くのが店内の清潔さ、接客の気持ちよさといったところでしょうか。しかし、昼時にはそれらに加えて回転の速さも重要ということを知りました。そのことを教えてくれたのが、本日紹介する「たけくま」です。

みすじ通りが途切れたところで階段の小路を登ると、それに接したビルの二階にあるのがこの店です。「露天」と同様円卓がなく、収容力はざっと二十人少々。もともと店が狭いのに加えて、マスコミでも紹介される人気店だけに、一時半を過ぎても待ち客がいるという状況は珍しくありません。行列のできる人気店には目もくれない天の邪鬼にとって、本来ならば真っ先に避けて通るべき店のようにも思えます。
ところが、この店が違うのは、待ち時間が驚くほど短いということです。先客が片手で勘定できる程度なら、長くとも五分弱待てば通され、席に着くやいなや注文したものが運ばれてきます。作り置きしていたかと思うほどの早さは、牛丼と互角といっても決して過言ではありません。それでいながら出される品は決して間に合わせのものではないのですから、なぜこれほど早く作れるのかが毎度のことながら不思議になります。

ここの名物はなんといっても担々麺、それに加えて最近急に売れ出したのが酸辣湯麺で、この二品が注文の七割八割を占めるでしょうか。担々麺は胡麻をたっぷり使った日本人向けの味で、万人受けするという点ではよいものの、個性の点では「露天」に一歩譲るものがあります。むしろ自分が好むのは、湯麺にもやしそばなど、野菜を使った麺類です。こんもり盛られた野菜と肉はそれだけでもおかずになり、全品についてくる杏仁豆腐もよくできています。900円から1000円と、ここも近隣の中華料理店に比べてやや強気な価格設定ながら、その価値は十分あると断言できる名店の一つです。

赤坂でとりわけ愛用した上位五傑と、最終週に訪ねた四軒を紹介して、この話題にも一区切りがつきました。しかし、記録しておきたい店は他にもいくつかあり、題材が尽きたわけではありません。とりあえずあと何軒か、気の向くままに綴ってみたいと思っています。

たけくま
東京都港区赤坂2-15-18 西山興業赤坂ビル2F
03-3585-3600
平日 1130AM-1400PM(LO)/1730PM-2200PM(LO)
土曜 1130AM-1400PM(LO)/1730PM-2100PM(LO)
日祝日定休
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