日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

花見の旅 2010番外編(3)

2010-06-13 23:28:54 | 旅日記
離島の旅などで一週間以上にわたり中断してしまった花見の旅の番外編を再開します。6月の中旬になって何を今更といった感はありますが、実は釧路の桜が散ってから10日しか経っていないわけで、もしかすると最後の花びらがまだ残っているかもしれません。あれほど長く感じた花見の旅も、終わってしまえば日々の暮らしに忙殺されて瞬く間に過去のことになってしまいますが、実はそれほど過去のことではないのです。

さて、前回はダイジェストと称して四月中旬から下旬にかけての三部作を振り返りましたが、今回は最大の山場でもあった大型連休の旅を振り返ります。東北最南端の福島を振り出しに桜を追って日本列島を北上し、海峡を渡って函館まで足を延ばす九日間の長旅でした。四月の冷え込みで甲信越から南東北で足踏みを続けた桜前線が、真北へ向かって移動を始めた時期に大型連休が重なったため、もう二度とできないのではないかと思われるような旅が実現することになりました。近年東北の旅といえば二泊以下の短期型ばかりで、一週間を超える日程は実に十数年ぶりだったという点でも特筆すべき旅でした。果たしてその顛末とは…

・福島から山形へ(5/1)
連休の下りのピークに重なったため、東北道の混雑を避けて常磐道、磐越道経由でのスタートとなりました。長旅の最初に訪ねたのは知る人ぞ知る桜の名所「夏井千本桜」でした。自分自身とほぼ同年代の、桜としてはまだ若い木々ではありますが、延々5kmにわたり川の両岸にソメイヨシノが立ち並び、船引の大滝根河畔の桜並木ともども、五年十年後の成長ぶりを定点観測したいと思わせる見事な光景でした。
午後は前の週に引き続き船引、三春、郡山の名木を訪ねましたが、あまりに数が多く相当数の積み残しを出してしまいました。来年の旅においては必須の目的地の一つになることでしょう。日没後は高速を飛ばして山形へ移動し、霞城公園で夜桜を眺めて終了となりました。

・置賜さくら回廊(5/2)
二日目は前夜に続き霞城公園からのスタートでした。既に散り際ではあったものの、一本一本の木が立派で花吹雪も様になり、濠に浮かぶ花筏も見事でした。
午後は樹齢数百年から千年クラスの名木が立ち並ぶ、三春周辺と並ぶ古木の宝庫「置賜さくら回廊」を訪ねました。その名の通り街道に沿って名木が点在するのが特徴で、直線移動を続ければよいので三春周辺に比べ効率はよいものの、こちらも名木が多すぎて半日では全く消化できず、滞在を一日延ばして翌日に持ち越すことになりました。主役である樹齢数百年から千年クラスの古木もさることながら、脇を固めるソメイヨシノも実に見事で、その気になれば一泊二日で行き来できる近場にこれほどの名所があったかと感心することしきりでした。
夜は赤湯へ移動し、烏帽子山公園で夜桜見物。小高い丘が無数のソメイヨシノの大木と枝垂れ桜の名木で埋め尽くされ、さくら回廊の木々が一同に会したかのような豪華絢爛な眺めでした。

・置賜さくら回廊二日目(5/3)
あまりの桜の見事さに滞在を延ばし、昨日に続いて置賜地方を巡る一日でした。午前中は上杉神社を中心に米沢の町を訪ね、午後からは再びさくら回廊へ移行。結局二日かけても全ての名木を訪ねることはできず、夜桜見物しかできなかった烏帽子山公園を含め、来年以降の宿題ということになります。未練を残しつつ南東北は打ち止めとし、桜前線を追って移動を再開、仙台まで走ったところでこの日は終了となりました。

・仙台から盛岡へ(5/4)
三日続いた快晴もこの日は振るわず、薄曇りの仙台の街からスタートとなりました。ソメイヨシノは既に散って枝垂れ桜が辛うじて残り、その一方で街路樹の新緑が芽吹いて、杜の都には初夏の気配が感じられました。今ひとつの天候と蓄積した疲労の影響もあり、午前中は花見をしばし忘れて仙台で過ごし、移動を再開したのは午後になってからでした。みちのく三大桜の一つに数えられる北上展勝地を訪ね、夜は盛岡の岩手公園で夜桜見物。本来ならばここで一泊するところですが、翌日の朝一で弘前に乗り込むため、この日は深夜走行で距離を稼ぎ、午前二時まで走って東北道のパーキングで仮眠をとることになりました。次はいよいよこの旅の山場ともいえる弘前の桜が待っています。

前半だけでそこそこの長さになってしまいました。後半は次回に残し、北海道はその次ということになりそうです。おやすみなさい…
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