無料化スタート

迷走を続けた挙げ句、高速道路の一部無料化がスタートしました。昨年の衆院選の目玉として華々しく打ち出されたはいいものの、蓋を開ければ実現したのは細切れの末端区間のみ、その他の区間については無料か値上げかという極端な振れ幅で二転三転を続けた挙げ句、政権崩壊のどさくさに乗じて参院選では一転してだんまりを決め込む始末ですが、もともと期待はしていなかったので失望もありません。唯一思うところがあるとすれば、高速道路が政争の具にされるとは時代も変わったものだということです。
自分が物心ついた頃には、国鉄の運賃を上げる上げない、ローカル線を廃止するしない、どこの駅に特急を停める停めないといった問題が政治的な駆け引きの対象にされていたものです。それが今では、高速料金を上げる上げない、道路を作る作らない、ガソリン税を上げる上げないといった問題に変わったのですから、時代は完全に自動車社会へ移行したのだということを実感します。政治的な思惑に振り回される高速道路会社は、さしずめかつての国鉄といったところでしょうか。あと数十年経って自動車社会が過ぎ去った後、人々は何を政争の具にするのでしょうか。かつての鉄道の栄華と、遠い未来の出来事が交錯する月末の一日です。