日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

花見の旅 2010番外編(2)

2010-06-02 23:39:35 | 旅日記
釧路の桜がついに散り始めました。都内で桜が散り始めたのが四月の上旬ですから、実に二ヶ月近い時が流れたということになります。残るは滝上の芝桜のみ、史上最長となった桜の旅は道東の地で終わりを迎えようとしています。現地では高校野球の春季大会が戦われており、今月下旬には早くも夏の高校野球の予選が始まります。桜が散って一月も経たないうちに夏の高校野球だというのですから、北国の季節感の違いというものを改めて実感させられます。

さて、番外編の第二回は「ダイジェストで振り返る花見の旅」と題して、六回にわたった花見の旅を駆け足で振り返ってみたいと思います。このblogに一部始終を記録したとはいえ、一日30回という芸能人blogも顔負けの頻度での更新が続くと、当の本人でも追いかけるのが大変です。そこで、これまでの旅を手短に振り返ってみようというのが趣旨になります。それでは早速四月から…

★花見の旅in信州(4/10-11)
今年の花見の旅は、数年来の恒例行事となっている高遠での花見から始まりました。例年にない遅咲きとして何度も話題に上った今年の桜ですが、実は西日本での開花は史上最速だったという、今となっては忘れ去られてしまった事実があります。桜前線の歩みが鈍ったのは関東に達してからで、北陸や南信などはむしろ昨年以上の早咲きでした。高遠の桜もこの数年では最も早い4月10日に満開を迎え、最初の目的地は必然的に決まりました。
初日の朝から満開で快晴だったこともあり、丸二日間高遠とその近辺の花見に終始するという、自分としてはいつになく移動範囲の狭い活動になりました。開花が予想以上に早かったため人出も思ったほどではなく、特に二日目の夜桜は例年を知る者としては拍子抜けするほどの空きようでした。普段は見物客で鈴なりの桜雲橋に通行人が一人もいないという奇跡の現象は、後にも先にも今年限りではないでしょうか。それだけに、三脚を忘れて夜桜を全く撮影できなかったのが悔やまれますorz
とはいえ、快晴で満開という数年に一度の当たり年に恵まれたのは幸運でした。毎年同じ桜を眺めているだけではありますが、天に向かって高く伸びる枝振りと小ぶりで可憐な花の取り合わせは、他のどんな桜をもってしても代えることができません。春日城址や伊那公園など脇を固める桜の名所も捨てがたく、これからも桜の季節が来るたびに通い続けたいと思う土地の一つです。

★花見の旅in信州Part2(4/17-18)
二週目は予想外の積雪で半日足止めを食らうところから始まりました。四月になって冷え込む日が続き、桜前線の歩みも鈍ってはいましたが、まさか四月の中旬に積もるほどの雪が降るとは思いませんでした。ついでにその時点ではこれが最後の雪になると信じて疑いませんでした。その思い込みは後になってことごとく覆される結果となりましたが…
結局安全策をとり、昼から出発して松本に着いた頃には夕暮れも近く、ほぼ一日を棒に振ってしまいました。とはいえ初体験となる松本の居酒屋は秀逸で、翌日訪ねた安曇野の桜も印象的でした。県外に知られるほどの名所こそないものの、北アルプスを背にして雪解け水が流れる安曇野で、農家の軒先や川の堤に桜がつつましく咲く姿は、日本の春の原風景という言葉がふさわしく、春が来れば折に触れて思い出しそうなほど印象深い光景でした。
一方、安曇野で時間を使いすぎたことによって、日本三大夜桜の一つである高田公園を訪ねるプランはあえなく断念となってしまいました。寄り道しすぎて予定が消化できなくなるという現象は、これ以降最後まで続くことになります。高田公園の代替プランとして最後に立ち寄った須坂の臥竜公園は、水面に映える桜が印象的な夜桜向けの名所でした。

★南東北花見の旅(4/24-25)
昨年なら秋田の北部か青森にでも行かなければ花見ができず、一泊二日で出かけるなど考えもつかなかったところですが、今年は桜前線が足踏みを続けたおかげで、関東から半径200km少々のエリアで三週間にわたって花見ができるという奇跡が起こりました。しかもこの週は二日とも快晴に恵まれたというのが特筆すべきところです。
初日は三春の滝桜と周辺の名木を訪ねるつもりが、あまりに名木が多すぎて、半分も回らぬうちに日没となってしまいました。ソメイヨシノなどというものがこの世に出現する前から立ち続けている桜の木々には、そこらの桜並木が束になってもかなわないような風格が漂い、神々しささえ感じるほどでした。翌週も半日をかけて巡ったものの、全てを回るには程遠く、来年の課題がまた一つ増える結果となりました。
日没後は会津を巡るいつものコースに移行し、夜は会津若松で夜桜見物と居酒屋探訪、一泊して翌日の午前に鶴ヶ城の桜を眺めた後、会津坂下、喜多方のトライアングルを巡って磐梯山麓から中通りへ抜け、二本松の夜桜を眺めて終了となりました。出発前の段階で予定していた船岡と大河原の桜は全く時間が足りずに断念。郡山、三春ともども来年の課題になります。南東北だけでも課題が多すぎて、取捨選択には苦労しそうです。

やはり、一月半の旅を駆け足で振り返ろうとしても自ずと限度があるようです。後半は明日以降に。おやすみなさい…
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